食品の科学
2011年10月09日
最近の乳酸菌
化粧品の世界でもペプチドは人気なのですが、一歩進んでいるのが食品業界。
低価格できっちりとした効果のあるペプチドが開発されています。
(ただ1ヶ月分の価格を見ると、結構な金額になる場合もあり)
花粉症やシックハウスなどアレルギーの症状のある方には体の中からの対策として乳酸菌がお勧めです。
花粉症対策は一般的にマスクの着用や抗アレルギー剤の内服を行うことが一般的ですが、抗アレルギー剤はできれば使いたくない薬。
内服で効くものは、今のところ乳酸菌ぐらいしかありません。
*学会である程度信認されている素材という意味です。
ヨーグルトは、かつては腸内環境改善がメインでした。
お通じを良くしたりすることに期待されていたのですが、今はいろんな乳酸菌が発見されるに従って、ヨーグルトといえど、馬鹿にはできない存在となっています。
単に乳酸菌を腸内に送り込むだけのヨーグルトが第一世代なら、血圧低下かピロリ菌除去、花粉症改善は第二世代でしょうか。
カルピスのアミールSは牛乳を分解して乳酸菌が作ったペプチドですが、血圧低下だけでなく、血管の老化防止など、面白い効果が発見されています。
スーパーの陳列棚に並べられている森永乳業のビフィズス菌BB536はアレルギー症状の緩和や感染予防などの効果もあり、サプリになりますが岩井乳業の乳酸菌KW3110はアレルギーに対して効果が認められ、花粉症の症状緩和にも期待されています。
他にも植物性乳酸菌のラブレも有名ですし、いつの間にか高機能な乳酸菌やビフィズス菌が様々な会社から発売されています。
低価格できっちりとした効果のあるペプチドが開発されています。
(ただ1ヶ月分の価格を見ると、結構な金額になる場合もあり)
花粉症やシックハウスなどアレルギーの症状のある方には体の中からの対策として乳酸菌がお勧めです。
花粉症対策は一般的にマスクの着用や抗アレルギー剤の内服を行うことが一般的ですが、抗アレルギー剤はできれば使いたくない薬。
内服で効くものは、今のところ乳酸菌ぐらいしかありません。
*学会である程度信認されている素材という意味です。
ヨーグルトは、かつては腸内環境改善がメインでした。
お通じを良くしたりすることに期待されていたのですが、今はいろんな乳酸菌が発見されるに従って、ヨーグルトといえど、馬鹿にはできない存在となっています。
単に乳酸菌を腸内に送り込むだけのヨーグルトが第一世代なら、血圧低下かピロリ菌除去、花粉症改善は第二世代でしょうか。
カルピスのアミールSは牛乳を分解して乳酸菌が作ったペプチドですが、血圧低下だけでなく、血管の老化防止など、面白い効果が発見されています。
スーパーの陳列棚に並べられている森永乳業のビフィズス菌BB536はアレルギー症状の緩和や感染予防などの効果もあり、サプリになりますが岩井乳業の乳酸菌KW3110はアレルギーに対して効果が認められ、花粉症の症状緩和にも期待されています。
他にも植物性乳酸菌のラブレも有名ですし、いつの間にか高機能な乳酸菌やビフィズス菌が様々な会社から発売されています。
shin_chanz at 20:03|Permalink│Comments(0)│
2011年05月08日
菌の遺伝子検査
ユッケで食中毒死した幼児二人から検出された大腸菌のDNAが一致したとの報道がありました。
また、従業員からも大腸菌が検出されているとか。
しかし、従業員から菌の検出は行っても菌のDNA検査までは行っていないようです。
(もしかしたら発表されていないだけかもしれませんが・・)
もう、20年も前から菌のDNAを検査することで、どこで混入した菌かということを同定することができるようになっています。
国の検査機関でなくても、民間業者でもDNA検査することで簡単に判別することができます。
たとえば食中毒事件の時は、包丁を握って作業していた誰かが菌をばらまいた犯人の可能性が高くなります。
天災ではなくて、人災であり、ちょっと面倒で手を洗わなかったり、指が化膿しているのに作業したり、手袋が非衛生なのに面倒からそのまま使っていたりと、個人の衛生に対する考え方一つで食中毒は起こります。
京都の3つ星の料亭でも食中毒は起こりましたから、高級なところでは起きないというわけではなく、食材を扱う方の注意不足や気の緩みなどで引き起こされます。
菌のDNA検査をすることでの利点は、食材を扱った誰の菌であったかということが明確になることです。
同じ大腸菌でもDNAは保菌者ごとに若干変わるため、食中毒を引き起こした菌のDNAと従業員から検出された菌のDNAを比較することで「誰が菌をばらまいた」という事実に対して明確に答えることができます。
ただし、この場合は食肉の流通に携わった全員から菌のDNAを採取する必要があります。
この協力を得れるかどうかが一番の課題なんですが。
また、従業員からも大腸菌が検出されているとか。
しかし、従業員から菌の検出は行っても菌のDNA検査までは行っていないようです。
(もしかしたら発表されていないだけかもしれませんが・・)
もう、20年も前から菌のDNAを検査することで、どこで混入した菌かということを同定することができるようになっています。
