化学の基礎

2009年09月30日

ところでグリシドールは・・

発がん性物質として騒がれているグリシドールは、さらに形が変わって、合成および天然繊維の改質剤としてよく使われています。

ただ、衣服にグリシドール系成分が残留しているかどうかは今のところ不明。

繊維工業では様々な工程において水をかなり使っていますので、洗い流されて残っていない可能性が大きいです。

面白いのは、食品工業では嫌われるグリシドールやクロロプロパノールですが、
化学産業においては重要な原料であること。

非常に反応性が高いため、様々な化学薬品の原料にもなります。
医薬品中間原料としても使われており、用途は幅広くあります。

ところでバイオディーゼルの製造時に出てくる大量のグリセリンの用途が
問題だったのですが、これの解決として、グリセリンと塩素を反応させ
エピクロロヒドリンという工業的に有用な薬品に転換しています。

エピクロロヒドリンは発がん性のある物質ですが、
反応性が高いため、すぐに他の物質と反応して、他の成分に変化します。

合成樹脂の主原料にもなり、おかげで昔は合成樹脂といえば、
100%石油製品だったのが、今では原料のうち半分が天然系だったりするので、
合成樹脂と言えど半ば天然由来だったりして、なんだか原料起源がよくわからない状態となっています。

食品業界を悩ませるクロロプロパノールを生成する反応を利用して、
様々な薬品を作っていくのが化学者のしたたかなところでしょうか。

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2009年06月05日

原子力で動く車

最近、ハイブリット車が売れているようですが、環境対策の本命は「原子力」や「水力」で動く車。

こう書くと特別な車のような感じですが、いわゆる電気自動車が相当します。

電気自動車のメリットは、ガソリンに依存しないこと。
つまり、電気を使用するため、日本では、電力の約3割が原子力発電ですが、
原子力で得た電気をそのまま車を動かすことに使用できます。

ハイブリット車は環境に優しいという触れ込みですが、
モーターを併用して、ガソリンを効率よく使うための車。
あくまで、燃費の改善しかできず、電気だけで動くわけではありません。

ガソリン車は、低速時の燃費効率が極端に悪く、この部分を電気モーターに
置き換えることで、燃費が向上します。

とくに都市部では、信号でよく止まりますから、燃費が悪いことは皆さん実感しておられることだと思います。

一方、電気自動車は、エネルギーを動力に変える効率は90%近くあって、
非常に燃費がよいのが特徴です。ガソリン車はその効率はせいぜい3割で、
しかも高速時にその効率が良くなるのに対して、電気モーターは低速から高速まで
効率が高いのが特徴です。

電気自動車の面白い特徴は、ブレーキを踏むことで、発電することができ、
その分、走行距離が伸びることです。

それゆえ、ブレーキを踏むことが多い、都市部では走行距離が長くなるという特徴があります。

ただ、こんなに電気自動車は良い点があるのに未だ商業化されていないのは、バッテリーの問題があります。

バッテリー1kgに充電して走れる距離がガソリン1Lから走れる距離に比べて、50〜100分の1程度しかないからです。

つまり、大きなバッテリーを積まないと、長い走行距離を走れないのですが、バッテリーは、とても高いというコスト的な問題があります。しかも、バッテリーは永久に持つわけではなく、途中で多額のコストを支払い交換する必要があります。

ガソリン車に比べて、燃費が1/3の電気自動車の弱点が、バッテリー価格の高さで、結局、総合的なコストを見ると、電気自動車の方が高くなってしまいます。

アメリカで環境対策車として、電気自動車の話題が多くなっているのですが、
その電気自動車はプリウスのようなハイブリット車をベースにバッテリー容量を
大きくしたものです。

バッテリーは、たまにしか行かない遠距離のドライブを想定すると、
大きな容量が必要になりますが、普段の買い物や通勤に使用する程度の短い距離なら
バッテリーは、その距離を賄う程度の小さなものでも十分です。

バッテリーの電池が切れたら、ガソリンで走ればいいやというもので、
電気自動車とガソリン車を兼ね備えたものですが、普段は電気で走るというのが、
アメリカで開発が進んでいるハイブリット電気自動車です。

