美白

2011年02月06日

林原倒産・・

林原が倒産したのには、びっくりしました。

テレビでやたらトレハロースの宣伝をしていて、それなりに知名度があった企業。
研究開発にも熱心で、理系の学生からもそれなりに人気があったと思います。

化粧品では、トレハロース以外に持続型ビタミンC誘導体の生産を行っています。

ビタミンC誘導体は主に持続型ビタミンC誘導体とリン酸型ビタミンC誘導体の2種類に大きく分かれます。

このうち店頭販売などを中心として圧倒的なシェアを持つのが林原の持続型ビタミンC誘導体です。

ビタミンC誘導体と糖をくっつけたタイプで、人間の肌にはこの糖を外す酵素が余りありませんので、分解に時間を要し、結果としてじわじわ分解されるため、持続型ビタミンC誘導体と呼ばれます。
また、安定性が高く、安いコストで薬用化粧品が作れるため、大手メーカーを中心として採用が進んでいます。
大手のビタミンC誘導体と言えば、この林原のビタミンC誘導体を指します。

一方、リン酸型ビタミンCは、安定性が悪く、店頭販売には向きませんでした。
しかし、精製工程の進歩により、安定性が高まり、今では大手も一部採用しているほどです。

美白化粧品では、林原の原料はかなりのシェアを持っていますので、その製造元が潰れてしまったということは、かなりのインパクトがあります。

また、美白化粧品以外にもトレハロースは、加齢臭対策化粧品にはよく使われますし、化粧品より和菓子や洋菓子の品質保持剤にも幅広く使われているようです。

倒産したとはいえ、工場はとりあえず動きますので、しばらくは安定供給がされると思いますが、粉飾決算の常態化など、同族企業の悪い面がかなり噴出しているため、銀行団が素直に再建を認めるかどうかも不透明で、今後の展開を注視している関係者は多いと思います。


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2010年11月15日

クジンエキス

手作り化粧水では、単独で使用しなければならないエキスの中で、美白効果の高いものがあります。

それはクジンでマメ科クララの根で、消炎や解熱に使われる生薬エキスです。

殺菌効果も強く、ニキビ対策としても期待できる生薬。
ただ、こちらの生薬の問題はアルカロイドという、プラスのイオンになる成分が含まれていて、他生薬と混ぜると沈殿を起こす可能性があります。

このクジンはメラニン生産に関わるたんぱく質調整作用があるのが特徴です。
メラニンは、メラノサイト刺激ホルモンというホルモンによって作られることがあります。
日焼けなどで、皮膚の細胞がこのホルモンを合成し、メラニンを増やすように働きかけます。

要するに細胞同士の会話をホルモンを通じて行うのですが、クジンエキスはこのホルモンがメラニンを作る細胞へ入っていくことを邪魔します。

細胞にはホルモンがくっつく場所が決まっているのですが、クジンエキスはその場所へ陣取り、メラノサイト刺激ホルモンが結合するのを邪魔します。

白人で、色白の人間はこの結合場所が変異しており、遺伝的にメラノサイト刺激ホルモンの影響を受けにくく、肌が白くなっているケースが多いとか。

その結果、日光を浴びてメラノサイト刺激ホルモンが作られても白い肌を維持しています。(ただし、皮膚がんになるというリスクは格段に高くなります)

メラノサイト刺激ホルモンを邪魔するものにはカミツレETもあります。
スクワランでカモミールを抽出したエキスですが、こちらは直接の美白効果はありません。
一方、クジンは、直接的なチロシナーゼ酵素阻害作用もあり、メラノサイト刺激ホルモンの邪魔をするだけでなく、チロシナーゼ酵素によって作られる工程でもメラニン産生を邪魔する効率の良いエキスです。

