植物エキス
2011年01月06日
植物は収穫された後も呼吸する?
エキス作りにおいて、ユキノシタや花などを使用する場合、完全に死んでいない場合があります。
たとえば野菜、通常は収穫されても呼吸を行い、生きた状態で調理します。
冬によく食べるみかんやりんごも収穫されて死んだように思えますが、実際にはしばらく生きています。
生きているという表現が正しいかどうかはわかりませんが、少なくとも植物は収穫後も呼吸をしています。
植物が完全に死ぬときは、腐ったり、しなびれたとき。
生きている限り、細胞はその能力を維持しています。
細胞が死んでしまっても、酵素は一緒に死なず、しばらくは活動しています。
つまり、自己消化が始まって、細胞が自体が消化されて、ふにゃふにゃになっていきます。
収穫された青果物は、根からの養分補給を受けずとも自らを維持するために呼吸を行い、それにともない自分自身に蓄えている養分を消耗していきます。
収穫前は植物は二酸化炭素を吸って、ブドウ糖を作りますが、収穫後はその逆で、酸素を吸って、養分を分解し、二酸化炭素を放出します。
このため、生で植物を食べるときには鮮度維持などによって味が変わってきます。
カット野菜であっても呼吸していて、極めて呼吸作用が強いと言えます。
ほかには葉野菜やマメ科野菜、未熟果実、きのこなども生きた魚同様呼吸を行っています。
ほかにも鶏卵や様々な果実も呼吸をしています。
ただ、米や豆やナッツなどは、呼吸をせず休眠している状態。
生きている組織と死んでいる組織で大きく異なるのが、細胞膜の状態で、採取したばかりの植物から抽出する場合は、一旦植物を殺す手順が必要となります。
植物は簡単に死なないからこそ、生け花が可能となりますが、それは成分抽出にはやっかいなことになります。
たとえば野菜、通常は収穫されても呼吸を行い、生きた状態で調理します。
冬によく食べるみかんやりんごも収穫されて死んだように思えますが、実際にはしばらく生きています。
生きているという表現が正しいかどうかはわかりませんが、少なくとも植物は収穫後も呼吸をしています。
植物が完全に死ぬときは、腐ったり、しなびれたとき。
生きている限り、細胞はその能力を維持しています。
細胞が死んでしまっても、酵素は一緒に死なず、しばらくは活動しています。
つまり、自己消化が始まって、細胞が自体が消化されて、ふにゃふにゃになっていきます。
収穫された青果物は、根からの養分補給を受けずとも自らを維持するために呼吸を行い、それにともない自分自身に蓄えている養分を消耗していきます。
収穫前は植物は二酸化炭素を吸って、ブドウ糖を作りますが、収穫後はその逆で、酸素を吸って、養分を分解し、二酸化炭素を放出します。
このため、生で植物を食べるときには鮮度維持などによって味が変わってきます。
カット野菜であっても呼吸していて、極めて呼吸作用が強いと言えます。
ほかには葉野菜やマメ科野菜、未熟果実、きのこなども生きた魚同様呼吸を行っています。
ほかにも鶏卵や様々な果実も呼吸をしています。
ただ、米や豆やナッツなどは、呼吸をせず休眠している状態。
生きている組織と死んでいる組織で大きく異なるのが、細胞膜の状態で、採取したばかりの植物から抽出する場合は、一旦植物を殺す手順が必要となります。
植物は簡単に死なないからこそ、生け花が可能となりますが、それは成分抽出にはやっかいなことになります。
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2010年11月17日
アミノ酸誘導体
アミノ酸の誘導体とは色々合って、皮膚に限定すれば、しみの悩みをもたらすメラニンも元をたどればチロシンというアミノ酸が原料。
チロシンが酸化されて、メラニンという高分子が出来上がります。
また、ポリフェノールがしみ対策として使われることもありますが、ポリフェノールの多くも実はアミノ酸由来のものが多いのです。
植物はフェニルアラニンというアミノ酸を原料にして、ポリフェノールを合成していきます。
ポリフェノールは酸化や紫外線から植物の体を守るために合成され、人間のメラニン並に植物の体内へ拡散していきます。
葉っぱで合成するので、葉っぱの部分が多く、その後さまざな部位へ運ばれていきます。
植物は紫外線を利用してでんぷんを作りますが、過度の紫外線によって酸化されてしまうのは動物と同じ。そのため、体を守るため、アミノ酸やシキミ酸を原料としてポリフェノールを合成していきます。
植物が作るポリフェノールは、動物にとって抗酸化だけではなく、たんぱく質調整作用も強く発揮します。
このたんぱく質調整作用は、ポリフェノールの種類によって異なり、様々なポリフェノールが色々な効果を出す健康食品に応用されています。
人間もポリフェノールのような抗酸化成分を作り出せればいいのですが、あまり複雑な抗酸化成分を作る能力はありません。
