油の中に水を分散させたチョコレート落ちにくい口紅と油脂

2010年09月06日

オイルに溶けた粒子

チョコレートに溶けた砂糖の粒子の大きさは、チョコレートの味に大きく影響を与えます。

粒子が大きいとざらつき感がありますし、粒子が小さいと砂糖をコーティングするための油脂が必要で、経済的ではありません。

チョコレートは油の塊なのに砂糖をコーティングするために油脂が必要?
とお考えになるかもしれませんが、砂糖はさらっとしたオイルを固める必要な成分で、砂糖を多く入れるとチョコレートの感触が出ず、舌触りに違和感が出るようになります。

あくまで舌でチョコレートを転がしたとき、ゆっくりと溶けてしかも、ざらつきがなく、粒子感がでないようにする必要があります。
粒子が大きいと舌が砂糖の粒子径を認識して、ざらつきを感じます。
粒子が細かいのに油脂の量が少ないと、舌の上で滑りが悪くなり、やはりざらつきを感じます。

砂糖をそのまままぶして使う和菓子とは全然考え方が違います。

砂糖の粒子の大きさによって感じさせる甘みも違い、粒子が大きすぎて小さすぎてもだめという結構シビアなものです。

しかも、砂糖は匂いの吸着をしっかりとする成分で、ステンレス製の製造装置を使うと、ステンレスの金属臭を吸着する場合もあります。
家庭用のフードミキサーも同様でミキサーにかける時間が長いと、ミキサー羽根の金属臭も吸着することもあり、砂糖はお菓子作りにとって使い方に気をつけなければならない素材の一つです。

チョコレート中の砂糖の大きさを測定するには、植物油とチョコレートを混ぜ合わせます。そうすると、チョコレートは植物油に溶けて砂糖の粒子は油に溶けずに残るため、この粒子を測定することで、どのくらいの大きさの砂糖を使っているのかということがわかります。


shin_chanz at 00:00│Comments(2) 食品の科学 

この記事へのコメント

1. Posted by みさと   2010年09月06日 00:39
こんにちは。

砂糖がそんなに奥深いものだとは思いませんでした(笑)

これからチョコを食べるときの見方?楽しみ?が増えそうです!

あと、今使っているオイルについてお聞きしたいことがあります。

スクワラン、ラノリン、白色ワセリン、馬油を使っています。

これらのオイルで油焼けはしないでしょうか?

またラノリンは常温保存で大丈夫でしょうか?

よろしくお願いいたします。
2. Posted by しんちゃん   2010年09月07日 10:12
みさとさん、こんにちは

チョコと砂糖は色々と奥深いですね。
砂糖は金属臭を吸収するくせがあるので、パテシエは苦労していると思います。

さて、油やけですが、いずれのオイルでも起こりません。

ただ、日光に当たるとUVAは素通りしますので、何も塗っていない素肌と同じように日焼けしますので、ご注意ください。

なお、ラノリンは常温保存で大丈夫です。

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