ミネラルファンデーション(MMU)
2008年10月12日
MMUの開発を行いました その2
以前にいくつかのメーカーのMMUの電子顕微鏡写真を見ていただきました。
ただ、大手のMMUの写真と他のメーカーのMMUの見比べると、
大変興味深い点に気づかれるかと思います。
天然を謳い文句にしているメーカーのものをいくつも集めたつもりですが、大手のMMUと粒子の極端な違いがないのです。
天然鉱物を切り出して、ファンデーションを作るなら、粒子の大きさなど、結構ばらつきがあるはず。それがなぜか、大きな粒子と小さな粒子に分かれていて、
大きな粒子は、大きさにばらつきがありますが、小さな粒子は、どれもだいたい0.0002〜0.0003ミリくらいの均等な大きさ。
この大きさには意味があり、光を最大限に跳ね返し、ファンデーションに色を付ける顔料としては最も効果的なサイズ。
粒子の形も揃っていて、大きさも10万分の1〜1万分の1ミリ単位で制御され、これはまるで・・・・(^^;;
まあ、天然ミネラルを1万分の1ミリ単位で削って、大きさも均一にする工作機械を使用していると言われたら、返す言葉もありませんが、現実的には、重金属の少ない精製ミネラルを使用しているということでしょう。
電子顕微鏡写真というのは、結構、色々なことがわかります(笑)
さて、酸化チタン自体の主な用途は顔料で、ペンキやインキ、紙などに使われています。
それも化粧品に使われるルチル型がよく使用され、ペンキやインキに使われる酸化チタンですら、活性酸素を対策を行っているコーティングタイプを使用しています。
これは、酸化チタンの分散をよくさせるという意味合いも強いですが、日光に当たって、活性酸素が出てしまうと、漂白剤のような働きとなり、他の色を退色させる原因にもなるからです。もちろん酸化チタン自体も無傷なままではなく、白から黒ずんでいきます。
日本では、町に張っているポスターや折込チラシですら、コーティングタイプの酸化チタンを使用しているのに・・。
まあ、たとえルチル型を使用していても日光を直接顔を当てるよりはマシなので、アメリカではルチル型を使っていれば、大丈夫、大丈夫という感じなんでしょうか。
日本企業が重箱の隅をつつくような細かいところに執着しすぎというだけなら、よいのですが。
ただ、自然派化粧品というのは、安全性に少しでも疑念がある成分は使わないというのが、誕生のきっかけだと思いますので、どうもピュア酸化チタンの使用には釈然としないものがあります。
ちなみにピュア酸化チタンを使用しているかどうかは、全成分表示をみればわかります。酸化チタンや酸化亜鉛をコーティングしている場合は、そのコーティング剤が表示されるからです。コーティング剤を使用すると、肌に触れるのは、中身の酸化チタンではなく、外側のコーティング剤の方なので、その化粧品で肌にアレルギーを起こすかどうか判断するには、コーティング剤の成分が表示が必要となります。
(化粧品全成分表示制度の基本です)
肌に安全なコーティング剤というのは、決まっていて、シリコーンオイルやステアリン酸Alなどの金属石鹸、アルミナや水酸化Al、シリカなどのミネラル系コーティング剤くらいしかありません。
酸化チタンをコーティングすることで、肺に入っても、ピュア酸化チタンは炎症を起こすが、コーティングタイプは炎症を起こさないなどの報告もあり、肌に塗っても間違って吸い込んでも安全性が確実に高くなっています。
ただ、大手のMMUの写真と他のメーカーのMMUの見比べると、
大変興味深い点に気づかれるかと思います。
天然を謳い文句にしているメーカーのものをいくつも集めたつもりですが、大手のMMUと粒子の極端な違いがないのです。
天然鉱物を切り出して、ファンデーションを作るなら、粒子の大きさなど、結構ばらつきがあるはず。それがなぜか、大きな粒子と小さな粒子に分かれていて、
大きな粒子は、大きさにばらつきがありますが、小さな粒子は、どれもだいたい0.0002〜0.0003ミリくらいの均等な大きさ。
この大きさには意味があり、光を最大限に跳ね返し、ファンデーションに色を付ける顔料としては最も効果的なサイズ。