植物から摂れるものは、植物を食べることにして別の部分を進化させた結果でしょう。
フェニルアラニンを骨格とするポリフェノールの代表はコーヒーに含まれるコーヒー酸で、紫外線防御効果も若干あります。
植物成分だけで作る紫外線防御剤にはこのコーヒー酸が化粧品に使用されています。
他に紫外線吸収能力のあるポリフェノールはあるのですが、結局、匂いも少なく、ある程度安価に手に入るものというのは限られていて、植物エキスだけで日焼け止めを作りたいという願望があってもそれに応えてくれるポリフェノールは今のところ見つかっていません。
チロシンが酸化されて、メラニンという高分子が出来上がります。
また、ポリフェノールがしみ対策として使われることもありますが、ポリフェノールの多くも実はアミノ酸由来のものが多いのです。
植物はフェニルアラニンというアミノ酸を原料にして、ポリフェノールを合成していきます。
ポリフェノールは酸化や紫外線から植物の体を守るために合成され、人間のメラニン並に植物の体内へ拡散していきます。
葉っぱで合成するので、葉っぱの部分が多く、その後さまざな部位へ運ばれていきます。
植物は紫外線を利用してでんぷんを作りますが、過度の紫外線によって酸化されてしまうのは動物と同じ。そのため、体を守るため、アミノ酸やシキミ酸を原料としてポリフェノールを合成していきます。
植物が作るポリフェノールは、動物にとって抗酸化だけではなく、たんぱく質調整作用も強く発揮します。
このたんぱく質調整作用は、ポリフェノールの種類によって異なり、様々なポリフェノールが色々な効果を出す健康食品に応用されています。
人間もポリフェノールのような抗酸化成分を作り出せればいいのですが、あまり複雑な抗酸化成分を作る能力はありません。
植物から摂れるものは、植物を食べることにして別の部分を進化させた結果でしょう。
フェニルアラニンを骨格とするポリフェノールの代表はコーヒーに含まれるコーヒー酸で、紫外線防御効果も若干あります。
植物成分だけで作る紫外線防御剤にはこのコーヒー酸が化粧品に使用されています。
他に紫外線吸収能力のあるポリフェノールはあるのですが、結局、匂いも少なく、ある程度安価に手に入るものというのは限られていて、植物エキスだけで日焼け止めを作りたいという願望があってもそれに応えてくれるポリフェノールは今のところ見つかっていません。
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2010年07月12日
シコンエキス
紫紺がテレビで取り上げられたということで、爆発的な人気のようです。
昔は山に行けば生えていて、それを紫色の染料として利用していました。
紫紺は紫(ムラサキ)の根っこから抽出したエキスのこと。
使用起源は実に古く、「紫は灰さすものぞ」と万葉集に載っているぐらいで、焼いて出来た灰を染料として用いました。
植物のエキスというのは、弱酸性側で抽出するものが多いのですが、こちらは弱アルカリ性でも抽出することが出来ます。
化粧品原料用のエキスとしては、水、エタノール、BG、プロピレングリコールで抽出したエキスが使用されています。
こちらのエキスはその名のとおり紫であるため、化粧水への配合量は制限されてしまいます。
染料であるため、高濃度で使用すると顔が紫に色の血色の悪い顔色へ染まってしまいます。
市販の化粧水に紫紺が配合されていれば、その色から大体の濃度がわかってしまいます。つまり、エキスを100倍や1000倍に薄めた水の色と化粧水の色を見比べれば、だいたいの濃度が類推できるというものです。
紫紺はどちらかというとメイク化粧品の色材として利用されることが多いです。
シルクパウダーに紫紺を染み込ませた紫色のパウダーなど。
これを自然派化粧品ではアイシャドウなどに利用しています。
紫自体は絶滅種に指定されているような植物なので、増やすのが難しく、バイオテクノロジーを用いて、有効成分を作る植物の細胞だけを培養することで、メイク用の色材を確保しています。
ただ、天然物であるゆえに日光に弱く、退色が早いというデメリットがあります。
また、紫紺エキスは抗炎症効果が期待できる半面、アレルギーも報告されるような一面もあり、全面的に安全なエキスというわけではありません。
しかし、紫色の石鹸など、透明石鹸に付加価値を与えるので、石鹸を手作りされている方には面白いエキスだと思います。
昔は山に行けば生えていて、それを紫色の染料として利用していました。
紫紺は紫(ムラサキ)の根っこから抽出したエキスのこと。
使用起源は実に古く、「紫は灰さすものぞ」と万葉集に載っているぐらいで、焼いて出来た灰を染料として用いました。
植物のエキスというのは、弱酸性側で抽出するものが多いのですが、こちらは弱アルカリ性でも抽出することが出来ます。
化粧品原料用のエキスとしては、水、エタノール、BG、プロピレングリコールで抽出したエキスが使用されています。
