化粧品原料
2010年08月16日
物質の循環
食料品の廃棄について色々調べていると、パン工場や牛丼チェーン、その他多くの外食産業はかなりのリサイクルを行っています。
たとえばラスクが未だに流行っていますが、パンの耳は捨てられる運命にあります。
膨大な量のパンの耳が捨てられていますが、それは豚の餌となり、無駄にはされていません。とことん利用されています。
外食での食べ残しも同様に豚の餌になるようです。
外食の場合、食べ残しを家に持って帰って食べてしまうのが、無駄にしない最善策と思いますが、店側が後々のクレームを恐れてか、食べ残しを持って帰るというのは、難しいのが現実。
食料自給率が40%に下がったとかいうニュースを見かけましたが、生産量を増やすより無駄な廃棄や作りすぎを無くすのが上策でしょう。
加工食品の賞味期限間近のものを安く買いたいという人は多くいるのですから、メーカーや卸も焼却処分にせず、柔軟な対応を行っていただきたいと思います。
さて、循環社会という言葉がありますが、できるだけ地球に負担をかけないよう炭素を他の生物と共に循環させて生きていくのが今後、必要になるのでしょう。
日本は人口が減る一方ですが世界レベルでは増える一方。
炭素だけでなく、窒素やリンなどキーになる成分はリサイクルが必要となります。
数年前はリンが中国の輸出規制によって大幅に値上がりしましたが、今は不況のせいでかなり落ち着いています。
循環を考えるとリンはやっかいな元素。
窒素や炭素は一箇所に固定されず、生物から生物に渡り歩いて利用されていきます。
たとえば石鹸や合成洗剤も植物を原料に合成されますが、使用されると水中の微生物によって分解され、大気に戻り、その後植物に吸収されるという運命を辿ります。
しかし、リンの場合は厄介で、肥料として土壌に与えられてもせいぜい数十%の利用率で、土壌の金属と反応して不溶性で植物が利用できない形になって蓄積されていきます。
循環されるからこそ資源は再生されていつまでも使い続けることが可能ですが、リンだけは世界中の土壌に蓄積され、循環効率がかなり悪くなっています。
リンは生物にとってエネルギーを作り出す源の元素であるため必ず必要で、田畑からリンを回収するような植物が必要になるのかもしれません。
畑で同じ作物を作り続けると、土壌中の栄養分が無くなりやがて作物は育たなくなります。
そこで輪作といって大豆などのマメ科の作物を植えると、大豆と共存する細菌が空気中の窒素を固定して、土壌に養分を蓄えていきます。作物も育ち、土壌が回復するので輪作は農業にとって重要なのですが、リンについても土壌から回収して再利用できるような仕組みが必要かもしれません。
たとえばラスクが未だに流行っていますが、パンの耳は捨てられる運命にあります。
膨大な量のパンの耳が捨てられていますが、それは豚の餌となり、無駄にはされていません。とことん利用されています。
外食での食べ残しも同様に豚の餌になるようです。
外食の場合、食べ残しを家に持って帰って食べてしまうのが、無駄にしない最善策と思いますが、店側が後々のクレームを恐れてか、食べ残しを持って帰るというのは、難しいのが現実。
食料自給率が40%に下がったとかいうニュースを見かけましたが、生産量を増やすより無駄な廃棄や作りすぎを無くすのが上策でしょう。
加工食品の賞味期限間近のものを安く買いたいという人は多くいるのですから、メーカーや卸も焼却処分にせず、柔軟な対応を行っていただきたいと思います。
さて、循環社会という言葉がありますが、できるだけ地球に負担をかけないよう炭素を他の生物と共に循環させて生きていくのが今後、必要になるのでしょう。
日本は人口が減る一方ですが世界レベルでは増える一方。
炭素だけでなく、窒素やリンなどキーになる成分はリサイクルが必要となります。
数年前はリンが中国の輸出規制によって大幅に値上がりしましたが、今は不況のせいでかなり落ち着いています。
循環を考えるとリンはやっかいな元素。
窒素や炭素は一箇所に固定されず、生物から生物に渡り歩いて利用されていきます。
たとえば石鹸や合成洗剤も植物を原料に合成されますが、使用されると水中の微生物によって分解され、大気に戻り、その後植物に吸収されるという運命を辿ります。
しかし、リンの場合は厄介で、肥料として土壌に与えられてもせいぜい数十%の利用率で、土壌の金属と反応して不溶性で植物が利用できない形になって蓄積されていきます。
循環されるからこそ資源は再生されていつまでも使い続けることが可能ですが、リンだけは世界中の土壌に蓄積され、循環効率がかなり悪くなっています。
リンは生物にとってエネルギーを作り出す源の元素であるため必ず必要で、田畑からリンを回収するような植物が必要になるのかもしれません。