国の検査機関でなくても、民間業者でもDNA検査することで簡単に判別することができます。
たとえば食中毒事件の時は、包丁を握って作業していた誰かが菌をばらまいた犯人の可能性が高くなります。
天災ではなくて、人災であり、ちょっと面倒で手を洗わなかったり、指が化膿しているのに作業したり、手袋が非衛生なのに面倒からそのまま使っていたりと、個人の衛生に対する考え方一つで食中毒は起こります。
京都の3つ星の料亭でも食中毒は起こりましたから、高級なところでは起きないというわけではなく、食材を扱う方の注意不足や気の緩みなどで引き起こされます。
菌のDNA検査をすることでの利点は、食材を扱った誰の菌であったかということが明確になることです。
同じ大腸菌でもDNAは保菌者ごとに若干変わるため、食中毒を引き起こした菌のDNAと従業員から検出された菌のDNAを比較することで「誰が菌をばらまいた」という事実に対して明確に答えることができます。
ただし、この場合は食肉の流通に携わった全員から菌のDNAを採取する必要があります。
この協力を得れるかどうかが一番の課題なんですが。
shin_chanz at 20:21|Permalink│Comments(0)│
2011年05月05日
ユッケが危険?
まるで中国のようなニュースだと思ったのが、焼肉屋での死亡事故。
子供が2名、女性が1名も食中毒で亡くなってしまうなんて、相当ひどい事故。
私も子供にユッケを食べさせたことがあるだけに人事ではありません。
しかも、その後の報道で、生食用の肉が日本で流通していないというとんでもない事実が明らかにされています。
厚生労働省も生食用の肉の管理基準を作っただけで、実際に焼肉屋で出されている肉については監視を行っていなかったこともわかりましたし、ありえないようなことが判明しています。
いくつもの企業が倒産した賞味期限問題より、はるかに重い問題ではないでしょうか。
食品の行政というのは、なぜか工場で作る食品には賞味期限の設定と表示やアレルギー成分の表示などやたら厳しいのに店頭で販売する食品についてはあまり厳しくないという現状があります。
「守れないところに厳しく言っても仕方が無い」という考え方なのでしょうけど、細かく監視する必要があると思います。
とはいっても衛生検査はかなり難しく、細菌の数を測定するだけでも2日、カビや酵母まで測定すると4日はかかります。
細菌にだけ限って検査するにしても日数がかかるし、短時間で測定できるものもありますが、それは高価な機器となるので、焼肉屋が購入するとは思えません。
食材を卸す業者で測定するしかないと思いますが、今までやったことないのに急にできるようになるのか疑問に思います。
焼く肉屋では菌は表面につくものなので、肉の表面を削げば問題ないという見解で今までやってきたようですが、これも表面を削ぐ包丁を細かく殺菌しなければならないですし、肉を触る手指や手袋も細かく殺菌するのが前提の行為。
殺菌がきっちり出来ていないと、菌汚染を包丁介して広げるだけなので、デメリットがあります。
食品にはハセップという製造工程の衛生管理をするシステムがあるのですが、こちらの導入を広げる必要があると思います。
もちろん生の肉を出すのは焼肉屋だけではなく、寿司屋や居酒屋も同じなので、抜本的な対策は必要でしょう。
生食用の牡蠣は、表面を殺菌して、菌数を減らしたものが流通していますが、これに習って生食用のものは最悪殺菌工程が入る必要もあるかもしれません。
殺菌水を肉の表面にかけるだけなので、実に簡単な処理だと思います。
ただ、味は落ちるし、対象はどこまで広げるのかという問題もあって、なかなか難しいとは思いますが、何もやらないとまた問題が起きると思います。
子供が2名、女性が1名も食中毒で亡くなってしまうなんて、相当ひどい事故。
私も子供にユッケを食べさせたことがあるだけに人事ではありません。
しかも、その後の報道で、生食用の肉が日本で流通していないというとんでもない事実が明らかにされています。
厚生労働省も生食用の肉の管理基準を作っただけで、実際に焼肉屋で出されている肉については監視を行っていなかったこともわかりましたし、ありえないようなことが判明しています。
いくつもの企業が倒産した賞味期限問題より、はるかに重い問題ではないでしょうか。
食品の行政というのは、なぜか工場で作る食品には賞味期限の設定と表示やアレルギー成分の表示などやたら厳しいのに店頭で販売する食品についてはあまり厳しくないという現状があります。
「守れないところに厳しく言っても仕方が無い」という考え方なのでしょうけど、細かく監視する必要があると思います。
とはいっても衛生検査はかなり難しく、細菌の数を測定するだけでも2日、カビや酵母まで測定すると4日はかかります。
細菌にだけ限って検査するにしても日数がかかるし、短時間で測定できるものもありますが、それは高価な機器となるので、焼肉屋が購入するとは思えません。
食材を卸す業者で測定するしかないと思いますが、今までやったことないのに急にできるようになるのか疑問に思います。