粒子の形も揃っていて、大きさも10万分の1〜1万分の1ミリ単位で制御され、これはまるで・・・・(^^;;
まあ、天然ミネラルを1万分の1ミリ単位で削って、大きさも均一にする工作機械を使用していると言われたら、返す言葉もありませんが、現実的には、重金属の少ない精製ミネラルを使用しているということでしょう。
電子顕微鏡写真というのは、結構、色々なことがわかります(笑)
さて、酸化チタン自体の主な用途は顔料で、ペンキやインキ、紙などに使われています。
それも化粧品に使われるルチル型がよく使用され、ペンキやインキに使われる酸化チタンですら、活性酸素を対策を行っているコーティングタイプを使用しています。
これは、酸化チタンの分散をよくさせるという意味合いも強いですが、日光に当たって、活性酸素が出てしまうと、漂白剤のような働きとなり、他の色を退色させる原因にもなるからです。もちろん酸化チタン自体も無傷なままではなく、白から黒ずんでいきます。
日本では、町に張っているポスターや折込チラシですら、コーティングタイプの酸化チタンを使用しているのに・・。
まあ、たとえルチル型を使用していても日光を直接顔を当てるよりはマシなので、アメリカではルチル型を使っていれば、大丈夫、大丈夫という感じなんでしょうか。
日本企業が重箱の隅をつつくような細かいところに執着しすぎというだけなら、よいのですが。
ただ、自然派化粧品というのは、安全性に少しでも疑念がある成分は使わないというのが、誕生のきっかけだと思いますので、どうもピュア酸化チタンの使用には釈然としないものがあります。
ちなみにピュア酸化チタンを使用しているかどうかは、全成分表示をみればわかります。酸化チタンや酸化亜鉛をコーティングしている場合は、そのコーティング剤が表示されるからです。コーティング剤を使用すると、肌に触れるのは、中身の酸化チタンではなく、外側のコーティング剤の方なので、その化粧品で肌にアレルギーを起こすかどうか判断するには、コーティング剤の成分が表示が必要となります。
(化粧品全成分表示制度の基本です)
肌に安全なコーティング剤というのは、決まっていて、シリコーンオイルやステアリン酸Alなどの金属石鹸、アルミナや水酸化Al、シリカなどのミネラル系コーティング剤くらいしかありません。
酸化チタンをコーティングすることで、肺に入っても、ピュア酸化チタンは炎症を起こすが、コーティングタイプは炎症を起こさないなどの報告もあり、肌に塗っても間違って吸い込んでも安全性が確実に高くなっています。
shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(6)│
2008年10月10日
MMUの開発を行いました その1
ミネラルファンデーションの開発を行いました。
メルマガの反響により要望が多かったのと、いくつかのMMUメーカーさんから「安全性」やら「天然」について意見を頂きましたので、こちらとしてもMMUについて模索を行いたいと思いました。
他のミネラルファンデーションとの違いは、酸化チタンにこだわったところ。
日本の化粧品会社や原料会社による化粧品文化は、いかに酸化チタンの安全性を向上させるかに競争しているのが、大きな特徴だと思います。
アメリカの自然派化粧品メーカーにはない発想です。
どういうことかというと、アメリカの自然派化粧品メーカーは、
ミネラルファンデーションに使用する酸化チタンはピュア酸化チタンを使用します。
これは、天然ミネラルを謳い文句にするためには、必要な処置でしょう。
しかし、日本では、ピュア酸化チタンというのは、肌に悪く、如何に改善するかが焦点となっています。
たとえば、最近発表された某ブランドのファンデーションでは、酸化チタンの安全性を向上させるため、リン脂質でコーティングしたことを特徴としています。
ピュアな酸化チタンでは、肌の具合が悪くなっていくというデータが示されていますが、まさにこのピュア酸化チタンはミネラルファンデーションに使用されている酸化チタンそのもの。