畑で同じ作物を作り続けると、土壌中の栄養分が無くなりやがて作物は育たなくなります。
そこで輪作といって大豆などのマメ科の作物を植えると、大豆と共存する細菌が空気中の窒素を固定して、土壌に養分を蓄えていきます。作物も育ち、土壌が回復するので輪作は農業にとって重要なのですが、リンについても土壌から回収して再利用できるような仕組みが必要かもしれません。
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2010年08月11日
動物を傷めない動物原料 その2
プラセンタは牛の場合、中絶して取り出しますが、豚の場合は違います。
豚のプラセンタは、出産した豚の胎盤を集めて抽出します。
ここが牛と豚とは大きな違いです。
牛はわざわざ妊娠させて取り出しますが、豚は出産して出てくる胎盤を集めます。
胎盤自体は産業廃棄物となるだけですので、それが売れるとなると養豚業者も喜んでいると思います。
ただ、プラセンタエキスは、高額なものが多いのですがそれには抽出に手間がかかりすぎるという問題があります。
プラセンタ自体は医薬品になるため、医薬品工場で抽出するため、その分コストがかかります。
胎盤をなんども洗浄して、血管などの付着物を取り除いた後、抽出を行いますが、注意深く抽出しないと有効成分であるタンパク質を抽出できません。
抽出した成分からどうでもいい成分と肌に良い成分を分けるため、コストがかかります。
そのため、プラセンタエキスは高額に成らざるを得ません。
しかも宮崎の口蹄疫のように突然わけのわからない病気が流行する危険性があるため、出産した胎盤をすぐに使うわけにはいかず、冷凍して3ヶ月ほど保管し、リスク管理を行います。
動物原料を扱うための必要な処置ですが、医薬品としても使われる分、ロット管理から農場管理までしなければならず、胎盤の入手コストが高いというより管理コストが高くついてしまうのがプラセンタエキスの宿命です。
管理される分、病気にかかった豚は排除されるため、安全に使いこなすことができます。
プラセンタは日本でも人気ですが、海外の方が日本以上に人気のあるアイテムのようです。
豚のプラセンタは、出産した豚の胎盤を集めて抽出します。
ここが牛と豚とは大きな違いです。
牛はわざわざ妊娠させて取り出しますが、豚は出産して出てくる胎盤を集めます。
胎盤自体は産業廃棄物となるだけですので、それが売れるとなると養豚業者も喜んでいると思います。
ただ、プラセンタエキスは、高額なものが多いのですがそれには抽出に手間がかかりすぎるという問題があります。
プラセンタ自体は医薬品になるため、医薬品工場で抽出するため、その分コストがかかります。
胎盤をなんども洗浄して、血管などの付着物を取り除いた後、抽出を行いますが、注意深く抽出しないと有効成分であるタンパク質を抽出できません。
抽出した成分からどうでもいい成分と肌に良い成分を分けるため、コストがかかります。
そのため、プラセンタエキスは高額に成らざるを得ません。
しかも宮崎の口蹄疫のように突然わけのわからない病気が流行する危険性があるため、出産した胎盤をすぐに使うわけにはいかず、冷凍して3ヶ月ほど保管し、リスク管理を行います。
動物原料を扱うための必要な処置ですが、医薬品としても使われる分、ロット管理から農場管理までしなければならず、胎盤の入手コストが高いというより管理コストが高くついてしまうのがプラセンタエキスの宿命です。
管理される分、病気にかかった豚は排除されるため、安全に使いこなすことができます。
プラセンタは日本でも人気ですが、海外の方が日本以上に人気のあるアイテムのようです。
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2010年08月09日
動物を傷めない動物原料
動物原料には2種類あります。
一つは動物を傷めて、もしくは生命を絶って得られる原料。
もうひとつは動物を傷めずに採れるもの。
前者の場合は、牛プラセンタやコラーゲン、エラスチン、スクワラン、エミューオイル、馬油などがあります。
後者の場合は、豚プラセンタ(メーカーによる)、ラノリン、レシチン、動物の毛があります。
たとえば女性に人気がある原料といえばプラセンタ。
若い人というより50代以上の方には人気です。
昔、プラセンタの原料といえば、ヒトもありました。
出産時の胎盤は破棄される医療廃棄物のため、これを回収して化粧品屋がせっせとプラセンタエキスを作っていました。
ヒトから採れるものですので、胎児を成長させる成分に富んでおり、高齢の方には人気があったと聞いています。
しかし、エイズ問題が広がるにつれ、ヒトの胎盤を使うのは、エイズやそれ以外の未知のウィルスに汚染されている可能性が高いとして、化粧品や医薬品への使用は禁止されています。
