化粧品

2011年10月23日

メラニンムラ その2

遺伝的なものとしても、それなら若い頃に雀斑と一緒に出来ほうが自然というもので、メラニンムラの出現は遺伝要因以外が示唆されています。

しかも、年を重ねるに従いほとんどの女性で発生するため、加齢現象のひとつと考えられます。

また、メラニンムラはシミと共存して出来ますが、シミはシミで、メラニンムラはメラニンムラと分かれています。
薄いメラニンムラがシミの元になり、次に濃いシミに移行するとは考えられていません。

あくまでシミとメラニンムラは違うもので、その成り立ちも異なるようです。

なお、シミは局部的にできるのに対し、メラニンムラは広範囲で場所を限定せずに出来る特徴があります。

メラニンムラはぼんやりと雲状に広がりため、「なんとなく、くすんでくる」、「なんとなく透明感がなくなる」というような印象を持たせます。
こうなるとしみがあるわけではないのに、肌がくすんでいるような、はっきりしないように見えます。
ただ、これは黄色い角質が溜まっているからではなく、あくまでメラニンが肌色より若干濃く、部分的に増えているから起こる現象です。

なお、メラニンムラのメラニンはシミのように濃くはならないため、シミとはメラニンの種類が違うのか、それとも溜まっている場所が違うのか、詳しくはわかっていません。
しかし美白化粧品の連用によって、メラニンムラも薄くなることから、やはりシミの原因と同じ種類のメラニンによるものと考えられます。

くすみが消えて、肌が明るくなると、肌全体の印象もプラスへと変わります。
特に50代以降の人ではほぼ全員に面積の違いはあってもメラニンムラが出現するため、透明感を維持することは肌年齢を若く見せるためにも不可欠で、美白化粧品がますます重要になってくると思われます。

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2011年10月20日

メラニンムラ

若い頃はゴマ粒くらいの大きさのそばかすで悩むこともありますが、年齢を重ねて40を過ぎるとメラニンムラで悩むことが多くなるようです。

メラニンムラはシミとは違って明白なものではないものの、頬や口の周囲など、そばかすより下の部分に出来るのが特徴で、周囲の皮膚より濃く、小さく、多数分散しているのが特徴です。

meranin



左が典型的な雀斑で、右側はメラニンムラの画像。
わかりにくいかもしれませんが、雀斑は色が濃く、頬の上に細かいムラが発生しています。
右側のメラニンムラは色が薄く、小さなゴマ粒状のものですが、こちらも細かく広がっています。
シミまではとはいえないものの、小さなメラニンムラは20代ではほとんど目立たなかったものが、年を重ねるにつれて、頬骨から口元へと広がり、シミの大きさにまでは成長しないものの、色むらをはっきり認識できるような状態になります。

ただ、こうした色むらはシミとはまた別のもので、メラニンムラが集合して大きなシミになるような、シミの前段階とはまた違うものです。

だいたい、40代になると、この小さなシミとは違うメラニンムラに女性は悩むようですが、今のところ、このメラニンムラが出来るハッキリとした理由はわかっていません。

単純に紫外線に当たったとか、女性ホルモンのせいとかそういうものではないようです。


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2011年10月18日

お手入れの快適感 その3

化粧水や乳液、クリームなどの香りは何種類もバリエーションは用意されず、一種類で固定されているものが、ほとんどですが、石鹸や入浴剤などは香りが豊富。

石鹸で洗顔や体を洗うときは、爽快感や開放感、達成感が生まれます。
入浴剤なら、やすらぎや安静といった感情でしょうか。

これらの感情をより高ぶらせて、印象付けるのが香りの力。

香りによってどういう快適感が引き起こされやすいのか、研究が進んでいますが、人によっては香りの印象がポジティブだったり、ネガティブに捉えられる場合もあり、あまり変わった香りは無理というもの。

たとえば入浴剤には4つの香りが使われることが多いです。

安静・リラックス重視で、ほっとした気分や心休まる気分、穏やかな気分がわきおこりやすいのは、グリーン調の香り。

爽快・リフレッシュ重視で、さっぱりした気分、すっきりした気分、爽やかな気分が沸き起こりやすいのは、シトラス調の香り。

愛情や親和、幸福重視で、幸せな気分、やさしい気分、楽しい気分が起こりやすいのはローズ調の香り。

活気、ときめき重視で、元気な気分、ウキウキとした気分、熱中した気分が起こりやすいのはアップルマンゴー調の香り。

結局はくせが少ない無難な香りが多くなってしまいますが、快適を追求する以上、万人に受け入れられやすいのが前提条件なので、これは仕方がないことなのかもしれません。


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2011年10月16日

お手入れの快適感 その2

最近は、無香料の化粧品も増えていますが、やはり香りは重要で、どういう香りならどういう場面が想起されるのかという研究が進んでいます。

やはりポジティブな印象を与える香りというのは、製品の売上げには欠かせません。

化粧品の香りというと、原料臭を抑えるために配合しているなどのイメージもあり、どちらかというとトイレの芳香剤のような匂いで臭気を抑えるというネガティブな印象を持つ方も少なくありません。