tp://www.kose.co.jp/jp/ja/ir/index.html
(ニュースリリースに掲載されています)
日本には化粧品開発者向けの雑誌がいくつかありますが、そこにも10年以上前からピュア酸化チタンの問題点を指摘する論文等が掲載されています。
たとえば、ピュア酸化チタンとコーティング酸化チタンでパウダーファンデーションをつくり、ねずみの皮膚に塗って、紫外線を当てるとピュア酸化チタンの方は肌が壊れたとか、また、酸化チタンの原料メーカーの論文では、ピュア酸化チタンとコーティング酸化チタンを油に分散して、ねずみの皮膚に塗り、紫外線を当てると、ピュア酸化チタンの方は、皮膚の細胞が細胞死を起こす割合が多かったとか、他にも培養細胞系で、ピュア酸化チタンは細胞死を誘導させる割合が高いとか・・・。
化粧品原料で、開発者向けの雑誌で、この成分は危ないからどう使いこなすべきかと取り上げられる原料は、界面活性剤か酸化チタンぐらいなものだと思います。
ちなみに酸化チタンの何がいけないかというと、日光に当たると活性酸素を発生させる点です。
酸化チタンは、活性酸素の発生量が多いアナターゼ型と顔料として使われるルチル型の2種類があり、化粧品に使われるのは主にルチル型となります。
ルチル型はかなり活性酸素の発生量が少ないのですが、全く無いわけではありません。そのため、酸化チタンの表面にシリコーンオイルやシリカ、アルミなどをコーティングして活性酸素の発生を防ぐわけです。
約半世紀前に、酸化チタンを使用したペンキを樹脂の表面に塗ったら、樹脂がボロボロになったことから、この酸化チタンの活性酸素発生のメカニズムがわかりました。
ちなみに、大学で化学を専攻したら、酸化チタンや酸化亜鉛が紫外線を吸収することによって、活性酸素を発生させる光触媒効果などについて学ぶことがあるかと思います。
当然、学生の頃に酸化チタンが紫外線に当たると、紫外線を吸収する一方、活性酸素を発生させると学んでいますので、化粧品会社に入ったら、どうやって酸化チタンを安全に使いこなすかということについて興味を持つのは、自然な成り行きでしょう。
ただ、ピュアな酸化チタンを使用しているかといっても、ルチル型なら日光を直接肌に当てるよりは安全だと思います。ピュア酸化チタン系のミネラルファンデーションを使用しても何もせず日光に当たる男性よりは、肌は守られています。
しかし、それでも酸化チタン自体の安全性を「より高める」ために研究するのが、日本企業の文化。普通は中小メーカーが大手の化粧品は危険だと宣伝するのが常なのに、酸化チタンに限っては逆となっています。
つまり、自然派化粧品メーカーが使用しているピュア酸化チタンが危険だと大手メーカーが宣伝したり、また、動物実験やら培養細胞等のデータも化粧品の論文誌にいくつも掲載され、ピュアな酸化チタンを取り巻く状況は、日本ではあまりよいとはいえません。
メルマガの反響により要望が多かったのと、いくつかのMMUメーカーさんから「安全性」やら「天然」について意見を頂きましたので、こちらとしてもMMUについて模索を行いたいと思いました。
他のミネラルファンデーションとの違いは、酸化チタンにこだわったところ。
日本の化粧品会社や原料会社による化粧品文化は、いかに酸化チタンの安全性を向上させるかに競争しているのが、大きな特徴だと思います。
アメリカの自然派化粧品メーカーにはない発想です。
どういうことかというと、アメリカの自然派化粧品メーカーは、
ミネラルファンデーションに使用する酸化チタンはピュア酸化チタンを使用します。
これは、天然ミネラルを謳い文句にするためには、必要な処置でしょう。
しかし、日本では、ピュア酸化チタンというのは、肌に悪く、如何に改善するかが焦点となっています。
たとえば、最近発表された某ブランドのファンデーションでは、酸化チタンの安全性を向上させるため、リン脂質でコーティングしたことを特徴としています。
ピュアな酸化チタンでは、肌の具合が悪くなっていくというデータが示されていますが、まさにこのピュア酸化チタンはミネラルファンデーションに使用されている酸化チタンそのもの。