ガソリンがないと全く走らない日本のハイブリット車とは、ちょっと違います。

しかも、バッテリーに充電する電気は、家庭のコンセントで充電できますから、
太陽光発電の電気を充電すれば、ガソリンを全く使わず、太陽光のみで車を走らせることも可能。

スーパーの駐車スペースで充電できる設備も開発中で、都市部なら、電気のみで走れる時代がやってくるのかもしれません。

アメリカの自動車会社は倒産したり、その危機に瀕していますが、したたかに環境分野での一発逆転を狙っているようです。

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2008年12月29日

原油の値下がり

ガソリン価格がとうとう1L100円を割ってきました。

夏ごろはとんでもない値段だったのに、ここまで変動すると感覚がおかしくなります。
あらゆるものの値段が下がってきていて、工業製品も12月から値段が下がり、
来年の1月と4月にはさらに値段が下がるような見込みがあります。

プラスチックの値段というのは、ややこしくて、数ヶ月前の相場の値段が
現在の値段に跳ね返る仕組みとなっています。

つまり、値上げは遅くて値下げも遅いという感じでしょうか。

新聞にナフサの値段が載っていますが、あの値段によって化学製品の値段も
大きく左右されることになります。

石油製品は今後安くなると思いますが、化粧品の容器では
砂糖を原料にしたポリエチレンなどの容器を採用する動きが
化粧品会社の間で徐々に広まっています。

大手では資生堂がシャンプー容器に採用を決定しています。

10年ほど前、ドイツのウエラが植物原料にしたプラスチックを採用したのが
初めてのケースでしたが、バイオプラスチックが世の中に出始めて
コスト的にも性能も石油系のものに比べても劣らないものが開発されています。

中身を植物系でアピールしても容器が石油からできていては、
完全な植物系とは言えませんが、ようやく中身も外側も植物系ということが
謳えるようになりました。

昔は、砂糖から石油製品と同じものができるなんて、想像もしませんでしたが、
技術の進化は確実に実を結んでいます。

さて、自動車においても来年は電気自動車が話題になりそうですね。
ガソリン車の1/5程度のコストで走れるのは魅力的です。
長い時間走れないので、ドライブには不向きですが、近場の買い物程度なら
十分に使えそうです。

ちなみに企業において電気自動車というのは、20年以上前から使われていました。

14年前会社に入ったときに、電気で動く車が実用化されていたので、
ちょっと衝撃を受けました。電気で動くというのは、まだまだ先の話だと
思っていましたからね。

会社で使うのは、自動車というより、構内作業で使用するリフトなのですが
住宅地に隣接している工場や倉庫では騒音対策で、電気で走るリフトが使われています。

エンジン音がなく、静かなのが良いのですが、昼休みと仕事終わりに充電を
忘れると、動かなくなるという問題点があります。

技術的には昔から可能だった電気自動車もようやく、発売の目処がついたようなので、今後の進歩を楽しみにしています。

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2008年09月08日

地球温暖化対策

二酸化炭素削減に向けて、大手化学会社が二酸化炭素からメタノールを作る実証プラントの着工について報道がありました。

空気中の二酸化炭素を減らすには、植物の力しかないと思いますが、
工場のボイラーから出てくる高濃度二酸化炭素に対しては、
有効な技術だと思います。

二酸化炭素がやっかいなのは、非常に安定性が高いため、
化学反応の原料に使いづらいということ。

反応性が高い一酸化炭素なら、まだ使えますが、二酸化炭素はかなり安定性が高く、
たとえば精油分の抽出などに使えるくらい、他の物質との反応性が乏しいものです。

二酸化炭素抽出のエキスなどは、最近よく出回っています。
石油を使用して抽出するより、設備やランニングコストを考えると
意外と二酸化炭素を利用して抽出するほうが、石油に比べて非常にコスト高という
わけでもないので、小規模な抽出に利用されています。

地球温暖化が話題になるずいぶん昔に、日本人学者が二酸化炭素を
プラスチック原料にできる反応を見つけました。

ただ、反応性が悪いため、コスト高となり、アメリカの企業などが
精力的に研究したものの、実用化がかなり難しいという結論に達しました。

この技術があれば、排出する二酸化炭素をプラスチックに利用できるため、
プラスチックが燃えない限り、二酸化炭素を固定化することが可能です。

しかし、製造するのに石油を使いすぎては意味がなく、結局はほかの低コストのプラスチックを作ったほうがマシということになりました。

たとえば塩ビは、環境ホルモンが疑われて嫌われているプラスチックですが、
石油と海水から作ることができて、プラスチック中に占める海水の割合も多いので、
石油100%のポリエチレンなどに比べると、石油資源にやさしいプラスチックと言われます。