ヒトの胎盤自体は、漢方でも用いられており、今でもプラセンタの錠剤は人気のようですが、昔から漢方でもなじみがあったようです。
プラセンタ自体はヒトの胎盤使用が禁止されたあと、牛に変わります。
その牛胎盤も狂牛病の発生と共に豚へ代わりました。
この牛プラセンタですが、今から思うと気持ち悪い話で妊娠3ヶ月で中絶し、胎盤と子供を取り出して、この胎盤から抽出しプラセンタエキスにして販売されていました。
出産まで待てないのは、妊娠3ヶ月程度のものが最良ということです。
コラーゲンもまた若ければ若いほど変性していなくて良いということで、子牛の皮が求められます。
牛革で最も高い革は、中絶して取り出した子牛から作られた革で、今でもそのしなやかでキメが細かい革は成牛では得られないとして、高級品に使われているほどです。
もちろん、こんなことは許されないと考える人も多く、コラーゲンでは培養細胞から作り出した純粋なコラーゲンが医療や化粧品にも応用されつつあります。
一つは動物を傷めて、もしくは生命を絶って得られる原料。
もうひとつは動物を傷めずに採れるもの。
前者の場合は、牛プラセンタやコラーゲン、エラスチン、スクワラン、エミューオイル、馬油などがあります。
後者の場合は、豚プラセンタ(メーカーによる)、ラノリン、レシチン、動物の毛があります。
たとえば女性に人気がある原料といえばプラセンタ。
若い人というより50代以上の方には人気です。
昔、プラセンタの原料といえば、ヒトもありました。
出産時の胎盤は破棄される医療廃棄物のため、これを回収して化粧品屋がせっせとプラセンタエキスを作っていました。
ヒトから採れるものですので、胎児を成長させる成分に富んでおり、高齢の方には人気があったと聞いています。
しかし、エイズ問題が広がるにつれ、ヒトの胎盤を使うのは、エイズやそれ以外の未知のウィルスに汚染されている可能性が高いとして、化粧品や医薬品への使用は禁止されています。
ヒトの胎盤自体は、漢方でも用いられており、今でもプラセンタの錠剤は人気のようですが、昔から漢方でもなじみがあったようです。
プラセンタ自体はヒトの胎盤使用が禁止されたあと、牛に変わります。
その牛胎盤も狂牛病の発生と共に豚へ代わりました。
この牛プラセンタですが、今から思うと気持ち悪い話で妊娠3ヶ月で中絶し、胎盤と子供を取り出して、この胎盤から抽出しプラセンタエキスにして販売されていました。
出産まで待てないのは、妊娠3ヶ月程度のものが最良ということです。
コラーゲンもまた若ければ若いほど変性していなくて良いということで、子牛の皮が求められます。
牛革で最も高い革は、中絶して取り出した子牛から作られた革で、今でもそのしなやかでキメが細かい革は成牛では得られないとして、高級品に使われているほどです。
もちろん、こんなことは許されないと考える人も多く、コラーゲンでは培養細胞から作り出した純粋なコラーゲンが医療や化粧品にも応用されつつあります。
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2010年08月06日
SPF豚
一部のスーパーで取り扱いがある豚肉。
購入されたこともあると思いますが、SPF豚肉というものがあります。
このSPFというのは、特定の病原体をもっていない豚肉ということで、特殊な飼育施設で育てられた豚をSPF豚といいます。
一時期、無菌豚とも言われましたが、いまはSPF豚という名称で落ち着いているようです。
普通の豚肉と大きな違いは臭みが無いこと。
清潔な環境下で育てられ、抗生物質などの投与量も少なく、病気にもかかっていないため、臭気の原因となる成分の蓄積がありません。
ここが普通の豚肉と大きな違いです。
豚は色々な地方で名づけられたブランド豚がいます。
黒豚が一番有名でしょうか。SPF豚というのは、車の移動制限や様々な制限をほどこして病原菌やウィルスが豚に持ち込まれないように管理して飼育します。
もし、宮崎の養豚業がSPF豚を生産するシステムを導入していたなら、口蹄疫には理論的には感染しないとも考えられます。
それは口蹄疫よりもっと発生率が高い病気への感染を遮断する防疫システム上で養豚を行うため、口蹄疫はSPF豚の養豚場では簡単に発生はしません。
厳重な工場になると、外気との接触を遮断して、ほぼ無菌状態で豚を育成します。
工場の中に入るにも何重の扉を通り抜けなければならず、その間にはお風呂があって清潔にしてから養豚場に入る必要があります。
医薬品工場でも服を着替えれば中に入らせてくれるのですが、SPF養豚場では、エアーシャワーや服を着替えるだけでは駄目で、体についている細菌を洗い流した上で、工場内へ入っていく必要があります。
