日焼け止めの開発 その2日焼け止めの開発 その4

2010年07月02日

日焼け止めの開発 その3

開発を考えているのはノンシリコーン及びノンポリマー、ノン合成オイルの日焼け止め。紫外線吸収剤も配合しません。

高SPFの日焼け止めには紫外線吸収剤を多く使います。
紫外線吸収剤は、酸化チタンより張るかに細かい粒子として分散しているため、紫外線が通る隙間を与えません。

酸化チタンや酸化亜鉛は、どんなに細かくしても必ず微細な隙間があり、そこに紫外線が入り込んでいきます。

また、酸化チタンや酸化亜鉛は、紫外線錯乱剤という表現がされますが、実際には紫外線吸収剤としての働きもあります。

そこが他の鉄などのほかの金属との違いですが、一定量の紫外線を吸収すると、急激に防御効果が落ちます。

もし、紫外線錯乱だけで紫外線を反射するなら、永遠に効果が続きそうですが、紫外線吸収剤としての効果も持ち合わせており、こちらの方が紫外線を防御するという意味では強いため、一定量の紫外線に当たると、他の有機系紫外線吸収剤と同様に効果が落ちてしまいます。

有機系紫外線吸収剤の場合は、紫外線を吸収すると化学構造が変化して、元に戻るときには光や熱などを放出して、また紫外線を吸収するという繰り返しにより紫外線防御を行います。
ただ、この繰り返しも永遠に続くことはできず、元に戻らなくなるにつれ、紫外線防御効果が落ちていきます。

紫外線錯乱剤である酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムだけで高SPFのものを作ろうとすると、ナノ酸化チタンが必須ですし、そうすると「乾燥」という問題も出てきます。

微粒子になればなるほど、表面積が多くなるため、皮脂を吸う力も強くなります。
もちろん、皮脂を吸うことで、化粧崩れなどを防ぐというメリットもありますが、乾燥も比例して強くなり、乾燥感がそもそも存在しない紫外線吸収剤とは使用感に違いがあります。(ただし、有機系紫外線吸収剤のなかにはミクロ粒子状となっていてあえて肌に浸透しないサイズのものも存在します)

なお、色々読者の方に教えていただいた日焼け止めすが、オーガニックを標榜していてもいくつかは「ナノチタン」であるような気もします。
これを調べるには、電子顕微鏡で見るしかありません。
ただ、MMUのように単なるミネラルの粉なら電子顕微鏡で覗くことも可能なのですが、日焼け止めやファンデーションの場合は、覗いてもナノ粒子の大きさはわかりません。
油などが邪魔をしていて、本当は小さい粒子なのに、周りについている余計な成分のため、誤って大きく見えてしまうからです。
これに対応するには、日焼け止め自体を燃やして、有機系成分を全部飛ばし、電子顕微鏡で覗くしかありません。
今回はそれが出来るかどうかわかりませんが、見てみたいものはいくつかあります。

shin_chanz at 00:00│Comments(0) 日焼け止め 

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