焼く肉屋では菌は表面につくものなので、肉の表面を削げば問題ないという見解で今までやってきたようですが、これも表面を削ぐ包丁を細かく殺菌しなければならないですし、肉を触る手指や手袋も細かく殺菌するのが前提の行為。
殺菌がきっちり出来ていないと、菌汚染を包丁介して広げるだけなので、デメリットがあります。
食品にはハセップという製造工程の衛生管理をするシステムがあるのですが、こちらの導入を広げる必要があると思います。
もちろん生の肉を出すのは焼肉屋だけではなく、寿司屋や居酒屋も同じなので、抜本的な対策は必要でしょう。
生食用の牡蠣は、表面を殺菌して、菌数を減らしたものが流通していますが、これに習って生食用のものは最悪殺菌工程が入る必要もあるかもしれません。
殺菌水を肉の表面にかけるだけなので、実に簡単な処理だと思います。
ただ、味は落ちるし、対象はどこまで広げるのかという問題もあって、なかなか難しいとは思いますが、何もやらないとまた問題が起きると思います。
shin_chanz at 20:13|Permalink│Comments(5)│
2010年11月28日
オイルゲル
植物オイルは精製すればするほど、粘度が低くなる傾向になります。
たとえばゴマ油はどろっとしたような感触ですが、精製度を高くすると粘度が無くなり、さらさらのオイルとなります。
吸着精製法等の特殊な精製法を使う必要がありますが、オイルの粘度はオイルの中に入っているステロールが影響を与えています。この成分を抜いてしまうことで、オイルの粘度が大幅に下がります。
このステロールは、オイルに溶ける性質を持ちながら、水になじむ水酸基という官能基が分子の中に入っています。
この水酸基同士がくっつくことで、オイルに粘度を与えます。
この水酸基がありながら、オイルに溶けるという成分は色々あります。
しかし、工業的に大量に作られているのは、ひまし油から得られるヒドロキシステアリン酸という成分です。
ひまし油自体も特殊なオイルで、通常の植物油はエタノールに溶けませんが、このオイルは水酸基があるおかげでエタノールに溶解します。
このヒドロキシステアリン酸は油に溶ける性質を持ちながら、水酸基を保有しています。
この水酸基によってヒドロキシステアリン酸同士がくっついていき、その中に入ったオイルを固めていきます。
植物油へ溶解しやすく、出来るゲルもそれなりに弾力性のある強いゲルであるため、植物油を固めて捨てる廃油処理剤に応用しています。
確か何年か前に日本の企業が持つこの特許が切れて、ホームセンターやスーパーでは廃油処理剤の安価な製品が出回るようになりましたが、基本はヒドロキシステアリン酸というひまし油を分解して作る成分です。
オイルゲルは金属石鹸などでも出来るのですが、ヒドロキシステアリン酸ほど、さっと油に溶ける性質はありません。
ただ、金属石鹸はコストが低いため、固形燃料、たとえば居酒屋や旅館で、個人用の鍋を温める小さな固形燃料として使われています。
たとえばゴマ油はどろっとしたような感触ですが、精製度を高くすると粘度が無くなり、さらさらのオイルとなります。
吸着精製法等の特殊な精製法を使う必要がありますが、オイルの粘度はオイルの中に入っているステロールが影響を与えています。この成分を抜いてしまうことで、オイルの粘度が大幅に下がります。
このステロールは、オイルに溶ける性質を持ちながら、水になじむ水酸基という官能基が分子の中に入っています。
この水酸基同士がくっつくことで、オイルに粘度を与えます。
この水酸基がありながら、オイルに溶けるという成分は色々あります。
しかし、工業的に大量に作られているのは、ひまし油から得られるヒドロキシステアリン酸という成分です。
ひまし油自体も特殊なオイルで、通常の植物油はエタノールに溶けませんが、このオイルは水酸基があるおかげでエタノールに溶解します。
このヒドロキシステアリン酸は油に溶ける性質を持ちながら、水酸基を保有しています。
この水酸基によってヒドロキシステアリン酸同士がくっついていき、その中に入ったオイルを固めていきます。
植物油へ溶解しやすく、出来るゲルもそれなりに弾力性のある強いゲルであるため、植物油を固めて捨てる廃油処理剤に応用しています。
確か何年か前に日本の企業が持つこの特許が切れて、ホームセンターやスーパーでは廃油処理剤の安価な製品が出回るようになりましたが、基本はヒドロキシステアリン酸というひまし油を分解して作る成分です。
オイルゲルは金属石鹸などでも出来るのですが、ヒドロキシステアリン酸ほど、さっと油に溶ける性質はありません。
ただ、金属石鹸はコストが低いため、固形燃料、たとえば居酒屋や旅館で、個人用の鍋を温める小さな固形燃料として使われています。
shin_chanz at 22:00|Permalink│Comments(0)│
2010年09月06日
オイルに溶けた粒子
チョコレートに溶けた砂糖の粒子の大きさは、チョコレートの味に大きく影響を与えます。
粒子が大きいとざらつき感がありますし、粒子が小さいと砂糖をコーティングするための油脂が必要で、経済的ではありません。
チョコレートは油の塊なのに砂糖をコーティングするために油脂が必要?