また、基本的に二酸化炭素の排出は自動車燃料から出てくる分が圧倒的なので、
いくら使用済みの食品トレーやPETボトルをリサイクルしても
実質的にはあまり削減効果はありません。
ガソリン1Lあれば、一体何枚ものトレーが作れることやら・・。
(ただ、リサイクルするという気持ちは大切で、この気持ちがないと他の無駄遣いの削減はむずかしいと思います)

今回の技術は一般向けではありませんが、火力発電所や大規模工場などは、
大量の二酸化炭素を排出していますので、少しでもそれが他の有益な化学製品に
置き換えれば、コスト削減につながると注目しています。

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2008年09月04日

光を利用するもの

せっかくなので、光を利用した化粧品以外のものについて見てみましょう。

印刷に使われるインキの中には、蛍光インキがあります。
紫外線や可視光線を吸収して、違う波長の光を放出します。

非常に輝くような鮮やかな色を出すので、電車のつり広告によく使われます。

無色のインクが紫外線を照射すると青紫になるインクも
偽造防止用として商品券に利用されています。

蛍光塗料は色々なところに使われていますが、
洗濯物に青白く発色させる蛍光剤を使用することで、白さが増します。

また、コピー防止にも光の作用をうまく利用しています。

太陽光では、普通に発色するものが、カラーコピー機から出てくる光には
違う色を発色するインキが使われます。

コピー防止なんて、どうやっているのか不思議だったんですが、
特殊なインキと、コピー機の光源が太陽光とは違うことに注目して、
発色を変えるインキを使用しています。

ただ、街頭にあるポスターをみていると、古いものはだんだん青白くなっていきます。

印刷は、黄色、紅色、藍色、黒色の4色で刷っていますが、
このうち、黄色と紅色が退色するために、色が白っぽくなっていきます。

紫外線により顔料の分子が壊されていくためで、鮮やかな色を
維持していかなければいけない選挙ポスターなどは、
印刷物にPETフィルムをコーティングすることで、紫外線や水、酸素など退色の
原因となるものを遮断して、鮮やかさを維持しています。

化粧品に貼るラベルもPETでコーティングしたラベルも多いのですが、
室内に保存するものでも水と顔料が触れると顔料の退色の原因となるため、
PETでコーティングしています。

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2008年02月15日

廃油石鹸 その3

廃油を混ぜた石鹸は、地方の石鹸屋が良く作っていましたが、
大手ではミヨシ石鹸のみだと思います。

ミヨシ石鹸は、水素添加する設備を保有しているので、
たとえば回収した植物油に水素添加し、つまりリノール酸をオレイン酸に変えて
洗浄力や臭気などを改善する技術を持ち合わせています。

普通の石鹸屋は、油脂に苛性ソーダを加えて石鹸を作るだけですので、
それを思えば、ずいぶん技術が進歩した石鹸屋さんでしょうか。

昔は、ミヨシさんの石鹸も廃油を高度利用して、エコマークがついていたのですが、
今はついていないものが店頭に並んでいました。
(もしかしたらエコマークつきの粉石けんがあるのかもしれません)

昔、廃油を集めて、石鹸にして使用するという運動がありましたが、
グループの中には、大手の化学会社に廃油を持ち込んで、
水素添加をして廃油を改質して石鹸に使うということが雑誌に載っていました。

