毛細血管が増える その2皮膚学会に行ってきました

2010年04月26日

日焼け止めの害

最近、欧米で日焼け止めを行うことについての論争が盛んなようです。
この場合、日焼け止め自体の毒性ということではなく、紫外線をブロックするということについてです。

もともと紫外線防御度が高い黒人ならともかく、白人において日焼け止めを使うことによる害がなぜか表立ってきました。

日焼けは、皮膚がんや老化、しみなど、プラスよりマイナス効果の方が大きいものです。
そのため、日焼けをしないよう注意すべく、日焼け止めを使うのですが、最近はナノ技術によって、有機系紫外線吸収剤を使わずとも酸化チタンだけで簡単にSPF50の日焼け止めを作れるようになり、日焼け止め効果も進歩しています。

この進歩に対して、意義を唱える学者が増えてきたというか、高SPFの日焼け止めについて懸念を示す声が増えています。

その問題が、ビタミンDの合成。

ビタミンDは肌へ紫外線が当たることで、肌の中でビタミンDが合成されます。
ところが、日焼け止めを使うと、完全にビタミンDの合成をブロックします。

ビタミンDは、非常に活性が高いビタミンで、どちらかというとホルモンに近いほどの強力な活力を持っています。

このビタミンDが不足するということは、様々な疾病の原因になるのではという懸念です。(特に女性)

もちろん、日焼け止めでビタミンDの合成が阻害されるなんて、くだらない指摘だという論文も出されていて、単純に高SPFの日焼け止めが悪いというわけではありません。まだまだ論争が続いています。

このビタミンDが日焼け止めを使うと不足するという指摘は、ずいぶん前から繰り返し、蒸し返されていています。
その度に日焼け止めは、塗る量が不足していたり、塗りムラがあったり、汗や皮脂で落ちるので、案外大丈夫だよということで落ち着くのですが、最近は汗や皮脂に強い日焼け止めも出ています。

それがまたビタミンD不足になるのでは・・というように話をややこしくしています・・(^^;

どちらにしろ、皮膚がん予防という観点からは日焼け止めははずせないので、食事から摂れるビタミンDにこだわる必要はないのではと思います。

shin_chanz at 00:00│Comments(8) 化粧品 

この記事へのコメント

1. Posted by たく   2010年04月26日 10:15
タイトルを見て、今までセッセと日焼け止めを塗ってきたことが害だったのかとびっくりしましたが、結論を読み安心しました。それにしても、欧米では女性でも好んで日焼けするようですね。紫外線の害を気にしないのでしょうか。 
最近の日焼け止めは、ウォーターベースなどと言って、皮膜感も薄く、付け心地もいいのですが、頼りない感じもありますね。本当に紫外線をブロックしているのか、すぐ落ちないのか、不安に思いつつ、使用しています。どうお考えでしょうか。
2. Posted by アイノティー   2010年04月26日 16:02
しんちゃんさん、こんにちは。
いつもお世話になります!
度々ですが日焼け止めについて質問させて下さい。
二酸化チタンと亜鉛が配合されていて、シリコンが含まれていないのですが、そちらはやはり汗、皮脂に弱いですよね。
ウォータープルーフでなければ、見た目に汗をかかないときでも、身体から分泌される水分や皮脂で けっこう落ちてしまうものなのでしょうか?
3. Posted by しんちゃん   2010年04月27日 23:34
たくさん、こんにちは

ヨーロッパの場合は、日光浴が文化の一つになっていますので、日焼けについての考え方は国によってかなり違うと思います。
知識層はいくら日焼けはダメといっても、庶民は聞かなかったりすると思います。

ウォーターベースも乳液タイプだと、紫外線のブロック力はそこそこあるかと。
ただ、化粧水ベースだと難しいような気がします。
乳液タイプは落ちにくいですし、こちらを選ばれることをお勧めします。
4. Posted by しんちゃん   2010年04月27日 23:39
アイノティーさん、こんにちは

シリコーンが含まれていなくてもポリマーなどが入っていれば、かなり汗や皮脂に強いです。水に溶けるポリマーが一度肌で乾くと耐水性を持つものもあります。
ただ、さらっとしている化粧水のようなものなら難しいと思います。

なお、汗をかかない状況ではそれほど落ちません。
ただ、これも皮脂でぎらつくような肌質では別です。

夏場にうっすら汗をかいて、化粧崩れがあるときは、まずいとお考えください。
5. Posted by ののきん   2010年05月07日 00:43
しんちゃんさん、

しんちゃんさんはどこのメーカーのどの日焼け止めを使ってますか(- ‐;)

チタン・亜鉛がきちんとコーティングしてあって、光触媒の害で皮膚がめくれないものを探してます。

素人が、各メーカーのチタン・亜鉛のコーティングまで認識するのは結構難しくて・・。

現在NOVを使用してますが、光触媒からなのかポリマーらをクレンジングする際ハゲるのか、皮膚がうろこのように細かくめくれています・・。

最近、アクセーヌのSPF50+++はチタン・亜鉛ともにコーティングされてることを発見したんですが、日焼け止めにビタミンCを入れてるせいか、乾燥するという意見を見受けました。

トゥヴェールでは日焼け止めは作らないのでしょうか。

トゥヴェールではつくらないんですか?
6. Posted by しんちゃん   2010年05月08日 08:39
ののきんさん、こんにちは

日焼け止めはロートのものを使っていました。
なお、一番コーティングがされているのはアクセーヌですね。
何重にもコーティングしていて、ここのメーカーは少なくとも15年も前からコーティングにこだわりを持っていたところです。

トゥヴェールでも日焼け止めは開発中です。
ただ、SPFは20くらいの軽いタイプですね。
いつ出せるようになるのかはわかりません。
あまりケミカルな成分を入れないようにすると、分離してしまうので、製品安定性に苦心していることです・・(笑)
7. Posted by kur   2010年05月12日 03:19
http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_manual.html
こちらの「第2章 紫外線による健康影響-3.紫外線とビタミンD」にてビタミンDとの関係性が書かれています。
確かに必要ではあるのですが、両手の平の面積で15分、当たる程度でいいみたいです。
食品摂取でもいいみたいですね。きのこや魚類。きくらげだと一日1gでOKです。
ただ冬季うつ病があるように、太陽光は精神的な面にも深く関わっているようなのでほどほどに浴びるのが一番いいんでしょうね。
あと気になるのが、ナノの危険性。
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/nano_project_master.html
どうなるんでしょう...。
8. Posted by しんちゃん   2010年05月12日 21:41
kurさん、こんにちは

ナノの危険性は色々言われるようになりましたが、化粧品の場合はそれほど心配は要らないのかなと思います。
色々な検証がありますが、ナノ酸化チタンや酸化亜鉛は皮膚へは浸透しませんし、それほど問題ではないと思います。
ナノ粒子はナノ粒子同士で集まる力が強いので、粒子が集まってすぐにナノでは無くなるという点も大きいかと。

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