とお考えになるかもしれませんが、砂糖はさらっとしたオイルを固める必要な成分で、砂糖を多く入れるとチョコレートの感触が出ず、舌触りに違和感が出るようになります。
あくまで舌でチョコレートを転がしたとき、ゆっくりと溶けてしかも、ざらつきがなく、粒子感がでないようにする必要があります。
粒子が大きいと舌が砂糖の粒子径を認識して、ざらつきを感じます。
粒子が細かいのに油脂の量が少ないと、舌の上で滑りが悪くなり、やはりざらつきを感じます。
砂糖をそのまままぶして使う和菓子とは全然考え方が違います。
砂糖の粒子の大きさによって感じさせる甘みも違い、粒子が大きすぎて小さすぎてもだめという結構シビアなものです。
しかも、砂糖は匂いの吸着をしっかりとする成分で、ステンレス製の製造装置を使うと、ステンレスの金属臭を吸着する場合もあります。
家庭用のフードミキサーも同様でミキサーにかける時間が長いと、ミキサー羽根の金属臭も吸着することもあり、砂糖はお菓子作りにとって使い方に気をつけなければならない素材の一つです。
チョコレート中の砂糖の大きさを測定するには、植物油とチョコレートを混ぜ合わせます。そうすると、チョコレートは植物油に溶けて砂糖の粒子は油に溶けずに残るため、この粒子を測定することで、どのくらいの大きさの砂糖を使っているのかということがわかります。
粒子が大きいとざらつき感がありますし、粒子が小さいと砂糖をコーティングするための油脂が必要で、経済的ではありません。
チョコレートは油の塊なのに砂糖をコーティングするために油脂が必要?
とお考えになるかもしれませんが、砂糖はさらっとしたオイルを固める必要な成分で、砂糖を多く入れるとチョコレートの感触が出ず、舌触りに違和感が出るようになります。
あくまで舌でチョコレートを転がしたとき、ゆっくりと溶けてしかも、ざらつきがなく、粒子感がでないようにする必要があります。
粒子が大きいと舌が砂糖の粒子径を認識して、ざらつきを感じます。
粒子が細かいのに油脂の量が少ないと、舌の上で滑りが悪くなり、やはりざらつきを感じます。
砂糖をそのまままぶして使う和菓子とは全然考え方が違います。
砂糖の粒子の大きさによって感じさせる甘みも違い、粒子が大きすぎて小さすぎてもだめという結構シビアなものです。
しかも、砂糖は匂いの吸着をしっかりとする成分で、ステンレス製の製造装置を使うと、ステンレスの金属臭を吸着する場合もあります。
家庭用のフードミキサーも同様でミキサーにかける時間が長いと、ミキサー羽根の金属臭も吸着することもあり、砂糖はお菓子作りにとって使い方に気をつけなければならない素材の一つです。
チョコレート中の砂糖の大きさを測定するには、植物油とチョコレートを混ぜ合わせます。そうすると、チョコレートは植物油に溶けて砂糖の粒子は油に溶けずに残るため、この粒子を測定することで、どのくらいの大きさの砂糖を使っているのかということがわかります。
shin_chanz at 00:00|Permalink│Comments(2)│
2010年09月03日
油の中に水を分散させたチョコレート
食品では牛乳やスープやパンなど水の中に油が溶けているパターンが多いのですが、その逆もあります。
代表例がチョコレート。水分は1%以下で固形の砂糖がチョコレートの油脂の中に分散しています。
海外の日焼け止めで水を含まず油脂の中に酸化チタンを分散しているものを読者の方に紹介していただきましたが、基本の考え方はチョコレートと同じです。
ただ、チョコレートの場合は、液状の油脂を砂糖で固めているため、海外の日焼け止めとは全く同じというわけではありません。
チョコレートはカカオ油脂の中に砂糖やたんぱく質、レシチンなどが分散しています。
レシチンは化粧品では乳化剤として使用しますが、チョコレートでは水分1%以下。
溶かす水もほとんどありません。
何に使うかというと粘度を落とすために使います。
レシチン自体は砂糖の表面に取り付き、周りの油脂との馴染みを良くします。
チョコレートは常温で固まらなければなりませんが、型に詰めるときやお菓子をコーティングするときには液状でないと、使いにくくて仕方ありません。
作業性を良くしたり、時間経過と共に起こる品質上の問題発生を抑えるために
レシチンが加えられます。
そのため、カカオ豆や砂糖キビが無農薬・有機栽培のチョコレートがあっても無添加のチョコレートというのは、なかなか無いと思います。
作業性が悪くなるし、乳化剤無添加だと時間経過と共に起こる変化を抑えきれない可能性があるからです。