こちらのエキスはその名のとおり紫であるため、化粧水への配合量は制限されてしまいます。
染料であるため、高濃度で使用すると顔が紫に色の血色の悪い顔色へ染まってしまいます。
市販の化粧水に紫紺が配合されていれば、その色から大体の濃度がわかってしまいます。つまり、エキスを100倍や1000倍に薄めた水の色と化粧水の色を見比べれば、だいたいの濃度が類推できるというものです。
紫紺はどちらかというとメイク化粧品の色材として利用されることが多いです。
シルクパウダーに紫紺を染み込ませた紫色のパウダーなど。
これを自然派化粧品ではアイシャドウなどに利用しています。
紫自体は絶滅種に指定されているような植物なので、増やすのが難しく、バイオテクノロジーを用いて、有効成分を作る植物の細胞だけを培養することで、メイク用の色材を確保しています。
ただ、天然物であるゆえに日光に弱く、退色が早いというデメリットがあります。
また、紫紺エキスは抗炎症効果が期待できる半面、アレルギーも報告されるような一面もあり、全面的に安全なエキスというわけではありません。
しかし、紫色の石鹸など、透明石鹸に付加価値を与えるので、石鹸を手作りされている方には面白いエキスだと思います。
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2009年12月28日
調理と化粧品 その1
レアで低温調理された鴨のロース。食べてみるとしっかり味がしみこんでいます。
大阪のフレンチでは真空調理を売り物にするレストランがミシュランで3つ星を取るなど、フレンチを始めとして居酒屋でも真空調理が
流行っている模様。
真空調理の特徴は、コラーゲン等のたんぱく質が柔らかくなる温度で調理し、さらに調味料を材料の奥まで染みこませるというもの。
料理店側のメリットは、シェフがヒマなときに食材を真空調理して、冷凍保存しておくことで、忙しいとき真空パックを温めて手間無く
客に出せるという大きなメリットがあります。
レストランも毎日忙しければ問題ないと思いますが、客が来ることを予想して多めに食材を仕入れている場合、客の入りが悪い場合はど
うしても破棄するリスクが生じます。
一方、真空調理は本来捨てるはずの食材をおいしく調理し、後日レストランで出せるというメリットが生じるため、様々なレストランへ
浸透しつつあります。
家庭でも真空調理が出来るなら安い肉を美味しく調理できる可能性が広がります。
さて、化粧品でも真空で作ることもあります。
クリームや洗顔料などは真空で作るものの代表例です。
ただ、化粧品の場合は、料理の真空調理とは意味が違います。
化粧品の場合は、無用な空気がクリーム内に入り込むのを防ぐことが大事。
高速で攪拌して油を水に乳化させますが、このときに製品の中へ空気がかみこんでいきます。
クリームのような高粘度の製品の場合は、空気が抜けるまで一定の時間がかかり、場合によっては容器に入れた後、空気が抜けることが
あります。
本来クリームの容量は50mlなのに空気が入ることで70mlとなってしまい、クリームの本来のサイズに合わせた50mlの容器に
は入らなくなっているとお考えください。
しかも高粘度のクリームだと、空気が抜けるのにかなりの日数がかかります。
全部空気が抜けるまで待っているのも無駄に時間を過ごすだけ。
チューブの中で固めてしまう石鹸系の洗顔料などは、いつまで経っても空気が抜けないことも。
このため、高粘度の製品を製造する際には、製造途中で真空にし、製品から空気の泡を抜いてから容器へ充填しています。
大阪のフレンチでは真空調理を売り物にするレストランがミシュランで3つ星を取るなど、フレンチを始めとして居酒屋でも真空調理が
流行っている模様。
真空調理の特徴は、コラーゲン等のたんぱく質が柔らかくなる温度で調理し、さらに調味料を材料の奥まで染みこませるというもの。
料理店側のメリットは、シェフがヒマなときに食材を真空調理して、冷凍保存しておくことで、忙しいとき真空パックを温めて手間無く
客に出せるという大きなメリットがあります。
レストランも毎日忙しければ問題ないと思いますが、客が来ることを予想して多めに食材を仕入れている場合、客の入りが悪い場合はど
うしても破棄するリスクが生じます。
一方、真空調理は本来捨てるはずの食材をおいしく調理し、後日レストランで出せるというメリットが生じるため、様々なレストランへ
浸透しつつあります。
家庭でも真空調理が出来るなら安い肉を美味しく調理できる可能性が広がります。
さて、化粧品でも真空で作ることもあります。
クリームや洗顔料などは真空で作るものの代表例です。
ただ、化粧品の場合は、料理の真空調理とは意味が違います。
化粧品の場合は、無用な空気がクリーム内に入り込むのを防ぐことが大事。
高速で攪拌して油を水に乳化させますが、このときに製品の中へ空気がかみこんでいきます。
