エネルギーの燃焼 その3物質の大きさ

2010年06月07日

クエン酸

化粧品の成分というのは、以前書いたことがありますが、死んでいる成分と生きている成分があります。

生きている成分でも、イキイキとしているのか、何と無く生きているものなど色々ですが、死んでそうで、実は生きている意外な成分もあります。

たとえば、その代表例が界面活性剤。
その中でラウレス硫酸Naやラウリル硫酸Naなどは意外にも生きている成分に分類できると思います。

なぜなら、これらの界面活性剤はシャンプーの基剤としてよく使われますが、時間と共に水が反応し徐々に分解していっています。

分解が進めば進むほど、pHが酸性となり、余計に分解が進むという悪循環。

合成洗剤など、分解しないと考えている人は多いのですが、意外にもほっておくだけでも時間が経てば勝手に分解していきます。

ただ、分解すると泡立ちは悪くなり、酸っぱい臭いもするし、商品としての価値が下がります。

そこでこういったことを防ぐのがクエン酸です。化粧品の成分表を見てみると、クエン酸、クエン酸Naなどの表記がありますが、これこそが分解を防ぐ成分で、化粧品には実は無くてはならないものです。

クエン酸が入っていると、pHを一定に保つ効果があります。
人体ではタンパク質や血液に溶けている無機塩類がその働きを担っていますが、化粧品の場合はクエン酸です。
ほかにリン酸などもよく効くpH安定化剤ですが、こちらは「リン」という名前が悪いということで余り使われません。

分解しやすい成分へ影響を及ぼすのはpHです。
pHが低くても高くても成分の分解度を加速させますが、クエン酸がpHを一定に保つことで、成分の分解を防ぎます。

化粧水からシャンプーまで幅広く化粧品の分解阻止財としてクエン酸は幅広く使われています。



shin_chanz at 00:01│Comments(5) 化粧品 

この記事へのコメント

1. Posted by えにぃ   2010年06月08日 04:33

しんちゃんさん、クエン酸のお話し読ませて頂きました。
クエン酸がないと分解するということは、手作り化粧品でも同じ事なのでしょうか?

たまに作って冷蔵庫に保存していても、化粧水にすぐトロミが出てきて糸をひきます。
これは菌が増えたのか分解?なのかわかりません。
ヘキサンジオールが入っているのに一週間でこうなります。

ちなみに、材料は
ローズ水、水、ラフィノース、トレハロース、ベタイン、グリセリン、ヒアルロン酸Na、ヒアロオリゴ、トゥウ゛ェールさんのアミノ酸、APPS、ヘキサンジオール

です。これにクエン酸わ必要でしょうか?
2. Posted by しんちゃん   2010年06月08日 21:24
えにぃさん、こんにちは

APPSを入れた化粧水を冷蔵庫で保存すると粘度が出る場合があります。
そのため、菌とは関係ないとお考えください。
常温で保存されたら粘度はほとんどありません。

クエン酸は手作り化粧水には不要です。
分解するまでに使い切るため、あまり入れる意味はありません。
3. Posted by えにぃ   2010年06月09日 18:28

APPSを冷やす事が粘度が出る原因だったのですね。
菌か分解かと思っていました。
素朴な疑問ですいませんが、冷やすとどうして粘度が出るのですか?
分子が大きなサイズになっているとかでしょうか?
一度粘度が出てしまった化粧水を常温保存したら元に戻りますか?

APPSを入れて作った物は常温保存した方が良いのでしょうか。。
クエン酸はあまり意味がないようなので入れないでみますφ(.. )
4. Posted by しんちゃん   2010年06月10日 21:12
えにぃさん、こんにちは

簡単に言えば、温度が下がると分子同士がつながって、動かなくなるからです。

たとえば牛脂などは常温で固まっていますが、お肉を焼くときに鉄板の上に牛脂を乗せると温まって動きますよね。
冷えるとまた固まりますが、それと似たようなものです。
粘度は温度依存性のものですので、常温にすれば元に戻ります。
また、粘度が出ても効果は変わりません。
冷たい化粧水の方がさっぱりして気持ちよいということでしたら、冷やされても問題ないかと思います。
5. Posted by えにぃ   2010年06月11日 06:26
しんちゃんさん、こんにちは。

なるほど!牛脂のようなものなのですね、とても分かりやすく説明ありがとうございます。

粘度が出ても効果は変わらないと聞いて安心しました。

お忙しい中いつもありがとうございます(*´∇`)

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