もちろん、冷蔵庫で常に保存されるとか環境が一定しているのなら対処方法もありますが、戸棚においても各家庭の室温は地方によって異なりますし、その温度変化を予め予想して作るというのも難しいところがあります。
何よりチョコレートは、口溶けの良さが求められます。
口の中で固形油脂から一気に液状でさらっとしたオイルへの変化がチョコレートの美味しさの一つ。
溶けてもドロドロなら違和感があって、それではチョコレートの美味しさがわかりません。
代表例がチョコレート。水分は1%以下で固形の砂糖がチョコレートの油脂の中に分散しています。
海外の日焼け止めで水を含まず油脂の中に酸化チタンを分散しているものを読者の方に紹介していただきましたが、基本の考え方はチョコレートと同じです。
ただ、チョコレートの場合は、液状の油脂を砂糖で固めているため、海外の日焼け止めとは全く同じというわけではありません。
チョコレートはカカオ油脂の中に砂糖やたんぱく質、レシチンなどが分散しています。
レシチンは化粧品では乳化剤として使用しますが、チョコレートでは水分1%以下。
溶かす水もほとんどありません。
何に使うかというと粘度を落とすために使います。
レシチン自体は砂糖の表面に取り付き、周りの油脂との馴染みを良くします。
チョコレートは常温で固まらなければなりませんが、型に詰めるときやお菓子をコーティングするときには液状でないと、使いにくくて仕方ありません。
作業性を良くしたり、時間経過と共に起こる品質上の問題発生を抑えるために
レシチンが加えられます。
そのため、カカオ豆や砂糖キビが無農薬・有機栽培のチョコレートがあっても無添加のチョコレートというのは、なかなか無いと思います。
作業性が悪くなるし、乳化剤無添加だと時間経過と共に起こる変化を抑えきれない可能性があるからです。
もちろん、冷蔵庫で常に保存されるとか環境が一定しているのなら対処方法もありますが、戸棚においても各家庭の室温は地方によって異なりますし、その温度変化を予め予想して作るというのも難しいところがあります。
何よりチョコレートは、口溶けの良さが求められます。
口の中で固形油脂から一気に液状でさらっとしたオイルへの変化がチョコレートの美味しさの一つ。
溶けてもドロドロなら違和感があって、それではチョコレートの美味しさがわかりません。
shin_chanz at 00:00|Permalink│Comments(0)│
2010年08月25日
水に溶ける油 その2
タンパク質をうまく利用することで、油を水に溶かすことが出来ます。
ただし、化粧品には使えません。余りにも使用感が悪すぎて、使う意味が無いからです。
しかし、食品では別です。タンパク質のうまみやコクが出て、食品の風味改善にも役立ちます。しかも、合成乳化剤を使わなくて済む。
タンパク質で乳化した油というのは、食品分野では非常に拡大を続けています。
少しお高い加工食品などには結構入っているようです。
この乳化した油は味を感じる舌の部分の細胞へ入っていきやすい粒子の大きさということで、味の表現力に幅を持たせます。
調理は技量によってその差が反映されてしまいますが、水に溶ける油を使うことでその技量の差を縮めることができます。
達人が食品中のタンパク質などを利用して油を上手に微粒子化するところを素人が手軽にやってのけるわけです。
牛乳は油をタンパク質で乳化した水なので、牛乳を使うことで油の微粒子を食品に入れ込むことが出来ます。ただ、何でも牛乳を使うわけにも行かず、また、牛乳の脂肪分はせいぜい5%程度。牛乳より濃い油の濃度で風味付けをしたい場合もあります。
そういうときにはこういった加工原料が重宝されます。
また、素人が水をいれるだけで手軽に食品を作れるプレミックスの粉原料にも使われます。ホットケーキの粉などがそうです。
ただ、コストが高いので使える食品は限られています。
正月の特番で、芸能人が目隠しして料理を食べて、偽者と本物の真贋を問う番組がありました。その中で、安いステーキ肉を高級肉に見せかけるために確かグレープシードオイルを使っていました。牛脂ではなく、植物油を使うのがポイントなのかもしれませんが、あえて違う油を肉の中へ入れ込むだけでかなり風味が改善されるのも事実のようです。
油というのは使い方によって様々な味を作り出せるので、実に面白い素材だと思います。
ただし、化粧品には使えません。余りにも使用感が悪すぎて、使う意味が無いからです。
しかし、食品では別です。タンパク質のうまみやコクが出て、食品の風味改善にも役立ちます。しかも、合成乳化剤を使わなくて済む。
タンパク質で乳化した油というのは、食品分野では非常に拡大を続けています。