ただ、そういった目的で配合する香りもあれば、洗顔や効果を実感させやすくするために配合したり、香りの効果自体、たとえばスリミングなどを期待して配合することもあります。

香りは嗅覚を大いに刺激し、快感を引き出す効果もあります。

どの場面で快適感を感じるのは、人によって変わります。

シャワーや排泄、脱衣、眠り、飲食や洗顔、天気に快適感を感じるのならやすらぎや癒し型です。
爽快感や開放感などの感情を重視するタイプです。

景色、温泉、豪華料理、旅行に快適感を感じるのなら満足型。
満足感や開放感、活気などの感情を重視するタイプ。

親切、家族、マッサージ、恋愛、子供に快適感を感じるのなら愛情型。
満足感や親和性、安静などの感情を重視するタイプ。

観戦や運動、テーマパークやバーゲン、芸能、ブランドに快適感を感じるのなら娯楽・エネルギー型。
達成感やときめき、活気や熱中などの感情を重視するタイプ。

家事や仕事に快適感を感じるのなら、達成型。
達成感や満足感、やる気などの感情を重視します。

結婚や賛美、美容、記念日に快適感を感じるのならときめき・耽美型
満足感やときめき、やる気などの感情を重視します。

それぞれの場面は全く違いますが、引き起こされる感情は似ていて、バーゲンで買い物をするときは、ときめきや満足感、活気がみなぎりますが、テーマパークで遊ぶのもやはり似たような感情を引き起こされます。

一方、同じお手入れでも丁寧にスキンケアする場合は、満足感や達成感、やる気などの感情が引き起こりますが、単なる洗顔では爽快感や開放感が引き起こされ、同じ美容といっても快適感の構造が違うことがわかります。

shin_chanz at 20:51|PermalinkComments(0)

2011年10月13日

お手入れの快適感

香りと快適感についての研究があります。

快適感を想起させる香りができれば、化粧品などの売上げにつながるため、いかに満足感を高めるか研究が進んでいます。

快適感を感じる場面は人それぞれで、趣味や考え方、生活環境などに左右されます。

そこで、いくつかの場面を挙げますが、どの場面で、快適感を感じられるでしょうか?


1.風呂 夜、ひとりでお風呂に入り、温かい湯船に浸かって、手足を伸ばしたとき。

2.眠り 一日の終わりに、自分の部屋で、フカフカの布団に入り、横になったとき。

3.飲食 午後の休憩時間に、おいしいコーヒーや紅茶を飲んでいるとき

4.家族 仕事の後、家に変えると、家族が「お帰りなさい」と笑顔で迎えたとき。

5.天気 天気の良い休日の朝に、近所を散歩しながら、青空を見上げたとき。

6.景色 休日に車に乗って、きれいな景色をスイスイとドライブしたとき。

7.温泉 休暇に温泉旅行へ行き、露天風呂で景色とお風呂を堪能したとき。

8.美容 時間のあるときに気合を入れてスキンケアし、肌がモチモチになったとき。
9.マッサージ 夜にリビングに座って、自分で肩を揉んでいたら、家族が来て揉んでくれたとき。