クリームのような高粘度の製品の場合は、空気が抜けるまで一定の時間がかかり、場合によっては容器に入れた後、空気が抜けることが
あります。
本来クリームの容量は50mlなのに空気が入ることで70mlとなってしまい、クリームの本来のサイズに合わせた50mlの容器に
は入らなくなっているとお考えください。
しかも高粘度のクリームだと、空気が抜けるのにかなりの日数がかかります。
全部空気が抜けるまで待っているのも無駄に時間を過ごすだけ。
チューブの中で固めてしまう石鹸系の洗顔料などは、いつまで経っても空気が抜けないことも。
このため、高粘度の製品を製造する際には、製造途中で真空にし、製品から空気の泡を抜いてから容器へ充填しています。
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2009年10月23日
エキス保存と容器
植物エキスというのは、生き物と考えても差し支えありません。
それは大半のエキスが抗酸化力をもっているからです。
抗酸化とは、活性酸素と反応しやすいこと。
肌よりすばやく酸化されることで、活性酸素から肌を守ります。
いわばボディガードのような成分です。
このすばやく反応するというのは長所でもあり、欠点でもあります。
それは保存中に酸素と反応してしまうという点です。
つまり、保存はかならず密栓して保存しておかないと効力が失われていきます。
生薬の成分として、生薬の中に存在しているときは、酸素との接触が少ないため、何年も保存することができるのですが、これがエキスにすると一気に酸素との接触回数が増えて、酸化という問題が生じてしまうのです。
このとき、保存がガラス製容器であれば問題ありません。
それはガラスは、空気(酸素)を通さないからです。
ただ、プラスチックだと、注意が必要です。
プラスチックは、一見空気を通さないように見えても徐々に空気を通すものがあるからです。
水は通さなくても空気は通してしまう。これが、後々の問題を引き起こします。
たとえば、PE(ポリエチレン)や飲料水に使われるPET容器などは空気(酸素)を通す代表例です。
これらのプラスチックに対する酸素対策は色々ありますが、一般的なのが内面に空気を通さないプラスチックをコーティングすること。かなり酸素の透過がかなり抑えられるようになります。
さらには最近の容器は酸素を遮断するために、酸素を遮断すだけではなく、酸素吸収剤の層を組み合わせたものもあります。
容器の中に透過した酸素を酸素吸収剤の層で吸収して、より透過を防ぐという方法です。
身近で代表的なものは、PETのお茶の容器でしょうか。
温めて飲むお茶のPET容器は少し肉厚になっていますが、これは酸素遮断剤や酸素吸収剤の層を組み合わせて作られているからです。
ただ、これよりも酸素遮断性に長けるのがアルミ製容器です。
こちらはほぼ酸素をシャットダウンします。
しかし、あくまで金属容器。残念ながらエキスは弱酸性のため、もし、アルミ缶の内面に施されたコーティングに穴が開いていると、アルミが溶出する可能性もあります。
様々な要因を勘案すると、エキスはガラス容器が無難ということになります。
それは大半のエキスが抗酸化力をもっているからです。
抗酸化とは、活性酸素と反応しやすいこと。
肌よりすばやく酸化されることで、活性酸素から肌を守ります。
いわばボディガードのような成分です。
このすばやく反応するというのは長所でもあり、欠点でもあります。
それは保存中に酸素と反応してしまうという点です。
つまり、保存はかならず密栓して保存しておかないと効力が失われていきます。
生薬の成分として、生薬の中に存在しているときは、酸素との接触が少ないため、何年も保存することができるのですが、これがエキスにすると一気に酸素との接触回数が増えて、酸化という問題が生じてしまうのです。
このとき、保存がガラス製容器であれば問題ありません。
それはガラスは、空気(酸素)を通さないからです。
ただ、プラスチックだと、注意が必要です。
プラスチックは、一見空気を通さないように見えても徐々に空気を通すものがあるからです。
水は通さなくても空気は通してしまう。これが、後々の問題を引き起こします。
たとえば、PE(ポリエチレン)や飲料水に使われるPET容器などは空気(酸素)を通す代表例です。
これらのプラスチックに対する酸素対策は色々ありますが、一般的なのが内面に空気を通さないプラスチックをコーティングすること。かなり酸素の透過がかなり抑えられるようになります。
さらには最近の容器は酸素を遮断するために、酸素を遮断すだけではなく、酸素吸収剤の層を組み合わせたものもあります。
容器の中に透過した酸素を酸素吸収剤の層で吸収して、より透過を防ぐという方法です。
身近で代表的なものは、PETのお茶の容器でしょうか。