少しお高い加工食品などには結構入っているようです。
この乳化した油は味を感じる舌の部分の細胞へ入っていきやすい粒子の大きさということで、味の表現力に幅を持たせます。
調理は技量によってその差が反映されてしまいますが、水に溶ける油を使うことでその技量の差を縮めることができます。
達人が食品中のタンパク質などを利用して油を上手に微粒子化するところを素人が手軽にやってのけるわけです。
牛乳は油をタンパク質で乳化した水なので、牛乳を使うことで油の微粒子を食品に入れ込むことが出来ます。ただ、何でも牛乳を使うわけにも行かず、また、牛乳の脂肪分はせいぜい5%程度。牛乳より濃い油の濃度で風味付けをしたい場合もあります。
そういうときにはこういった加工原料が重宝されます。
また、素人が水をいれるだけで手軽に食品を作れるプレミックスの粉原料にも使われます。ホットケーキの粉などがそうです。
ただ、コストが高いので使える食品は限られています。
正月の特番で、芸能人が目隠しして料理を食べて、偽者と本物の真贋を問う番組がありました。その中で、安いステーキ肉を高級肉に見せかけるために確かグレープシードオイルを使っていました。牛脂ではなく、植物油を使うのがポイントなのかもしれませんが、あえて違う油を肉の中へ入れ込むだけでかなり風味が改善されるのも事実のようです。
油というのは使い方によって様々な味を作り出せるので、実に面白い素材だと思います。
shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(0)│
2010年08月23日
水に溶ける油
食品分野では水に溶ける油というのが、業務用分野でものすごく流行っています。
植物油のような液体の油から牛脂のような常温では固まっているような油まで。
油は水に普通は溶けません。
水と油は化学的に違うため、交じり合うことができません。
この境界を壊すのが界面活性剤。
界面活性剤は油と水の境界面に取り付いて、お互いが混ざり合うようにそれぞれの性質を兼ね備えたものが選ばれます。
低分子のものもあれば、高分子のものも。
化粧品の場合、使用感という大きな問題があって、安全なものなら何でもいいというわけではありません。
一方、食品の場合は味が問題となります。化粧品で使うたいていの界面活性剤は苦くて不味いです。それはそれで誤飲防止に役立つのですが、美味しくても下痢を起こさないなど色々制限があり、食品添加物として使えるものは限られています。
ちなみに人体を見つめてみると、血液という水の中には油が細かい粒子となって運ばれて、各組織で利用されたり蓄積されたりしています。
このときに使われるのがタンパク質。タンパク質は水に溶けるタンパク質と油となじみやすいタンパク質の2種類があります。
アミノ酸は水に溶けるものと溶け難いものの2種類があり、すべてのアミノ酸が水に溶けやすいというわけではありません。
たまたま、水に溶けやすいアミノ酸が飲料などに利用されていて、水に溶けて当たり前というイメージがありますが、実際はそうではありません。
人体はうまくアミノ酸の組成をコントロールすることで、油を水に分散させるタンパク質などを作っています。
外側は血液になじみやすいアミノ酸組成にして、内側は油になじみやすい組成にするという具合。
タンパク質だけで溶けているわけではありませんが、油の粒子を安定に水へ分散させるため大いに役立っています。
身近な例では牛乳もレシチンやタンパク質の複合体によって水へ油の粒子が分散しています。
植物油のような液体の油から牛脂のような常温では固まっているような油まで。
油は水に普通は溶けません。
水と油は化学的に違うため、交じり合うことができません。
この境界を壊すのが界面活性剤。
界面活性剤は油と水の境界面に取り付いて、お互いが混ざり合うようにそれぞれの性質を兼ね備えたものが選ばれます。
低分子のものもあれば、高分子のものも。
化粧品の場合、使用感という大きな問題があって、安全なものなら何でもいいというわけではありません。
一方、食品の場合は味が問題となります。化粧品で使うたいていの界面活性剤は苦くて不味いです。それはそれで誤飲防止に役立つのですが、美味しくても下痢を起こさないなど色々制限があり、食品添加物として使えるものは限られています。
ちなみに人体を見つめてみると、血液という水の中には油が細かい粒子となって運ばれて、各組織で利用されたり蓄積されたりしています。
このときに使われるのがタンパク質。タンパク質は水に溶けるタンパク質と油となじみやすいタンパク質の2種類があります。