当然、このような工場を建てるには莫大な資金が必要です。
中小の畜産業者には無理な基準で、一般の畜産では抗生物質の投与を行うことで健康な豚肉の生産を行っています。
手間をかける分、SPF豚肉は高いのですが、一度食べる価値はあるかと思います。
購入されたこともあると思いますが、SPF豚肉というものがあります。
このSPFというのは、特定の病原体をもっていない豚肉ということで、特殊な飼育施設で育てられた豚をSPF豚といいます。
一時期、無菌豚とも言われましたが、いまはSPF豚という名称で落ち着いているようです。
普通の豚肉と大きな違いは臭みが無いこと。
清潔な環境下で育てられ、抗生物質などの投与量も少なく、病気にもかかっていないため、臭気の原因となる成分の蓄積がありません。
ここが普通の豚肉と大きな違いです。
豚は色々な地方で名づけられたブランド豚がいます。
黒豚が一番有名でしょうか。SPF豚というのは、車の移動制限や様々な制限をほどこして病原菌やウィルスが豚に持ち込まれないように管理して飼育します。
もし、宮崎の養豚業がSPF豚を生産するシステムを導入していたなら、口蹄疫には理論的には感染しないとも考えられます。
それは口蹄疫よりもっと発生率が高い病気への感染を遮断する防疫システム上で養豚を行うため、口蹄疫はSPF豚の養豚場では簡単に発生はしません。
厳重な工場になると、外気との接触を遮断して、ほぼ無菌状態で豚を育成します。
工場の中に入るにも何重の扉を通り抜けなければならず、その間にはお風呂があって清潔にしてから養豚場に入る必要があります。
医薬品工場でも服を着替えれば中に入らせてくれるのですが、SPF養豚場では、エアーシャワーや服を着替えるだけでは駄目で、体についている細菌を洗い流した上で、工場内へ入っていく必要があります。
当然、このような工場を建てるには莫大な資金が必要です。
中小の畜産業者には無理な基準で、一般の畜産では抗生物質の投与を行うことで健康な豚肉の生産を行っています。
手間をかける分、SPF豚肉は高いのですが、一度食べる価値はあるかと思います。
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2010年08月04日
水とミネラル
合成キレート剤が化粧品に入っている理由の一つは化粧品の安定化ですが、もうひとつは抗菌効果のサポートに対する期待もあります。
人間は生きていくためにミネラル分を必要としています。
体内の酵素の働きには欠かせないためで、ミネラルがないと必要な成分が作り出せません。
これは細菌にも当てはまることで、細菌もミネラルがないと死んでしまいます。
そこで、細菌自身も強力なキレート力を持つタンパク質を合成することで、他から金属を奪い、ミネラル分の確保を行います。
天然のキレート剤は、残念ながら細菌が作るキレート剤よりミネラルを掴む力は弱く、あっけなく細菌にミネラルを奪われてしまいます。
しかし、合成キレート剤は、細菌のキレート剤よりミネラルを掴む力が強いため、細菌からミネラルを奪うことができます。
生存に必要なミネラルを確保できない細菌は死んでいくため、キレート剤自身に直接の抗菌効果はありませんが、抗菌剤の働きをキレート剤は側面から助けてくれるのです。
化粧品における重要なキレート剤はエデト酸以外にもあります。
それはコウジ酸。
美白化粧品の有効成分で、一時は良く使われていました。
コウジ酸の美白効果はそのキレート力にあります。
メラニンを作る酵素は銅を必要としますが、この銅をキレートすることで、無効化し酵素の活性化を防ぎます。
その結果、美白効果を発揮するわけです。
キレート剤も使い方によっては、美白剤としての働きが期待できるのです。
人間は生きていくためにミネラル分を必要としています。
体内の酵素の働きには欠かせないためで、ミネラルがないと必要な成分が作り出せません。
これは細菌にも当てはまることで、細菌もミネラルがないと死んでしまいます。
そこで、細菌自身も強力なキレート力を持つタンパク質を合成することで、他から金属を奪い、ミネラル分の確保を行います。
天然のキレート剤は、残念ながら細菌が作るキレート剤よりミネラルを掴む力は弱く、あっけなく細菌にミネラルを奪われてしまいます。
しかし、合成キレート剤は、細菌のキレート剤よりミネラルを掴む力が強いため、細菌からミネラルを奪うことができます。
生存に必要なミネラルを確保できない細菌は死んでいくため、キレート剤自身に直接の抗菌効果はありませんが、抗菌剤の働きをキレート剤は側面から助けてくれるのです。
化粧品における重要なキレート剤はエデト酸以外にもあります。
それはコウジ酸。
美白化粧品の有効成分で、一時は良く使われていました。