tp://www.kose.co.jp/jp/ja/ir/index.html
(ニュースリリースに掲載されています)
日本には化粧品開発者向けの雑誌がいくつかありますが、そこにも10年以上前からピュア酸化チタンの問題点を指摘する論文等が掲載されています。
たとえば、ピュア酸化チタンとコーティング酸化チタンでパウダーファンデーションをつくり、ねずみの皮膚に塗って、紫外線を当てるとピュア酸化チタンの方は肌が壊れたとか、また、酸化チタンの原料メーカーの論文では、ピュア酸化チタンとコーティング酸化チタンを油に分散して、ねずみの皮膚に塗り、紫外線を当てると、ピュア酸化チタンの方は、皮膚の細胞が細胞死を起こす割合が多かったとか、他にも培養細胞系で、ピュア酸化チタンは細胞死を誘導させる割合が高いとか・・・。
化粧品原料で、開発者向けの雑誌で、この成分は危ないからどう使いこなすべきかと取り上げられる原料は、界面活性剤か酸化チタンぐらいなものだと思います。
ちなみに酸化チタンの何がいけないかというと、日光に当たると活性酸素を発生させる点です。
酸化チタンは、活性酸素の発生量が多いアナターゼ型と顔料として使われるルチル型の2種類があり、化粧品に使われるのは主にルチル型となります。
ルチル型はかなり活性酸素の発生量が少ないのですが、全く無いわけではありません。そのため、酸化チタンの表面にシリコーンオイルやシリカ、アルミなどをコーティングして活性酸素の発生を防ぐわけです。
約半世紀前に、酸化チタンを使用したペンキを樹脂の表面に塗ったら、樹脂がボロボロになったことから、この酸化チタンの活性酸素発生のメカニズムがわかりました。
ちなみに、大学で化学を専攻したら、酸化チタンや酸化亜鉛が紫外線を吸収することによって、活性酸素を発生させる光触媒効果などについて学ぶことがあるかと思います。
当然、学生の頃に酸化チタンが紫外線に当たると、紫外線を吸収する一方、活性酸素を発生させると学んでいますので、化粧品会社に入ったら、どうやって酸化チタンを安全に使いこなすかということについて興味を持つのは、自然な成り行きでしょう。
ただ、ピュアな酸化チタンを使用しているかといっても、ルチル型なら日光を直接肌に当てるよりは安全だと思います。ピュア酸化チタン系のミネラルファンデーションを使用しても何もせず日光に当たる男性よりは、肌は守られています。
しかし、それでも酸化チタン自体の安全性を「より高める」ために研究するのが、日本企業の文化。普通は中小メーカーが大手の化粧品は危険だと宣伝するのが常なのに、酸化チタンに限っては逆となっています。
つまり、自然派化粧品メーカーが使用しているピュア酸化チタンが危険だと大手メーカーが宣伝したり、また、動物実験やら培養細胞等のデータも化粧品の論文誌にいくつも掲載され、ピュアな酸化チタンを取り巻く状況は、日本ではあまりよいとはいえません。
shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(10)│
2008年10月09日
MMUの吸引と酸化亜鉛 その2
MMUには、オキシ塩化ビスマス、タルク、マイカなどが主に使われますが、いずれも20ミクロン以上の巨大な粒子です。基本的には、健康であるなら、肺に入りません。
酸化鉄、酸化チタンにしても、電子顕微鏡で見ると、いくつもの粒子が集まって、大きな粒子となっていました。
当初は、MMUの吸引を懸念していましたが、ナノ粒子を使っていない限り、肺には入ることが無いかと思います。
なお、酸化亜鉛による金属ヒューム熱が起こる職業というのは、造船所が典型例で、
亜鉛精錬、亜鉛メッキ作業、亜鉛メッキされた金属の溶接、切断作業があります。
酸化亜鉛を吸っても安全な量というのは、空気1m3当たり、0.005gとなり、微粒子酸化亜鉛を吸うときにのみ金属ヒューム熱が発生します。
発症は、急性型で暴露4〜8時間で、口の中が乾いたり、口の中で金属味が突然出現し、その後悪寒、発熱、筋肉痛、頭痛、倦怠感などが出現します。
