フケについて化粧品の香り

2011年11月20日

フケについて その2

フケの直接の原因となるターンオーバーの乱れは、皮脂以外にも様々な要因が組み合わさって引き起こります。

たとえば洗浄力の強すぎるシャンプーも原因の一つで、皮脂を落としすぎることで、フケが出やすくなる場合も。
また、頭皮のかゆみにより、頭を掻くと、掻いた後は炎症を引き起こすこともあります。

炎症が起こると、当然ターンオーバーの乱れが発生し、フケの原因になります。

ターンオーバーは皮脂が多いと乱れますが、直接皮脂が影響しているというより、皮脂が常在菌によって出来る脂肪酸の刺激によって、ターンオーバーが乱れます。

頭皮にはたくさんの細菌が棲みついているため、皮脂の分解物による頭皮のニオイの発生の原因にもなりますが、同時にこの分解物が、頭皮への刺激になるため、皮膚が早く剥がれていくようになります。

このため、市販のフケ防止シャンプーというのは、抗菌剤を有効成分としているものが多いです。

一番有名なのは、亜鉛のジンクピリチオンでしょうか。
微粒子状の重たい粉で、登場した当初はシャンプーに配合しても沈殿を起こして効果を失ったり(重いのですぐに沈む)、シャンプーを変色させたりと、色々使いこなしが難しい成分でしたが、いまでは安定配合できる処方が出来て、一番多く使われています。

ジンクピリチオンに次いで使われるのが、硝酸ミコナゾール。
安いふけ取りシャンプーではだめな人向けです。
皮膚の常在菌のうち、カビに対して特に効果を発揮する薬剤です。
フケの原因となるカビは、皮脂を食べて遊離脂肪酸などを産出し、フケの多い人ほど、カビが頭に多いことがわかっています。
つまり、フケの多い人の頭皮はカビの繁殖に良い環境になってしまっているため、抗カビ剤をシャンプーに配合するのが、日本だけでなく欧米の主流となっています。

このほか、皮脂の酸化によって出来る過酸化脂質も刺激の原因となるため、皮脂の酸化を抑える抗酸化剤として、ピロクトンオラミンなども使われます。殺菌剤としても働きますし、抗酸化を行いつつ、皮脂の分解を抑えるといういくつもの効果を併せ持つ薬剤です。

なお、乾燥性のフケに対しては洗浄力の調整(皮脂を落としすぎない)やスクワランオイルなど菌の栄養にはならないオイルを配合して、頭皮の乾燥を防ぎます。
この場合は、抗菌剤入りのシャンプーでは解決がむずかしく、頭皮の皮脂量にあった落としすぎないシャンプーを選ぶことが重要となります。

shin_chanz at 20:00│Comments(3) 皮膚病 

この記事へのコメント

1. Posted by カナ   2011年11月20日 20:37
5 いつも勉強になります。
「菌の栄養にはならないオイル」という考え方に目から鱗が落ちたのですが、
スクワランオイルの他にもありますか?
是非教えて下さいませ!
宜しくお願いします。
2. Posted by しんちゃん   2011年11月21日 20:42
カナさん、こんにちは

スクワラン以外にはワセリンやホホバオイルもなりにくいかもしれません。
通常の植物油や動物油は基本的に菌の栄養になってしまうでしょう。
スクワランが一番使いやすくてよいと思います。
3. Posted by カナ   2011年11月23日 16:29
5 オイルにも特性が色々あって、面白いですね。
ご返事ありがとうございました!

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
フケについて化粧品の香り