食用で使う油をそのまま石鹸にして使うと、洗浄力が悪くなる為、
水素添加することで、洗浄に適した油に改質するわけです。

ちなみに飲食店で出た廃油を回収するシステムは
日本では結構確立されています。

廃油で一番質の良いものは、飼料向けとなります。
ブロイラーや牛や豚のエサに混ぜ合わせます。

その次のグレードは、油脂を分解して、脂肪酸にして、
さまざまな工業用原料にされます。

バイオディーゼルと称して、廃油とメタノールを反応させて
ディーゼル燃料とする用途もありますが、
廃油の値段が上がりすぎて、期待されるほどは進んでいないようです。

むしろ、今は廃油をそのまま重油に混ぜて、ボイラー燃料にして
燃やしてしまうとか。

石油の値段が安いときには考えられませんでしたが、
重油の値段が今ぐらいなら、廃油を混ぜて燃やすほうが
経済的だそうです。

ちなみに同じようにリサイクルが確立している古紙同様に
中国への廃油の輸出が急増していて、国内では品不足のようです。

廃油から作った脂肪酸は何年か前なら、大手の油脂会社も
取り扱っていて、ある程度精製された脂肪酸を簡単に手に入れて
廃油石鹸を作ることが可能となっていましたが、廃油が輸出や燃料用途に
使われるようになってからは、原料不足となり
精製した廃油脂肪酸もかなり量が減っているようです。

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2008年02月13日

廃油石鹸 その2

石鹸の有機物量、すなわち炭素の量が多いと、その分生産地である
東南アジアに負荷をかけます。

たとえばパーム油1Kgから、石鹸は一人分の洗剤を作れるとすると、
合成洗剤は銘柄にもよりますが、3人〜10人分の原料となります。
(合成洗剤は空気中の酸素をくっつけて作りますので、
 単に洗剤としての使用量が少ないというだけでなく、界面活性剤として
 成り立つ為の有機物量も種類によっては少なくなっていきます)

そのため石鹸は植物原料を多量に使う贅沢な洗剤のため、
価格もその分割高で販売されています。

ただ、20年くらい前でしょうか。

その当時から石鹸業者の中には、油が安いからといって、大量に使用して
石鹸を作るのは、省資源化とは逆行するのではないかという危惧がありました。

そこで登場するのが、廃油石鹸です。
廃油石鹸は、食べ物屋から出てくる廃油を集めて、
それを原料にして作る石鹸です。

ただ、廃油100%で作ると、洗濯物に臭いがつくこともあるので、
廃油を50%程度混ぜて作ります。

当然、一度調理に使った油を使う為、省資源化にも役立つため、
廃油石鹸は、地球にやさしいというエコマークがついています。

ちなみに液体石鹸でもパウチ詰めされているものは、地球にやさしいマークが
ついていますが、あれはあくまで容器に使うプラスチック樹脂の量を
減らせた記念でもらったもので、石鹸自体が環境にやさしいから
エコマークがついているわけではありません。

石鹸からエコマークの適用が決まってから、ずいぶん年月が経ちました。
時代というのは残酷なもので、エコマークをつけた廃油石鹸は
ほとんど姿を消し、変わりにエコマークのない石鹸が売り場を占拠しています。

営業力の違いなんでしょうけど、廃油石鹸をずーと使っていましたので、寂しい限りです。

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2008年02月12日

廃油石鹸 その1

石鹸の水環境へのインパクトについて、政府が検討を行っていると書きました。

ただ、石鹸の中でも廃油から作った石鹸については、
環境にやさしいとされています。

これは水環境からの視点でなく、地球資源保護から見たものです。

石鹸と合成洗剤の違いは、色々ありますが、
使用量から言うと、合成洗剤は多くても石鹸の1/3、
少ないものなら1/10程度の有機物の量となります。

これは何故かというと、石鹸は水に溶けてイオン化し、
石鹸同士が集まって1つの集団を作り、この集団が油を溶かす役割を
行うのですが、この集団を作るときの石鹸の場合は、多く必要となるからです。

合成界面活性剤は、1つの集団を作るのに、石鹸ほどの数を
必要としません。
少ない数で油を溶かせる集団を作れるのは、水に溶けたときに
イオン化しなかったり、イオン化しても石鹸ほど、お互いが
反発しあわないためです。

要するに石鹸分子が水に溶けると、隣の石鹸分子とは仲が良くなく、
少ない人数で1つの集団を作ることができません。
大人数でみんな群れたがるような感じでしょうか。

逆に合成界面活性剤というのは、少人数で1つのグループを作ります。

そのため、石鹸を人に例えると、石鹸分子が100人集まって
やっと1つのグループにまとまったかと思えば、
合成界面活性剤は、10人ずつ集まって、10個のグループを作ります。