コウジ酸の美白効果はそのキレート力にあります。
メラニンを作る酵素は銅を必要としますが、この銅をキレートすることで、無効化し酵素の活性化を防ぎます。
その結果、美白効果を発揮するわけです。
キレート剤も使い方によっては、美白剤としての働きが期待できるのです。
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2010年08月02日
水 その2
化粧品会社はどのように水を管理しているのでしょうか
水の管理で一番わかりやすいのが、電気が流れるかどうかを調べること。
水の中に溶けているイオンの量によって、電気の流れやすさが変わります。
純粋な水になればなるほど、電気を通しません。
そこで水の電気の流れやすさを調べることで、どのレベルの水かということを決めています。
精製水と言えば1種類のような気がしますが、中に溶けている微量のイオンによっていくつかの段階に分けられます。
最高の純度のものになると、イオン交換樹脂を通した後、さらに膜を通して、水を濾してなにも不純物の無いような状態にもっていきます。
シャンプーなど大量に水を使う場合は、イオン交換樹脂を通しただけの水となることが多いのですが、化粧水などはもっとグレードの高い水を使う場合もあります。
いずれにしろ、わずかにある不純物でさえ見逃さずに水を精製致しますが、中にはそういうことをしないものもあります。
温泉水がその代表例です。化粧水等に配合されているケースもありますが、温泉水はミネラルがその特徴成分なので、ミネラルを抜くことは出来ません。
いくら水からミネラルを抜いても原料に含まれていることもあります。
この場合は、取り除くことは不可能なので、キレート剤というものを使用してミネラルを無力化します。エデト酸などがその役割を果たすのですが、エデト酸を入れることでミネラルによって白濁する成分が透明のまま溶解したりとメリットが大きい成分です。
そのため、キレート剤は石鹸やシャンプー、化粧水など数々の種類の化粧品へ配合されています。
なお、キレート剤には合成もの、天然ものの2種類があります。
天然のキレート剤はフィチン酸やグリシン(アミノ酸)が相当しますが、いずれもキレート力は弱いため余り使われていません。
ただ、食品分野では合成キレート剤は一部を除いて使えませんので、グリシンが日持ち向上剤としてよく使われています。
水の管理で一番わかりやすいのが、電気が流れるかどうかを調べること。
水の中に溶けているイオンの量によって、電気の流れやすさが変わります。
純粋な水になればなるほど、電気を通しません。
そこで水の電気の流れやすさを調べることで、どのレベルの水かということを決めています。
精製水と言えば1種類のような気がしますが、中に溶けている微量のイオンによっていくつかの段階に分けられます。
最高の純度のものになると、イオン交換樹脂を通した後、さらに膜を通して、水を濾してなにも不純物の無いような状態にもっていきます。
シャンプーなど大量に水を使う場合は、イオン交換樹脂を通しただけの水となることが多いのですが、化粧水などはもっとグレードの高い水を使う場合もあります。
いずれにしろ、わずかにある不純物でさえ見逃さずに水を精製致しますが、中にはそういうことをしないものもあります。
温泉水がその代表例です。化粧水等に配合されているケースもありますが、温泉水はミネラルがその特徴成分なので、ミネラルを抜くことは出来ません。
いくら水からミネラルを抜いても原料に含まれていることもあります。
この場合は、取り除くことは不可能なので、キレート剤というものを使用してミネラルを無力化します。エデト酸などがその役割を果たすのですが、エデト酸を入れることでミネラルによって白濁する成分が透明のまま溶解したりとメリットが大きい成分です。
そのため、キレート剤は石鹸やシャンプー、化粧水など数々の種類の化粧品へ配合されています。
なお、キレート剤には合成もの、天然ものの2種類があります。
天然のキレート剤はフィチン酸やグリシン(アミノ酸)が相当しますが、いずれもキレート力は弱いため余り使われていません。
ただ、食品分野では合成キレート剤は一部を除いて使えませんので、グリシンが日持ち向上剤としてよく使われています。
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2010年07月30日
水・・
化粧品の製造に使われる水は主に精製水。
水の中のイオンを取り除いて作った水です。
イオンを取り除くにはイオン交換樹脂というプラスチックで出来た玉に水をつけると、イオン交換樹脂は水に溶けているミネラル分を吸着します。
ミネラルは良い点もあれば、悪い点もあります。