ただ、他のエキスと混ぜると沈殿が生じやすく、使いにくいという欠点を持ち合わせています。

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2010年01月24日

今一度ホルモンとシミについて

女性の頬に良く出来る肝斑というシミ。
日焼け止めを塗らずUV対策などしない男性にはほとんど見かけません。

女性はUV対策を怠ると、このシミが浮き上がりやすくなります。

いまさらながらこのシミの原因は女性ホルモンのアンバランスといわれています。

そのホルモン原因説をしっかり裏付けるのが少女の肝班。

初潮を迎えた少女にも肝班はできます。このぐらいの年齢なら、男の子にはソバカスがあっても肝班はありません。

少女が月経不順になるとこのシミが出現し、まさに女性ホルモンによって引き起こされるシミであることがはっきりします。

ソバカスは遺伝性のシミで、基本的には日光に当たる部分で出現します。

早い場合は、3歳から出現します。
そして思春期にこのシミは濃くなっていきます。
親にソバカスがあると、子供にもソバカスが出来る可能性があり、白人に多いとされています。

メラニンを作る細胞の数は、ソバカスがあるなしに変わりませんが、メラニンの産出は何らかの原因で盛んになっています。

もちろん、ソバカスに対しても美白剤は有効で、日焼け止めも紫外線をカットすることで、ソバカスが濃くなることを防ぎます。

そばかすは優性、劣勢、多因子などの遺伝によって伝達されていき、遺伝要因がなければ、悩むことはありません。

しかし、女性なら必ず肝班に悩む時期が訪れます。
ここがソバカスと肝班との大きな違いです。


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2008年08月01日

100%発症するシミ

肝班は圧倒的に女性で発症するシミですが、
女性、男性関係なく発症するシミもあります。

それが老人性色素班というもので、60歳代になると男女関係無く
100%の確立で発症するとされています。

大きいもので10円玉くらいの大きさ、小さいもので雀斑くらいの大きさとなります。

顔だけでなく、日の当たるところなら、手の甲、腕など、どこでも発症します。

このシミは肝班と違って、紫外線の長年の蓄積によって起こるシミであるため、
単にメラニンが増えているだけではなく、表皮にも老化による異常が行っているのが、特徴です。

表皮が肥厚したりの異常が発生していたり、メラニンを作る細胞の数も増えています。
(肝班では、メラニンを作る細胞の数は増えず、生産量がアップしているだけ)

また、メラニンは通常メラニンを作る細胞から、表皮の細胞に受け渡されると
表皮の細胞内で、消化されていきます。

この老人性色素班に至っては、本来表皮の上層部ではあまりないはずの
メラニンがたくさん沈着しており、かなり美白剤が効きにくいシミの1つです。

肝班と同様に紫外線によって、増悪するのですが、細胞自体がおかしくなっているので、紫外線にあたらずともメラニンを作るように表皮の細胞が命令を出し続けているという特徴もあります。

また、シミのなかでも色が濃いものは、皮膚がんの前段階やほかの病気の可能性もあります。
レーザーで治療すれば、シミは薄くなりますが、レーザー治療の前に
皮膚科専門医での診察が推奨されるシミでもあります。
(皮膚ガンの診察は、美容外科医より皮膚科医の方がより正確にできるため)

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2008年07月30日

かんぱん

遺伝性のシミで有名なのは、そばかすですが、
女性を悩ませる肝班も遺伝性の要因が強く指摘されています。

この肝班は、母親が肝班で悩むと、50%の確立でその娘も肝班で
悩むことになるという報告もあるぐらいです。

男性は、ほとんどの人が肝班にはなりません。
日本人の男性は特に肝班にはなりにくいとされています。

ちなみに肝班の発症は、日本人の場合は、肝班患者15名いれば、
患者のうち女性は14名という具合です。

圧倒的に女性で発症するため、肝班の悩みを身をもってわかる男性は
ほとんどいないのが現状でしょう。

女性の発症率の高さから女性ホルモンの影響が指摘されており、
通常、30歳代から生じはじめ、閉経後に消退するという特徴があります。

女性ホルモンで誘発されるため、たとえば10代や20代であっても
経口避妊薬を使用すれば、肝班ができやすくなってしまいます。

肝班は体内部の要因では、女性ホルモンの影響が大きいのですが、
外部の要因は、紫外線によって悪化することがわかっています。

ちなみにレーザー治療は肝班を悪化させるだけですので、
トラネキサム酸の内服もしくは美白剤しか今のところ治療の選択はありません。

その他は、できるだけ紫外線防御を行うといったところでしょうか。

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2008年07月28日

真皮でのシミ

紫外線が強くなると、皮膚の細胞はそれに対抗するため、メラニンを作ります。

若いときには、ひねくれた細胞もそれほどいないため、
日焼けしても均一の小麦肌になりますが、だんだん年齢を重ねると、
感受性の高い細胞がやたらとメラニンを作ります。