10.子供 赤ちゃんの柔らかい頬っぺたに触るとき。

11.テーマパーク 家族とテーマパークに行き、乗り物に乗ったり、子供のように過ごしたとき。

12.恋愛 大好きな異性に、甘えて抱きついているとき。

13.家事 休日に徹底的に洗濯と掃除をして、ピカピカに片付いたとき。

14.仕事 大変だった仕事がうまくいき、やり遂げたとき。

15.旅行 夏休みに海辺に出かけ、きれいな海で思いっきり遊んだとき。

16.観戦 テレビでスポーツ番組を見ていて、応援しているチームが接戦の上、勝ったとき。

17.運動 スポーツの大会に参加し、優勝したとき。

18.結婚 自分の結婚式に友人が集まり、祝福してくれたとき。

19.記念日 誕生日に親しい異性が思いがけず素敵なプレゼントをくれたとき。

20.豪華食事 気の会う友人と豪勢な料理を食べに行き、お腹いっぱいになったとき。

21.買い物 バーゲンで掘り出し物を見つけて、思いっきり買い物をしたとき。

22.芸能 お気に入りの芸能人のコンサートに行き、前の席で堪能したとき。

23.買い物 憧れの高級店で念願の買い物をし、紙袋を大切に抱えて帰るとき。

24.賛美 同窓会におめかしをしていき、他の人に「きれい」とほめられたとき。

25.親切 電車でお年寄りに席を譲り、とても喜んで貰えたとき。

26.親切 旅行先で地元の人に親切にしてもらったとき。

27.脱衣 帰宅して窮屈な靴や服を脱いだとき

28.洗顔 夜に、顔を洗ってメイクを落としたとき。

29.運動 しっかりと運動した後、シャワーで汗を流したとき。

30.排泄 便秘がちだった後、トイレで用を足して、体が軽くなったとき。


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2011年10月06日

フェニルエチルレゾルシノール その2

おそらく来年にはこの成分を配合した化粧品が多く出てくると思います。

コウジ酸はある企業が完全に特許を抑えているので、使いづらくまた、
低濃度なら問題ないが高濃度だと発がん性があるのなら使いにくくてしょうがないでしょう。
そもそも発がん性物質もしくは疑いのある成分を化粧品に使わないと決めている企業なら対象外の成分です。

ハイドロキノンは毒性が強すぎるし、βアルブチンでは美白力が弱いという問題があります。

ただ、このフェニルエチルレゾルシノールも問題がないわけではなく、高濃度に配合すると刺激があるという点と日光に弱いという問題があります。

このため、たとえば1%などの高濃度で配合することは不可能で、もっと低い濃度で使う必要があります。

レゾルシノール自体はニキビの治療薬として使われるポリフェノール類です。
市販の安いニキビ治療薬に入っていることもあります。
殺菌とピーリング効果によってニキビ治療に使われますが、刺激があります。

フェニルエチルレゾルシノールやルシノールはレゾルシノールの肌への浸透性を上げたものになるため、構造上、刺激が出やすく高濃度では使えません。

ただ、ハイドロキノンより細胞毒性が大幅に低いというのが大きな特徴になります。
ハイドロキノンは毒性が高いため、突然、使用禁止になる可能性もあり、いつまでも使えるような成分は無いと思います。
ハイドロキノンを推奨するメーカーもある一方で、ハイドロキノンを疑問視する技術者は化粧品業界に数多く存在します。
毒性が高い成分をスキンケアに使うのは、抵抗があるためです。
コムギ由来の成分が大きな問題になってしまいましたが、ハイドロキノンも毒性が強いため、問題になる可能性は十分にあります。

shin_chanz at 20:57|PermalinkComments(1)

2011年10月04日

フェニルエチルレゾルシノール

ハイドロキノンの2100倍、コウジ酸の2400倍、アルブチンの8000倍といわれる成分。

試験管内でのメラニンを作るチロシナーゼ酵素の抑制力の比較のため、それがそのまま肌実感できるわけではありません。
ただ、酵素の抑制力が高いことには越したことはありません。

この成分はちなみに完全な自然由来ではなく、合成成分となります。

分類的にはポリフェノールですが、チロシナーゼ酵素の阻害率が一番高いものはどれだろうかと試行錯誤の上に見いだされました。

元は天然に存在するポリフェノールを参考にしています。

天然のポリフェノールというのは、ものすごい種類の数があって、それをひとつひとつ調べていくのは不可能です。

たとえば、天然から抽出するのだったら、ある程度経済的に高くない原料が前提となります。しかも、一度収穫するとしばらく生えてこないのなら、環境的に倫理的にも問題でしょう。
再生可能な原料から抽出されたポリフェノールを調査した上で、この成分が見つかりました。

天然にはチロシナーゼ酵素の阻害率が非常に高いものがあってもすぐに酸化して安定でないものは多く存在します。

また、毒性が強くてもダメで、安全性と毒性とのバランスが必要になります。

ちなみにこの成分はポーラのルシノールの親戚に当たる成分です。
親戚というよりもっと近い兄弟と言ったほうがよいかもしれません。
ルシノールも合成ポリフェノールで、繊維で有名なクラレが作っています。

フェニルエチルレゾルシノールは、クラレやポーラが出願している特許にひっかからないようにうまく作られた美白成分とも言えます。


shin_chanz at 20:29|PermalinkComments(0)

2011年09月25日

レスベラトロール その2

レスベラトロールのサーチュイン遺伝子の活性化ですが、若い肌にはあまり意味ないです。もともと細胞の増殖力が強いし、サーチュインを活性化させておく必要はないでしょう。

対象になるのは、肌細胞が老化して、サーチュイン遺伝子が活性化が弱くなっている場合です。つまり年齢肌にこそ長寿効果が必要となります。

下のグラフはレスベラトロールを添加して、細胞を培養してその効果を見たものです。
老化した細胞は若い肌には勝てませんが、レスベラトロールを添加することで、長寿遺伝子が活性化されていることがわかります。