温めて飲むお茶のPET容器は少し肉厚になっていますが、これは酸素遮断剤や酸素吸収剤の層を組み合わせて作られているからです。
ただ、これよりも酸素遮断性に長けるのがアルミ製容器です。
こちらはほぼ酸素をシャットダウンします。
しかし、あくまで金属容器。残念ながらエキスは弱酸性のため、もし、アルミ缶の内面に施されたコーティングに穴が開いていると、アルミが溶出する可能性もあります。
様々な要因を勘案すると、エキスはガラス容器が無難ということになります。
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2009年10月21日
エキスと抽出剤
植物からエキスを抽出する際の抽出剤というのは、重要です。
この抽出剤によって、どういうエキスができるかというのが決まるからです。
たとえばクリームに使うのでしたら、水溶性、油溶性のどちらでも構いませんが、化粧水に使うのなら、水に溶けるものでないと使えません。
水に溶けるエキスを作るには水と混合したBGやエタノールが必要で、油溶性エキスならエタノールのみで抽出するほか、植物油やスクワランを使用する場合もあります。
ただ、抽出剤は何でも良いというわけでもなく、肌に安全なことも必要ですが、抽出剤の抽出力というのも問題になります。
抽出力が弱いと、植物の細胞組織から成分を抽出することが出来ないからです。
たとえば、グリセリン。グリセリンは保湿剤に使いますが、グリセリンでは組織に浸透しづらく、成分を抽出することはできません。
あと温度をどのくらいかけて抽出するかもポイントです。
たとえば冷水でお茶を入れてもお茶は出来ますが、成分が溶出しないため、何時間もかかります。
熱いお湯なら、数秒でしっかりとした色のお茶を入れることが出来ます。
同じ水でも温度が高ければ、植物細胞構造を破壊して、中身をいとも簡単に取り出すことが可能。
熱湯抽出の場合、薬として飲むならよいのですが、全部中身が出てしまうと、化粧品としては不要な成分も出てくる為、エキスとしては使いづらいものとなります。
細胞を壊して、丸ごと成分を取り出しましたというコンセプトのエキスもありますが、精製されていますので、本当に全部というわけではありません。
医薬品の漢方エキス剤は水のみで抽出するため、熱湯抽出が基本となりますが、化粧品の場合は室温が基本となります。
アルコールやBGなどは抽出力が強いため、室温でも十分に有効成分の抽出が可能です。
エタノールの難点は、価格が高いこと。商品代のほとんどは税金です。
エタノール濃度で酒税がかかりますので、5%エタノール液である350mlのビール缶の酒税が77円だと考えると、無水エタノールはほとんど税金の塊と言ってもよいでしょう。
この抽出剤によって、どういうエキスができるかというのが決まるからです。
たとえばクリームに使うのでしたら、水溶性、油溶性のどちらでも構いませんが、化粧水に使うのなら、水に溶けるものでないと使えません。
水に溶けるエキスを作るには水と混合したBGやエタノールが必要で、油溶性エキスならエタノールのみで抽出するほか、植物油やスクワランを使用する場合もあります。
ただ、抽出剤は何でも良いというわけでもなく、肌に安全なことも必要ですが、抽出剤の抽出力というのも問題になります。
抽出力が弱いと、植物の細胞組織から成分を抽出することが出来ないからです。
たとえば、グリセリン。グリセリンは保湿剤に使いますが、グリセリンでは組織に浸透しづらく、成分を抽出することはできません。
あと温度をどのくらいかけて抽出するかもポイントです。
たとえば冷水でお茶を入れてもお茶は出来ますが、成分が溶出しないため、何時間もかかります。
熱いお湯なら、数秒でしっかりとした色のお茶を入れることが出来ます。
同じ水でも温度が高ければ、植物細胞構造を破壊して、中身をいとも簡単に取り出すことが可能。
熱湯抽出の場合、薬として飲むならよいのですが、全部中身が出てしまうと、化粧品としては不要な成分も出てくる為、エキスとしては使いづらいものとなります。
細胞を壊して、丸ごと成分を取り出しましたというコンセプトのエキスもありますが、精製されていますので、本当に全部というわけではありません。
医薬品の漢方エキス剤は水のみで抽出するため、熱湯抽出が基本となりますが、化粧品の場合は室温が基本となります。
アルコールやBGなどは抽出力が強いため、室温でも十分に有効成分の抽出が可能です。
エタノールの難点は、価格が高いこと。商品代のほとんどは税金です。
エタノール濃度で酒税がかかりますので、5%エタノール液である350mlのビール缶の酒税が77円だと考えると、無水エタノールはほとんど税金の塊と言ってもよいでしょう。
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2009年07月24日
生薬はいつまで保存できる?