アミノ酸は水に溶けるものと溶け難いものの2種類があり、すべてのアミノ酸が水に溶けやすいというわけではありません。
たまたま、水に溶けやすいアミノ酸が飲料などに利用されていて、水に溶けて当たり前というイメージがありますが、実際はそうではありません。
人体はうまくアミノ酸の組成をコントロールすることで、油を水に分散させるタンパク質などを作っています。
外側は血液になじみやすいアミノ酸組成にして、内側は油になじみやすい組成にするという具合。
タンパク質だけで溶けているわけではありませんが、油の粒子を安定に水へ分散させるため大いに役立っています。
身近な例では牛乳もレシチンやタンパク質の複合体によって水へ油の粒子が分散しています。
shin_chanz at 00:00|Permalink│Comments(0)│
2010年07月28日
チョコレート その2
チョコレートは刺激性がある食品のため、ニキビが出来やすいと昔言われていました。
油分が多いため、それがニキビを刺激するとか、色々な説が流れていました。
私的には、コーラを飲むと骨が溶けるという類の話かと思っていますが、皮膚科医が執筆している書物の中には未だにチョコレートがニキビの悪化原因の一つとするものもあります。
もし、油分が多いなら駄目ということなら、油分の多い食品は全部駄目なはずでなぜチョコレートだけなのか。
ファーストフードはだめで、ステーキやてんぷらはいいというわけでは無いはず。
未だにチョコレートに対しては偏見が多いかと思います。
アメリカでもチョコレートがニキビの原因になるかどうかで論争があるようですが、必要カロリー以上に食べてしまうのが、原因で適正カロリー以下で食べている分は問題ないと思います。
刺激性うんぬんという話になれば、日本茶に含まれるカフェインはかなり問題です。
カフェインへの耐性がないと、夜飲んだ日本茶のせいで、寝つきが悪くなるというのは現実に起こります。
しかし、日本茶については悪く言われることは無く、どちらかというと長所ばかり取り上げられています。
他方、チョコレートについては悪く言われることも多く、最近はカカオポリフェノールの効能でイメージは回復しつつありますが、それでも食べ過ぎると良くないものという認識が一般的であると思います。
日本の高級チョコレート市場は、海外に比べるとまだまだ小さく、圧倒的にカカオバターの代用脂を使った安価なチョコレートで溢れています。
ヨーロッパ人に言わせるとカカオバターを使わないものはチョコレートではなく、「まがいもの」と感じるようですが、資源に限りのあるカカオバターにこだわるのではなく、安いパーム油を改質した方が価格は安くなり大量生産に向いています。
なお、ヨーロッパではチョコレートは安眠を誘うということで、ミルクチョコレートを夜に食べる習慣があるそうです。
日本では子供が夜に食べると怒られそうなものですが、場所が変われば評価も大きく変わります。
ヨーロッパのチョコレート市場はとても大きく、スイス、フランス、ベルギーなどが国策として大学までが関与して高級チョコレートの開発と管理を行っています。
日本でも高級チョコレートが普及する時がやってくるのでしょうか。
ちなみにチョコレートの味には国民性が反映され、必ずしも他国の高級品が美味しいと限らないのが、チョコレート市場の難しさがあります。
油分が多いため、それがニキビを刺激するとか、色々な説が流れていました。
私的には、コーラを飲むと骨が溶けるという類の話かと思っていますが、皮膚科医が執筆している書物の中には未だにチョコレートがニキビの悪化原因の一つとするものもあります。
もし、油分が多いなら駄目ということなら、油分の多い食品は全部駄目なはずでなぜチョコレートだけなのか。
ファーストフードはだめで、ステーキやてんぷらはいいというわけでは無いはず。
未だにチョコレートに対しては偏見が多いかと思います。
アメリカでもチョコレートがニキビの原因になるかどうかで論争があるようですが、必要カロリー以上に食べてしまうのが、原因で適正カロリー以下で食べている分は問題ないと思います。
刺激性うんぬんという話になれば、日本茶に含まれるカフェインはかなり問題です。
カフェインへの耐性がないと、夜飲んだ日本茶のせいで、寝つきが悪くなるというのは現実に起こります。
しかし、日本茶については悪く言われることは無く、どちらかというと長所ばかり取り上げられています。
他方、チョコレートについては悪く言われることも多く、最近はカカオポリフェノールの効能でイメージは回復しつつありますが、それでも食べ過ぎると良くないものという認識が一般的であると思います。