過剰のメラニンが蓄積されると、皮膚の一部が濃くなり、
その明度差から「シミ」と認識されるようになります。

生まれつきシミが出来やすい家系というのは、どうもあるようで、
とくに真皮にできるシミにはそのような遺伝的な要因が関係すると考えられています。

通常、メラニンを作る細胞は、表皮側にいて、真皮にシミができることは
滅多にありません。

赤ちゃんとなって、生まれてくる前にシミをつく細胞というのは、
神経にいて、人間の形になる従い、神経から真皮へ入り、そして表皮に侵入していきます。

本来は、表皮に入るべき細胞が、赤ちゃんとして生まれるまでの間に
何かの理由で真皮に残ってしまうと、真皮でのシミの原因となります。

ただ、通常、シミを作る細胞というのは、表皮に入ってからしか
メラニンを作りませんので、真皮に細胞がいてもメラニンは作らず
ただ、ぼーとしているだけという状態です。

ずーと、ぼーとしていれば、よいのですが、何かの刺激を受けることで、
自分はメラニンを作る役目だということを思い出してしまうと、
せっせとメラニンを作り出し始めます。

真皮のシミというのは、基本的にはそう多く発症するものでもないので、
患者さんの数も少ないという特徴があります。

なお、治療には美白剤は全く無意味なので、レーザー治療を行います。
(真皮まで美白成分は届かない)

治療といってもレーザー光線をシミの部分に当てることで、
メラニンを作る細胞を殺し、メラニンを作らせないようにするのが基本となります。

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2008年07月26日

未来的な美白剤?

最近は、色々な美白剤が開発されています。

また、美白剤を肌の中へ浸透させる技術についてもどんどん進歩しています。

たとえばイオン導入機や超音波導入器は、その代表例でしょうか。

ここにきて、新しい導入方法も開発されてきているのですが、
その一つがマイクロニードルです。
ブルベとかイエベとか肌を細かく分類してファンデーションを売る企業の
親会社が研究しているようです。

以前は、微小な針を剣山のように加工して、その針に薬剤を塗って
皮膚に押し当てるということが考案されていました。

ちょっと痛そうなんですがね。

今度は、この針を糖で作る技術が開発されています。

マルトースという調味料に良く使われる糖を用いて、
この糖とビタミンC誘導体(マグネシウム塩)を混合して、100℃以上に加熱し
液状とした上で、マイクロニードルを作る鋳型へ流し込んで、針とします。

この針を皮膚に刺して、ビタミンC誘導体を皮膚内に送り込むという
やり方です。

針にして刺すのですから、おそらくどの導入法よりも皮膚内に入ります。
ただ、問題は、針で刺すのですから、痛みがあるという先入観でしょうか。
表皮だけに針が留まるのなら、痛みはないはずですが、
さて、どうなることやら。生きた細胞へ針を刺したときの細胞へのダメージなどもわかりません。

ちなみに、ビタミンC誘導体の中でも100℃以上の温度に耐えるものは、
一般的にリン酸型ビタミンC誘導体のマグネシウム塩くらいしかありません。

そのため、浸透性の高いAPPSを針にするというのは、
マルトースを使う限り難しいですね。

この技術が進歩すれば、美容皮膚科でのしみ治療で効果があるとして、
イオン導入より発展していく可能性があります。

ただ、肌に穴を開けるので、感染症とか、そういった問題も起きますので、すぐには広がらないような気もします。

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2007年09月14日

最近の美白成分

美白成分は色々あります。

ただ、実際に効能を認められるのは、ごくわずか。

美白剤として承認されるには、医薬品医療機器総合機構の審査専門協議会での
審査を通らないといけません。

その審査会には、効果を裏付ける基礎試験に関する資料を提出して
審査をお願いするわけですが、審査には長期間かかりますし、
何より最新の知見を元にした成分でないと、なかなかパスしないようです。