生薬やハーブはどのくらいまで保存できるのでしょうか?
この課題について、参考になるのが、正倉院の例。
正倉院から1000年も前の生薬が発見されて、成分の分析が行われましたが、
薬効は十分あるほど、有効成分の劣化も少なく、よい状態で保存されていました。
正倉院といえば、高床式で適度な湿度に調整されますが、常温で保存されるため、
成分はすでに分解されていそうな気がしますが、実際には問題ありませんでした。
もちろん、虫に食べられるなど色々あったようですが、
それでも生薬に含まれる成分は少なからず分解を免れていたということですので、
このときの保存条件は参考になると思います。
つまり、生薬をしっかり乾燥した状態で保存しておけば、
有効成分の劣化を心配する必要がないということです。
生薬に限らず、野菜やほかの植物もそうですが、自分で作った成分を
分解する酵素というものを持ち合わせています。
外部から侵入して成分を酸化させる酸素だけでなく、植物内部に存在する
分解酵素にも目を配っておかないと、長期保存というのはできません。
酵素は、たんぱく質で出来ているため、一般的には酵素が働くためには
少量の水が必要です。
要するに水が残っている生や中途半端な乾燥では、酵素が残っているため、
それらの酵素が成分の分解を始めると、有効成分は消滅してしまうことになりかねません。
また、水分には酸素が溶け込んでいるため、酵素だけでなく、酸素による酸化も同時進行的に起こります。
ただ、乾燥させるとせっかくの匂いが弱まるものもあります。
匂いの成分は揮発性で、常温でもどんどん蒸発していきます。
(そうでないと臭気として感知できません)
そういう香りの良いハーブをじっくり乾燥させるとせっかくの精油成分が
失われ、香りという特徴を失うこともありますが、この場合は冷凍して保存するしか手は無いと思います。
冷凍することで、酵素の働きを抑えれますが、残念ながら酸化は止めることはできません。家庭用のー18℃程度の冷凍庫では、酸素による酸化は遅くなるだけで、酸化は止めることは出来ません。
たとえば冷凍庫で、肉を長期保存すると冷凍焼けという状態になりますが、いわゆる酸化された状態です。
そのため、香りが優先されるようなハーブでは、基本的には長期保存するのは難しいでしょう。
この課題について、参考になるのが、正倉院の例。
正倉院から1000年も前の生薬が発見されて、成分の分析が行われましたが、
薬効は十分あるほど、有効成分の劣化も少なく、よい状態で保存されていました。
正倉院といえば、高床式で適度な湿度に調整されますが、常温で保存されるため、
成分はすでに分解されていそうな気がしますが、実際には問題ありませんでした。
もちろん、虫に食べられるなど色々あったようですが、
それでも生薬に含まれる成分は少なからず分解を免れていたということですので、
このときの保存条件は参考になると思います。
つまり、生薬をしっかり乾燥した状態で保存しておけば、
有効成分の劣化を心配する必要がないということです。
生薬に限らず、野菜やほかの植物もそうですが、自分で作った成分を
分解する酵素というものを持ち合わせています。
外部から侵入して成分を酸化させる酸素だけでなく、植物内部に存在する
分解酵素にも目を配っておかないと、長期保存というのはできません。
酵素は、たんぱく質で出来ているため、一般的には酵素が働くためには
少量の水が必要です。
要するに水が残っている生や中途半端な乾燥では、酵素が残っているため、
それらの酵素が成分の分解を始めると、有効成分は消滅してしまうことになりかねません。
また、水分には酸素が溶け込んでいるため、酵素だけでなく、酸素による酸化も同時進行的に起こります。
ただ、乾燥させるとせっかくの匂いが弱まるものもあります。
匂いの成分は揮発性で、常温でもどんどん蒸発していきます。
(そうでないと臭気として感知できません)
そういう香りの良いハーブをじっくり乾燥させるとせっかくの精油成分が
失われ、香りという特徴を失うこともありますが、この場合は冷凍して保存するしか手は無いと思います。
冷凍することで、酵素の働きを抑えれますが、残念ながら酸化は止めることはできません。家庭用のー18℃程度の冷凍庫では、酸素による酸化は遅くなるだけで、酸化は止めることは出来ません。
たとえば冷凍庫で、肉を長期保存すると冷凍焼けという状態になりますが、いわゆる酸化された状態です。