日本の高級チョコレート市場は、海外に比べるとまだまだ小さく、圧倒的にカカオバターの代用脂を使った安価なチョコレートで溢れています。
ヨーロッパ人に言わせるとカカオバターを使わないものはチョコレートではなく、「まがいもの」と感じるようですが、資源に限りのあるカカオバターにこだわるのではなく、安いパーム油を改質した方が価格は安くなり大量生産に向いています。
なお、ヨーロッパではチョコレートは安眠を誘うということで、ミルクチョコレートを夜に食べる習慣があるそうです。
日本では子供が夜に食べると怒られそうなものですが、場所が変われば評価も大きく変わります。
ヨーロッパのチョコレート市場はとても大きく、スイス、フランス、ベルギーなどが国策として大学までが関与して高級チョコレートの開発と管理を行っています。
日本でも高級チョコレートが普及する時がやってくるのでしょうか。
ちなみにチョコレートの味には国民性が反映され、必ずしも他国の高級品が美味しいと限らないのが、チョコレート市場の難しさがあります。
shin_chanz at 00:00|Permalink│Comments(2)│
2010年07月26日
チョコレート
チョコレートが好きなので、もう少しこの話題を。
チョコレートは発酵食品と言われています。
他の発酵食品はお味噌やお酒、お漬物、その他色々ありますが、チョコレートもその中の一つ。
なぜ、発酵食品になるかというと、カカオは発酵させないとあのチョコレートの香りや色にならないからです。
ブドウ酒と日本酒。同じように発酵して作りますが、ひとつ大きな違いがあります。
それはブドウ酒の場合は、ブドウの中の糖分を酵母が直接酸化してアルコール発酵を行います。
一方、日本酒の場合は、米の中には糖分よりでんぷんが圧倒的に多く、酵母はでんぷんから直接アルコール発酵することはできません。
そのため、麹カビを最初に使って米のでんぷんをブドウ糖に替えた後、酵母を使ってブドウ糖をアルコール発酵します。
チョコレートの場合もこの発酵というプロセスがかなり重要になります。
それは未発酵のカカオ豆を火で炒めてもチョコレートの香りや色にならず、あくまで発酵させたカカオ豆でないといけないというルールがあります。
発酵することで、カカオ豆の成分が微生物によって分解され、タンパク質がアミノ酸に、でんぷんがブドウ糖に変化するからです。
こうして出来たアミノ酸やブドウ糖が、カカオ豆に火を入れるときに反応して、独特の香りや色を形成します。
しかも、カカオ豆を何℃で炒めるかというのは、重要で温度が高すぎるとぜんぜん違う香りになったりするため、シビアに温度コントロールを行っています。
豆の大きさが違うと火の入り方も変わりますし、チョコレートにはすぐに別の香りが移るため、なかなか身近にあるお菓子なのに奥はかなり深いようです。
チョコレートは発酵食品と言われています。
他の発酵食品はお味噌やお酒、お漬物、その他色々ありますが、チョコレートもその中の一つ。
なぜ、発酵食品になるかというと、カカオは発酵させないとあのチョコレートの香りや色にならないからです。
ブドウ酒と日本酒。同じように発酵して作りますが、ひとつ大きな違いがあります。
それはブドウ酒の場合は、ブドウの中の糖分を酵母が直接酸化してアルコール発酵を行います。
一方、日本酒の場合は、米の中には糖分よりでんぷんが圧倒的に多く、酵母はでんぷんから直接アルコール発酵することはできません。
そのため、麹カビを最初に使って米のでんぷんをブドウ糖に替えた後、酵母を使ってブドウ糖をアルコール発酵します。
チョコレートの場合もこの発酵というプロセスがかなり重要になります。
それは未発酵のカカオ豆を火で炒めてもチョコレートの香りや色にならず、あくまで発酵させたカカオ豆でないといけないというルールがあります。
発酵することで、カカオ豆の成分が微生物によって分解され、タンパク質がアミノ酸に、でんぷんがブドウ糖に変化するからです。
こうして出来たアミノ酸やブドウ糖が、カカオ豆に火を入れるときに反応して、独特の香りや色を形成します。
しかも、カカオ豆を何℃で炒めるかというのは、重要で温度が高すぎるとぜんぜん違う香りになったりするため、シビアに温度コントロールを行っています。
豆の大きさが違うと火の入り方も変わりますし、チョコレートにはすぐに別の香りが移るため、なかなか身近にあるお菓子なのに奥はかなり深いようです。
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