自社の基礎試験データだけではだめなので、専門機関に依頼する必要があり
費用と時間がかかわる割には、難易度が高いので、
申請を行うのも一部の化粧品会社と製薬会社のみとなっています。

古くはアスコルビン酸とプラセンタエキスだけだったのが、
リン酸型ビタミンC誘導体(1988年武田製薬)、
アスコルビン酸グルコシド(1994年資生堂と加美乃素)、
アスコルビン酸エチル(2005年資生堂)、
コウジ酸(1988年三省製薬)、アルブチン(1989年資生堂)、
エラグ酸(1996年ライオン)、カミツレエキス(1998年花王)、
ルシノール(1998年ポーラ)、リノール酸(2001年サンスター)、
トラネキサム酸(2002年資生堂)、AMP(2004年大塚製薬)、
マグノリグナン(2005年カネボウ)となっています。

メラニンの酸化反応をとめて美白効果を発揮するのが、
アスコルビン酸(ビタミンC)系成分です。
この効果は他の成分にはないため、ビタミンC系の成分と
ほかの美白成分を組み合わせて使うということも多いです。

コウジ酸は2003年に発がん性の疑いにより、配合が禁止されましたが、
2005年に微量配合なら安全ということで再許可されています。

メラニンを作る酵素の働きを邪魔して美白効果を発揮するのが、
コウジ酸、アルブチン、エラグ酸、ルシノール、マグノリグナンになります。

カミツレエキスやトラネキサム酸は、メラニンを作るように細胞に
働きかける物質を邪魔することで美白効果を発揮します。

リノール酸はメラニンを作る酵素の分解を促し、酵素の量を減らします。
マグノリグナンもメラニンを作る酵素の合成を邪魔して、酵素の量を減らす
働きがあります。

AMPについては、細胞に活力を与えてターンオーバーを早くして
メラニンの排出を高めることで美白効果を発揮します。

ただ、美白効果を発揮するものは、刺激があるものも多く、
ほとんどの人に刺激を感じさせない濃度となると、
優れた成分であってもどうしても効果が限られてしまうところが残念なところでしょうか。


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2006年10月08日

4−n−ブチルレゾルシノール(ポーラの美白剤)

ブチルレゾルシノールはクラレとポーラが共同で開発したものです。
原料製造元はクラレで、使っているのがポーラということです。

通称ルシノールとして、ポーラの商品に配合されています。

レゾルシノールは、レゾルシンともいい、殺菌効果が強いので、
市販のニキビ治療薬に配合されています。
ニキビ向け化粧品に配合されることもあります。

また、染料としても重要で、ヘアカラーの発色剤として、
染毛剤に使われています。

表示指定成分でもありますので、医薬部外品に配合された場合は、
箱に表示されています。

強力な還元力を持つことから、酸化防止剤として、工業薬品に使われる
ことも多いのですが、これに皮膚浸透性を良くするアルキル基をつけると
メラニン合成を阻止して、皮膚浸透性も良くなり、酸化防止剤としても
使えるという面白い特性を持つようになります。

ただ、欠点は刺激性が強すぎるということで、
従来の美白成分と同じように高濃度に配合することはできません。
微量配合しないと、ぴりぴりとした刺激感が強く出てしまいます。

ポーラは配合特許で、他のメーカーが使えないようにしていますので、
他メーカーが使えるのは、まだまだずいぶん先となります。

さて、ルシノールですが、さらに浸透性が高いようなタイプが
実は海外で食品添加物として使われています。

メラニンは、人間の肌にだけ存在するものではなく、
実は下等生物もメラニンを作り紫外線防御を行っています。

必要以上の紫外線は、生物繁栄の脅威となるため、
当然その防御の仕組みも植物や魚類、甲殻類、動物なども
持ち合わせています。

ただ、食品として買う場合、えびや魚、かにに黒い斑点が
あちこちあったら、気持ち悪いですよね?