そのため、香りが優先されるようなハーブでは、基本的には長期保存するのは難しいでしょう。
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2009年06月08日
生薬エキスの抗炎症効果
様々な生薬エキスが抗炎症効果を持っています。
基本的に、ポリフェノール系の成分が抗炎症効果を持つため、ポリフェノールを含むエキスは大なり小なり抗炎症効果があります。
ただ、抗炎症効果と聞くと、そのエキス自体に被れないかというと、そうではありません。
残念ながら、肌に合わないということも起こります。
抗炎症効果をもつ成分自体が、アレルギーの原因になることもあります。
ごくまれにですが、ステロイド剤が原因でかぶれが発生することもあります。
本来、かぶれを治すために使う治療薬自体に、肌が違和感を持ち、かぶれてしまうのです。
生薬エキスもやはり同じようにかぶれることもあり、注意が必要です。
甘草などは、化粧品でよく使われるエキスで、医薬品の塗り薬にも抗炎症効果を期待して使われます。
非ステロイド系の抗炎症成分としては、代表的なものです。
肌に吸収されやすいように様々な誘導体が存在するのも、この成分の特徴のひとつ。
ただ、こちらもまれにかぶれが発生するため、やはり注意が必要です。
肌に働きかける力があるということは、良いこともありますが、
思わぬマイナス反応が出てくることもあります。
生薬エキスの場合は、含んでいる成分が多岐に渡るため、化学合成された単一の化合物と違い、複雑な反応を見せることがあります。良いこともであり、マイナス点でもあります。
基本的に、ポリフェノール系の成分が抗炎症効果を持つため、ポリフェノールを含むエキスは大なり小なり抗炎症効果があります。
ただ、抗炎症効果と聞くと、そのエキス自体に被れないかというと、そうではありません。
残念ながら、肌に合わないということも起こります。
抗炎症効果をもつ成分自体が、アレルギーの原因になることもあります。
ごくまれにですが、ステロイド剤が原因でかぶれが発生することもあります。
本来、かぶれを治すために使う治療薬自体に、肌が違和感を持ち、かぶれてしまうのです。
生薬エキスもやはり同じようにかぶれることもあり、注意が必要です。
甘草などは、化粧品でよく使われるエキスで、医薬品の塗り薬にも抗炎症効果を期待して使われます。
非ステロイド系の抗炎症成分としては、代表的なものです。
肌に吸収されやすいように様々な誘導体が存在するのも、この成分の特徴のひとつ。
ただ、こちらもまれにかぶれが発生するため、やはり注意が必要です。
肌に働きかける力があるということは、良いこともありますが、
思わぬマイナス反応が出てくることもあります。
生薬エキスの場合は、含んでいる成分が多岐に渡るため、化学合成された単一の化合物と違い、複雑な反応を見せることがあります。良いこともであり、マイナス点でもあります。
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2008年12月22日
酵素反応 その4
料理の世界では、酵素を反応をうまく利用することを求められる場合もありますが、
化粧品の場合、酵素がポリフェノールに作用して一番困ることは、
抗酸化作用を失わせることです。
ただ、酵素反応は結構複雑で、単純に抗酸化作用がなくなるというわけではなく
むしろ増強される場合もあります。
それは、ポリフェノール同士がくっついて、巨大分子になるときですが、
その場合問題なのは、巨大になるため皮膚に浸透しづらくなります。
紅茶などは、ポリフェノールがいくつもくっつき巨大分子になる
パターンのものですが、化粧品にはほとんど紅茶エキスが配合されていないことから
その効果はさほど期待できないということがわかります。
化粧品では、紅茶の成分が高分子化する前、つまり緑茶エキスの方が
化粧品に数多く採用されています。
緑茶の方が、抗酸化効果も美白効果も期待できますからね。
このように酵素はせっかくの有効成分を破壊したりと問題を引き起こし、
その活性を止めることが重要となります。
酵素の活力を失わせるのは、様々な成分がありますが、
一番は温度によりタンパク変性を起こさせ、酵素の活力を失わせる方法です。
他には、エタノールもタンパク質の変性を起こし、酵素の活力を失わせます。
ほかにはキレート剤というもの。酵素の活力には金属が必要で、