一番多く含まれるミネラルはカルシウムやマグネシウムなど人間の体にとっても有益なものですが、化粧品にはいっていると、カルシウムと反応して化粧品の成分が水に溶けにくくなります。
ミネラルが入ることで影響を受けるのは乳化剤です。マグネシウムやカルシウムと反応して水に溶けにくくなります。そうなると化粧水は透明ではなく、すこし霞んだ状態となり、見た目が悪くなります。
石鹸なども典型的な例で、精製水なら透明に溶けるものが、水道水だとすこし濁り、場合によっては石鹸カスとして水面に浮いてきます。
精製水の場合は、石鹸カスはできません。
精製水の難しさは、その保存のしにくさ。
栄養分が入っていないため、水は腐りにくそうですが、そうではありません。
残念なことに、貧栄養化でも生育する細菌はいくらでもいるため、精製水の保存は難しいのです。
たとえば家庭用の浄水器にもカルキを抜くような装置が付いている場合、紫外線ランプで殺菌するような仕組みになっています。
そうでないと、装置内に溜まった水が腐ることがあるからです。
精製水はイオン交換樹脂を使う方法の他、高圧をかけて膜を通して、ろ過する方法などいろいろあります。
いずれにしろ常に水が流れていて、すぐに使う状況では問題は起きませんが、水が溜まるような環境だと問題が発生します。
アメリカでの医薬品工場の検査では、水の管理をどのように行っているかがとても重要視されます。
腐りやすい水をきっちり運用できている工場なら他の部分もしっかり管理しているからです。
水の中のイオンを取り除いて作った水です。
イオンを取り除くにはイオン交換樹脂というプラスチックで出来た玉に水をつけると、イオン交換樹脂は水に溶けているミネラル分を吸着します。
ミネラルは良い点もあれば、悪い点もあります。
一番多く含まれるミネラルはカルシウムやマグネシウムなど人間の体にとっても有益なものですが、化粧品にはいっていると、カルシウムと反応して化粧品の成分が水に溶けにくくなります。
ミネラルが入ることで影響を受けるのは乳化剤です。マグネシウムやカルシウムと反応して水に溶けにくくなります。そうなると化粧水は透明ではなく、すこし霞んだ状態となり、見た目が悪くなります。
石鹸なども典型的な例で、精製水なら透明に溶けるものが、水道水だとすこし濁り、場合によっては石鹸カスとして水面に浮いてきます。
精製水の場合は、石鹸カスはできません。
精製水の難しさは、その保存のしにくさ。
栄養分が入っていないため、水は腐りにくそうですが、そうではありません。
残念なことに、貧栄養化でも生育する細菌はいくらでもいるため、精製水の保存は難しいのです。
たとえば家庭用の浄水器にもカルキを抜くような装置が付いている場合、紫外線ランプで殺菌するような仕組みになっています。
そうでないと、装置内に溜まった水が腐ることがあるからです。
精製水はイオン交換樹脂を使う方法の他、高圧をかけて膜を通して、ろ過する方法などいろいろあります。
いずれにしろ常に水が流れていて、すぐに使う状況では問題は起きませんが、水が溜まるような環境だと問題が発生します。
アメリカでの医薬品工場の検査では、水の管理をどのように行っているかがとても重要視されます。
腐りやすい水をきっちり運用できている工場なら他の部分もしっかり管理しているからです。
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2010年07月14日
シコンエキス その2
シコンエキスはムラサキ科の植物の紫の根から抽出したもの。
この紫は日本では武蔵野をはじめ草原に生えていたものですが、開発が進み激減しています。
レッドデータブックでは絶滅危険種とされるほど。
日本では余り気にはされていないようですが、海外で輸出される際に、絶滅の恐れがある植物や動物を由来する化粧品原料というのは、問題になることもあります。
ただ、シコンは近縁種がたくさん生えています。
日本に昔から生えている紫とは完全一致したものではないけれど、似たような成分を含んでいるため、便宜上、漢方薬ではそれを使用しています。
そうしないと絶滅種を使用しているということで、環境保護団体から抗議を受けるでしょう。
メイク用のシコンの場合、色素成分だけがあればいいので、バイオで作れますが、シコンエキスとなると、複雑な成分がたくさん必要なため、シコンそのものを使う必要があります。
シコンは昔から使われていましたが、一番有名なのは紫雲膏。やけどやヒビ、あかぎれに効能があるとされ、華岡清州が処方したものとされています。
最近では麻疹予防効果にも注目されていて、湿疹対策にも使われています。
ちなみにシコンは化粧水に適用する水溶性エキスと油に溶ける油溶性エキスの2種類があります
油溶性エキスの場合は、スクワランで抽出を行います。