自分で料理しなくても、レストランで出てきたカニ料理で
甲羅がまだらの黒い斑点なら、食欲がなくなるほか、
食べると病気になるんじゃないかと勘ぐることさえあると思います。

それで、食品添加物として、化粧品の美白剤が
食品の鮮度維持を見せかけるために、使用が許可されています。

日本では、ビタミンCが一般的です。
コウジ酸も許可されそうになりましたが、
その審査の過程の動物実験で、腫瘍を作ることが発見されましたので、
コウジ酸の食品添加物への登録は拒否されました。
(食品添加物になるためには、動物実験のデータもかなり必要なので、
 化粧品の成分に登録されるより、はるかに遠い道のりとなります。)

さて、アルキルレゾルシノールですが、こちらはヨーロッパで
カニなどの甲殻類用の美白剤として使われています。

まあ、えびやカニの殻を食べる人はそういないと思いますので、
かの地で過ごされても、美白剤を口にすることはないと思います。

もし、アルキルレゾルシノールが日本で食品添加物として、
許可されることがあれば、化粧品にも使われる日がくるんじゃないかと
考えています。

海外で許可された食品添加物は、審査もだいぶ緩くなっていますので、
5年先は駄目でも、10年先はもしかしたら許可されているかもしれませんね。

まあ、あと10年もすればルシノールのポーラが持つ基本特許が
切れると思いますので、ルシノール配合を売り物にする化粧品が
いっぱい出てくることでしょう。


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2006年10月07日

海外の美白剤

海外で使われている美白剤は、日本で使われるものと違って、
効果は強いが刺激も強いというものがいくつかあります。

一番の例は、ハイドロキノンでしょう。
日本では染毛剤に使われていますが、ハイドロキノンを
アメリカでは美白剤として使います。

ただ、漫然として使うのではなく、だいたい治療期間は
半年から1年を目処に行います。

ハイドロキノンの効果を上げるものとして、
レチノイン酸があり、日本の皮膚科でも併用して使う場合もあります。

ただし、ハイドロキノンだけでも刺激になるのに
レチノイン酸をプラスするので、さらに刺激があがります。

そこで、刺激を感じさせないようにするために
ステロイド剤も一緒に混ぜて使うこともあります。

アメリカでの治療は、ハイドロキノンとレチノイン酸に
ステロイド剤を混ぜたカクテル製剤が
患者の肌に合わせて使われます。

ただ、日本人は敏感肌のため、同じようなものは使えません。
刺激ばかりで肌が赤くなってしまい、ひりひり感が出て
そう長く使えるものではありません。

海外で使われる美白剤は、ハイドロキノンが有名ですが、
イギリスでは4−IPCが使われます。

4−IPCもハイドロキノンと同じ、強力な酸化防止剤で、
メラニンの合成をストップします。
また、ハイドロキノンより、皮膚浸透性に優れるという
特徴がありますが、毒性はハイドロキノンより強く、
量が多いと、メラニンを作る細胞を破壊します。

4−IPCは厳重に管理して使うものですが、
美白力が強い分、もっとしみを薄くしたいという患者の願望が、
適正使用を困難にします。
つまり、使いすぎてしまうという点でしょうか。

使いすぎると、メラニンを作る細胞が死に、部分的に色が抜け
白斑が生じてしまいます。

作用が強すぎるというのも罪なものです。

4−IPCやハイドロキノンのような化合物を
フェノール系と称しますが、同じようなフェノール系美白剤に
ハイドロキノンに糖をくっつけて低刺激化したアルブチンや
クラレが開発した4−ブチルレゾシノールがあります。

4−ブチルレゾルシノールも皮膚浸透性に優れていますが、
刺激性が強いため、0.2%程度ぐらいしか薬用化粧品には
配合できません。

ちなみにアルブチンや4−ブチルレゾルシノールは一部の植物が作ります。

ただ、ブチルレゾシノールはコケが作るものなので、
抽出などはできません。

shin_chanz at 23:16|PermalinkComments(2)