金属イオンを奪うことで、酵素の活力をなくさせる手法もあります。
エデト酸などは、その代表例となります。
化粧品の場合、酵素がポリフェノールに作用して一番困ることは、
抗酸化作用を失わせることです。
ただ、酵素反応は結構複雑で、単純に抗酸化作用がなくなるというわけではなく
むしろ増強される場合もあります。
それは、ポリフェノール同士がくっついて、巨大分子になるときですが、
その場合問題なのは、巨大になるため皮膚に浸透しづらくなります。
紅茶などは、ポリフェノールがいくつもくっつき巨大分子になる
パターンのものですが、化粧品にはほとんど紅茶エキスが配合されていないことから
その効果はさほど期待できないということがわかります。
化粧品では、紅茶の成分が高分子化する前、つまり緑茶エキスの方が
化粧品に数多く採用されています。
緑茶の方が、抗酸化効果も美白効果も期待できますからね。
このように酵素はせっかくの有効成分を破壊したりと問題を引き起こし、
その活性を止めることが重要となります。
酵素の活力を失わせるのは、様々な成分がありますが、
一番は温度によりタンパク変性を起こさせ、酵素の活力を失わせる方法です。
他には、エタノールもタンパク質の変性を起こし、酵素の活力を失わせます。
ほかにはキレート剤というもの。酵素の活力には金属が必要で、
金属イオンを奪うことで、酵素の活力をなくさせる手法もあります。
エデト酸などは、その代表例となります。
shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(0)│
2008年12月19日
酵素反応 その3
まあ、お料理教室などで習うことなんでしょうが、
酵素を利用するものは、ほかにいくつかあります。
ダイコンの辛味も基本的には酵素によって起こるもの。
辛味成分を作る酵素は普段働いていませんが、すりおろされて
酵素が活動し始めると、辛味が出てきます。
そのため、おろし金の目の粗さで、辛味は幾分変わります。
(目の粗いほうが辛味が少なくなります)
わさびも同じで、わさび自体をそのままかじるのと、
すりおろして作ったものでは、大きく辛味が違います。
これもすりおろすことで、酵素が活動しはじめることにより
辛味が生じてくるからです。
では、化粧品の成分ではどうでしょうか。
植物の美白成分というのは、主に活性酸素を除去するタイプの成分が
美白効果を発揮します。
ポリフェノールといったものは、メラニンの酵素の働きを邪魔したり
メラニンを作るときにアミノ酸とくっつくことで、メラニンの熟成を
邪魔したりと様々な働きを行います。
ただ、このポリフェノールですが、これも植物の体内には壊す酵素が
存在しています。
リンゴやナスの切断面の褐変現象はまさに無色のポリフェノールが
酸化されて効果が失われた状態ですが、困ったことにせっかくの貴重な成分である
ポリフェノールを破壊してしまう酵素が存在し、
いかにそれを止めてやるかが植物エキス作りの基本となります。
酵素を利用するものは、ほかにいくつかあります。
ダイコンの辛味も基本的には酵素によって起こるもの。
辛味成分を作る酵素は普段働いていませんが、すりおろされて
酵素が活動し始めると、辛味が出てきます。
そのため、おろし金の目の粗さで、辛味は幾分変わります。
(目の粗いほうが辛味が少なくなります)
わさびも同じで、わさび自体をそのままかじるのと、
すりおろして作ったものでは、大きく辛味が違います。
これもすりおろすことで、酵素が活動しはじめることにより
辛味が生じてくるからです。
では、化粧品の成分ではどうでしょうか。
植物の美白成分というのは、主に活性酸素を除去するタイプの成分が
美白効果を発揮します。
ポリフェノールといったものは、メラニンの酵素の働きを邪魔したり
メラニンを作るときにアミノ酸とくっつくことで、メラニンの熟成を
邪魔したりと様々な働きを行います。
ただ、このポリフェノールですが、これも植物の体内には壊す酵素が
存在しています。
リンゴやナスの切断面の褐変現象はまさに無色のポリフェノールが
酸化されて効果が失われた状態ですが、困ったことにせっかくの貴重な成分である
ポリフェノールを破壊してしまう酵素が存在し、
いかにそれを止めてやるかが植物エキス作りの基本となります。
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