昔ながらの軟膏ではゴマ油などで抽出するようですが、化粧品ではスクワランやエーテルで抽出したエキスが使用されています。
化粧水用の成分とは若干異なり、色素成分が中心に出てきます。
水溶性及び油溶性エキス共に痛んだ肌の回復がメインとなります。
美白効果などは他のエキスに比べると弱いと思います。
この紫は日本では武蔵野をはじめ草原に生えていたものですが、開発が進み激減しています。
レッドデータブックでは絶滅危険種とされるほど。
日本では余り気にはされていないようですが、海外で輸出される際に、絶滅の恐れがある植物や動物を由来する化粧品原料というのは、問題になることもあります。
ただ、シコンは近縁種がたくさん生えています。
日本に昔から生えている紫とは完全一致したものではないけれど、似たような成分を含んでいるため、便宜上、漢方薬ではそれを使用しています。
そうしないと絶滅種を使用しているということで、環境保護団体から抗議を受けるでしょう。
メイク用のシコンの場合、色素成分だけがあればいいので、バイオで作れますが、シコンエキスとなると、複雑な成分がたくさん必要なため、シコンそのものを使う必要があります。
シコンは昔から使われていましたが、一番有名なのは紫雲膏。やけどやヒビ、あかぎれに効能があるとされ、華岡清州が処方したものとされています。
最近では麻疹予防効果にも注目されていて、湿疹対策にも使われています。
ちなみにシコンは化粧水に適用する水溶性エキスと油に溶ける油溶性エキスの2種類があります
油溶性エキスの場合は、スクワランで抽出を行います。
昔ながらの軟膏ではゴマ油などで抽出するようですが、化粧品ではスクワランやエーテルで抽出したエキスが使用されています。
化粧水用の成分とは若干異なり、色素成分が中心に出てきます。
水溶性及び油溶性エキス共に痛んだ肌の回復がメインとなります。
美白効果などは他のエキスに比べると弱いと思います。
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2010年05月26日
化粧品に使われるタンパク質
化粧品に使われるタンパク質は主に以下のものがあります。
・コラーゲン
最も有名な成分です。魚由来、くらげ由来などのマリンコラーゲンが最近増えてきました。コラーゲンの問題は、温度が高いと変性してしまうこと。変性するといわゆるゼラチンとなり、保湿力や形態が大きく変わります。
ゼラチンからコラーゲンに戻ることはありますが、その割合はかなり少ないです。
どの動物から採ったかで、この変性温度が変わります。
マリンコラーゲンの場合は、低温で変性する問題点があります。
基本的には豚由来がまだまだ使われています。
魚にしても動物にしても皮から抽出します。
食用ゼラチンは、ある程度成長して大きくなった豚由来のものですが、化粧品向けのコラーゲンは、かわいそうな話ですが、豚は幼ければ幼いほど変性が少なく良いコラーゲンとなります。
(コラーゲンを煮て作るのがゼラチン)
・プラセンタ
こちらもかなり有名。胎盤抽出物です。EGFなどの成長因子を含んでいます。
ただ、狂牛病や口蹄疫など、家畜を狙い撃ちする疫病が流行しているため、プラセンタを加熱滅菌する必要があり、狂牛病が出現する前とは大きく変わっています。
つまり、EGFなどの成分は加熱滅菌時に壊れて、構造が変化します。
タンパク質も死んでしまうということでしょうか。EGFは入っていますが、死んだEGFなので、効き目もありません。EGFや他の成長因子といっても「豚」や「牛」の細胞を成長させるものですが。
狂牛病が流行る前までは、ゆるい加熱滅菌でしたが、今はウィルスを殺すためにかなりの熱をかけます。ウィルスはタンパク質で出来ていますので、とうぜんウィルスが死ぬ条件というのは、生理的なタンパク質の活性も失う条件ということでもあります。
特別に清潔な環境下で育てられたSPF豚由来などがあります。
あと、漢方薬ではヒト由来の胎盤もあるようです。
・シルク
言わずと知れた絹糸です。基本的には農家が養殖している家蚕と野生の野蚕の2種類があります。圧倒的に家蚕ものが流通しています。
主には繊維向けで化粧品への使用はごくわずかです。
シルクを粉状にしたシルクパウダーはファンデーション等に配合されます。
分解物はスキンケア化粧品向けです。
・コラーゲン
最も有名な成分です。魚由来、くらげ由来などのマリンコラーゲンが最近増えてきました。コラーゲンの問題は、温度が高いと変性してしまうこと。変性するといわゆるゼラチンとなり、保湿力や形態が大きく変わります。
ゼラチンからコラーゲンに戻ることはありますが、その割合はかなり少ないです。
どの動物から採ったかで、この変性温度が変わります。