サーキュイン
(クリックすることで図が大きくなります)


また、他にもki67という細胞を増殖させるタンパク質のシグナルを増加させたり、細胞増殖を働きかけます。

レチノールが作用する細胞タンパク質にも作用するため、レチノールと似たような効果が出ることも確認されています。

恐らくポリフェノールの中でもレチノールと同じような効果がでるものはレスベラトロールぐらいでしょう。これは珍しい効果です。

ところでレスベラトロールが一躍有名になったのは抗がん作用です。
1997年に抗がん効果が発表され、がんのいくつもの段階で効果があることが判明されています。
抗がん剤の代わりにはなりませんが、緑茶のようにがんを減らす効果はあるのかもしれません。
(胃がんについては緑茶を多く飲む九州と静岡で発生率が低いことが確認されています)

アルツハイマーや認知症にも効果があり、長寿効果といい、まさにアンチエイジング素材の代表例でしょう。

shin_chanz at 20:35|PermalinkComments(0)

2011年09月22日

レスベラトロール

レスベラトロールはサーチュイン遺伝子を活性化させるポリフェノール。

赤ワインやブドウの樹液に含まれている成分で、肉をもりもり食べて、油をとりまくるフランス人に心臓疾患が少ないのは、このポリフェノールではないかと考えられています。

健康食品ではおなじみの成分で、アメリカの大手製薬会社も一押しの美容成分です。

2006年のハーバード大学の研究が有名で、肥満マウスに大量のレスベラトロールを投与することで、寿命延長効果が確認されています。

ただ、レスベラトロールの寿命延長効果については、ねずみや試験管内では確認されているものの、人間ではどうなるのかはわかりません。

また、アメリカでは売上げ1位と2位の製薬会社が激しくレスベラトロールの効果について、ハーバード大学やアメリカの国立研究所を巻き込んで論争が起こっています。

なにせ、サーチュイン遺伝子を手軽に活性化させるのなら、それは大変大きな発見。

ちなみにサーチュイン遺伝子というのは、細胞の寿命を短くさせるテロメア遺伝子の短縮を防いだり、DNA自体の保護を行う遺伝子です。
通常は、不活性状態ですが、カロリーを減らした食事で活性化することがわかっています。
ただ、カロリーを減らした食事を続けるのは強靭な意志が必要で、普通の人は失敗することが多いのはご存知のとおり。

だから、肥満状態のねずみの寿命を延ばすことができたというのは、非常に大きな意味があり、楽して長寿を全うできる成分は、製薬会社にとって大変な課題であるため、このレスベラトロールについては、多くの論争が起こっています。

ちなみにこのレスベラトロールは何もブドウでなくても日本ならあちこちに生えているイタドリにも含まれており、健康食品向けレスベラトロール素材として使われることもあります。
イタドリから抽出したほうが安いのですが、ひとつ大きな問題があって、イタドリの根は医薬品扱いのため、化粧品に配合するならともかく、健康食品に使う場合はグレーゾーンとなっています。

そのため、日本では主にはワインやブドウの若芽から抽出したものが使われています。

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2011年09月20日

最近のスリミング成分

小顔というのは、この20年ずーと気になるテーマとして君臨しています。
顔のメイクやヘアメイクなど美容雑誌には様々な情報が載せられていますが、スリミング化粧品も昔から提案されています。

ディオールのスリミング化粧品が有名ですが、有効成分としては昔はカフェインが使われていました。

カフェインはお茶やコーラ、コーヒーに含まれるおなじみの成分。

カフェインが肌の奥にある脂肪細胞に作用する脂肪を燃焼させる効果があるとか。

ただ、最近この傾向が変わってきました。

カフェインより有望な成分が見つかったからです。

それはワインに含まれる成分で、最近話題のレスベラトロール。

脂肪の蓄積を引き起こすフォスフォジエステラーゼ4という酵素を邪魔することで、局部的な脂肪蓄積を防ぎます。
カフェインの15倍の酵素阻害効果があります。

この成分はさっそく、ディオールのスリミング化粧品に採用されています。
小顔のほか、腕や太もものセルライトを予防して、スリミングに効果があるとか。
実際のところ、この成分が本当に効くためには、かなりの深部に到達する必要があり、簡単にはスリミング効果は起きませんが、カフェインやフラーレンといったスリミング効果のある成分と同様の効果が期待できます。

ところで、このレスベラトロールは、現在話題の成分でもあります。
フレンチパラドックスという、肉食で食生活がむちゃくちゃなのに心臓病が少ない理由に赤ワインに含まれるポリフェノールが原因ではないかとされていますが、このポリフェノールがレスベラトロールになります。

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