石鹸の1グループが、合成界面活性剤10個分のグループの働きを
すれば、当然、石鹸の使用量は、合成洗剤と同じかもしくは
少なくて済むのですが、スーパーで販売されている合成洗剤と
石鹸の有機物量を見比べる限り、そういうことは期待できません。

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2008年02月10日

環境汚染物質に石鹸が指定されるかも? その3

石鹸が有害物質に指定されるかどうかは下のリンクにいけば、
資料が掲載されています。

この資料の公開前に、ラウリン酸ナトリウムやミリスチン酸ナトリウムも
候補に入っていましたが、そちらは除外されたようです。
http://www.meti.go.jp/committee/materials/g80125aj.html

「合成洗剤はPRTRで指定されているから、ダメ」、
「PRTRで指定された物質は使っておりません」

そのような売り方をしている企業で、石鹸を現時点で販売しているのなら、
かなり混乱が起こりそうですね。

そうそう、40年前、合成洗剤をねずみに塗ると奇形児が生まれたと
発表した三重大学の先生がいました。

マスコミでも取り上げられて、かなりセンセーショナルに報道されたようです。

ところが他の大学や研究機関が同じ実験を行っても、
そのようなことは起こらず、三重大の先生だけのねずみが奇形児を産んだり、
死んだりしていました。

その結果に疑義が生じたので、関西圏の大学の先生が集まって
三重大学の先生と合同で試験すると、奇形児は生まれません。

元気にねずみは育ちました。

ところが、そのあと、三重大の先生が単独で実験を行うと
やっぱりねずみに奇形児が・・・・(^^;;

石鹸派市民団体の本には、あのときの共同実験で催奇性を
再現できなかったのは、陰謀だったと馬鹿なことを書いていますが
おそらく石鹸がPRTR法で指定されたら、
合成洗剤を作る企業の陰謀だと宣伝するのではないかと思います。

それ以外に、環境に良いと思って使ってきた人からの
突き上げをかわす方法はないでしょう。

ちなみに現代では自分で行った実験の結果が、他の研究機関で再現できなければ、
捏造野郎として、学会から放逐される時代です。

ここ何年かでも東大、阪大、早稲田大といった大学でも
実験データの捏造が発覚して、有能と思われた教授が大学を去っています。

ただし、前出の三重大の先生は、すさまじい権力者でした。批判を撥ねつけ、
学長にまでなっています。時代の違いなんでしょうか。
(正直、あんな人物に給料として何億円も税金から支払われたと思うと
 残念でなりませんが。)

ところで実際のところPRTRに指定されたら、石鹸はどうかというと
大抵下水処理場で分解されるので、水生生物への影響を危惧する
必要はないと思います。

また、今回は企業連合軍がパワーゲームに勝って、石鹸の指定を回避しても
環境保護派が力を持ったとき、何年か先に指定される可能性は高いかもしれません。

我が家でも石鹸を使っているだけに「悲しいお知らせ」なんですが・・(^^;;

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2008年02月09日

環境汚染物質に石鹸が指定されるかも? その2

びっくりされる方が中にはおられるかもしれませんが、
環境省から、ステアリン酸ナトリウムやオレイン酸ナトリウムの毒性が
水生生物に対して強いことが報告され、それで有害物質として指定される
可能性が高まったのです。(環境省は様々な化学物質の毒性を調査しています)

ただし、現時点では指定されない可能性もあります。

国の環境を憂う環境保護派は石鹸の指定は当然のことなのですが、
大手化学会社や化粧品メーカー、石鹸会社にとっては、大変良くない事態です。

とくに石鹸会社は自己に都合の良いことばかり言いすぎていますので、
有害化学物質の指定など絶対に許されないことでしょう。

さて、実際に有害物質へ指定されるかどうかは、パワーゲームの結果となります。

環境保護派が勝てば、有害物質として指定されますし、企業連合軍が勝てば、
指定はありません。

企業連合軍が勝てば、石鹸屋や化粧品屋はほっとしますが、
水生生物への毒性が消えるわけではないし、それが真の環境保護から見た場合、
「有益」なのかどうかはわかりません。

ちなみに石鹸が環境有害化学物質に指定されると聞いて、
怒りがこみ上げてきた方は、たぶん石鹸屋にとって都合の良い情報しか
耳に入らなかったということでしょうね。


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