マリンコラーゲンの場合は、低温で変性する問題点があります。
基本的には豚由来がまだまだ使われています。
魚にしても動物にしても皮から抽出します。
食用ゼラチンは、ある程度成長して大きくなった豚由来のものですが、化粧品向けのコラーゲンは、かわいそうな話ですが、豚は幼ければ幼いほど変性が少なく良いコラーゲンとなります。
(コラーゲンを煮て作るのがゼラチン)
・プラセンタ
こちらもかなり有名。胎盤抽出物です。EGFなどの成長因子を含んでいます。
ただ、狂牛病や口蹄疫など、家畜を狙い撃ちする疫病が流行しているため、プラセンタを加熱滅菌する必要があり、狂牛病が出現する前とは大きく変わっています。
つまり、EGFなどの成分は加熱滅菌時に壊れて、構造が変化します。
タンパク質も死んでしまうということでしょうか。EGFは入っていますが、死んだEGFなので、効き目もありません。EGFや他の成長因子といっても「豚」や「牛」の細胞を成長させるものですが。
狂牛病が流行る前までは、ゆるい加熱滅菌でしたが、今はウィルスを殺すためにかなりの熱をかけます。ウィルスはタンパク質で出来ていますので、とうぜんウィルスが死ぬ条件というのは、生理的なタンパク質の活性も失う条件ということでもあります。
特別に清潔な環境下で育てられたSPF豚由来などがあります。
あと、漢方薬ではヒト由来の胎盤もあるようです。
・シルク
言わずと知れた絹糸です。基本的には農家が養殖している家蚕と野生の野蚕の2種類があります。圧倒的に家蚕ものが流通しています。
主には繊維向けで化粧品への使用はごくわずかです。
シルクを粉状にしたシルクパウダーはファンデーション等に配合されます。
分解物はスキンケア化粧品向けです。
shin_chanz at 00:00|Permalink│Comments(6)│
2009年12月25日
よく使われる顔料ー群青
群青もファンデーションやアイメイクなどに使われる顔料の一つ。
紫から青色など、群青の作り方によって色調も変わります。瑠璃色という言い方もあります。
天然のラピスラズリ(瑠璃石)を砕いて、顔料にしていました。
鮮やか青色が特徴の顔料です。
ただ、天然品には不純物が多く、色調も一定しないということで、16世紀にはすでに合成が出来た顔料でもあります。
英語ではウルトラマリンという言い方をしますが、これは化学合成品を意味します。
「海を越えて欧州に来る」というazurrumultramarinumを略して、ウルトラマリンと名づけ、天然の瑠璃石を砕いた群青と区別していました。
ウルトラマリンと聞くと、私は大きな海をイメージしますが、ヨーロッパ人は化学合成品というイメージなんですね。
発想の違いが面白いと思います。
天然原料使用を売り物にするファンデーションやアイメイクに「ウルトラマリン」や「ウルトラマリンブルー」を使っていると表示されることがあります。
しかし、ヨーロッパ人にしてみればケミカル成分ということでわざわざ「ウルトラマリン」と名づけて区別しているのに、ケミカル品を使っているのに天然を売り物にするのはおかしいじゃないかということになります。
日本の化粧品ではグンジョウという表示名称となります。
ちなみに群青は取り扱いに注意が必要な顔料です。
pHが5以下になると毒ガスである硫化水素が発生します。
紫から青色など、群青の作り方によって色調も変わります。瑠璃色という言い方もあります。
天然のラピスラズリ(瑠璃石)を砕いて、顔料にしていました。
鮮やか青色が特徴の顔料です。
ただ、天然品には不純物が多く、色調も一定しないということで、16世紀にはすでに合成が出来た顔料でもあります。
英語ではウルトラマリンという言い方をしますが、これは化学合成品を意味します。
「海を越えて欧州に来る」というazurrumultramarinumを略して、ウルトラマリンと名づけ、天然の瑠璃石を砕いた群青と区別していました。
ウルトラマリンと聞くと、私は大きな海をイメージしますが、ヨーロッパ人は化学合成品というイメージなんですね。
発想の違いが面白いと思います。
天然原料使用を売り物にするファンデーションやアイメイクに「ウルトラマリン」や「ウルトラマリンブルー」を使っていると表示されることがあります。
しかし、ヨーロッパ人にしてみればケミカル成分ということでわざわざ「ウルトラマリン」と名づけて区別しているのに、ケミカル品を使っているのに天然を売り物にするのはおかしいじゃないかということになります。
日本の化粧品ではグンジョウという表示名称となります。
ちなみに群青は取り扱いに注意が必要な顔料です。
pHが5以下になると毒ガスである硫化水素が発生します。
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