これらの症状は24時間〜36時間後に自然と消滅します。
数日も暴露すると、体は耐性をもってきます。
月曜日に発熱することが多いことから、月曜熱とも呼ばれます。
参考文献:臨床医からみた産業中毒例、亜鉛ヒューム熱、産業医学ジャーナル、12、4、35−38、1989
ちなみに酸化鉄や酸化チタンなどは、金属ヒューム熱の原因にはなりません。
化粧品に使われる原料では、酸化亜鉛のみが金属ヒューム熱の原因となります。
また、酸化亜鉛の金属ヒューム熱は、体はすぐに耐性を持つという特徴があり、
何日も酸化亜鉛の微粉末を吸っても、金属ヒューム熱の症状がでるのは、初日程度となります。
なお、よほど吸い込まない限り、MMUの酸化亜鉛で、金属ヒューム熱を発症することはないでしょう。
酸化鉄、酸化チタンにしても、電子顕微鏡で見ると、いくつもの粒子が集まって、大きな粒子となっていました。
当初は、MMUの吸引を懸念していましたが、ナノ粒子を使っていない限り、肺には入ることが無いかと思います。
なお、酸化亜鉛による金属ヒューム熱が起こる職業というのは、造船所が典型例で、
亜鉛精錬、亜鉛メッキ作業、亜鉛メッキされた金属の溶接、切断作業があります。
酸化亜鉛を吸っても安全な量というのは、空気1m3当たり、0.005gとなり、微粒子酸化亜鉛を吸うときにのみ金属ヒューム熱が発生します。
発症は、急性型で暴露4〜8時間で、口の中が乾いたり、口の中で金属味が突然出現し、その後悪寒、発熱、筋肉痛、頭痛、倦怠感などが出現します。
これらの症状は24時間〜36時間後に自然と消滅します。
数日も暴露すると、体は耐性をもってきます。
月曜日に発熱することが多いことから、月曜熱とも呼ばれます。
参考文献:臨床医からみた産業中毒例、亜鉛ヒューム熱、産業医学ジャーナル、12、4、35−38、1989
ちなみに酸化鉄や酸化チタンなどは、金属ヒューム熱の原因にはなりません。
化粧品に使われる原料では、酸化亜鉛のみが金属ヒューム熱の原因となります。
また、酸化亜鉛の金属ヒューム熱は、体はすぐに耐性を持つという特徴があり、
何日も酸化亜鉛の微粉末を吸っても、金属ヒューム熱の症状がでるのは、初日程度となります。
なお、よほど吸い込まない限り、MMUの酸化亜鉛で、金属ヒューム熱を発症することはないでしょう。
shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(3)│
2008年10月08日
MMUの吸引と酸化亜鉛 その1
微粒子を吸引すれば、肺にまで到達するでしょうか?
この問いかけに対する答えは、酸化亜鉛による職業病の調査報告に記載されています。
酸化亜鉛は、消炎効果があり、赤ちゃんのおむつかぶれにも使用されているほど、皮膚病治療薬としての効果があります。
しかしながら、酸化亜鉛の微粒子を吸い込むと、金属ヒューム熱の原因となることが確認されています。
ヒュームとは、溶接などで生じた金属の蒸気が、空気中で冷えて微粒子状になったもの。
亜鉛は、鉄にメッキすることで、鉄がさびるのを遅らせる効果があります。
そのため、工場や家、様々な建築現場で使われ、亜鉛をメッキした鉄板を切断したりする際に、亜鉛が蒸発し、微粒子となって空気中に撒き散らされます。
この微粒子を吸い込むと、肺にまで達し、発熱や吐き気、悪寒などを引き起こします。
ただし、微粒子のサイズによって、どこまで侵入していくかは大きく変わり、
5μ以上のものは、鼻やせいぜい喉にしか沈着しません。
鼻についたものは、そのまま排出されるか、また、喉に入ったものは、
飲み込んでしまうだけで、肺には入りません。
さらに2−5μのサイズだと、気管支部の粘膜上で捕捉されますが、
粘膜の生理的作用や繊毛運動によって、上の方に運ばれ、結局飲み込むことになります。
気管の繊毛運動は、空気には塵や砂、さまざま微粒子、細菌等が混ざっていますので、それらの異物を吸ったときに除去する作用のことです。
つまり、気管の下に異物が引っかかったなら、繊毛運動によって異物を上に押し上げ、気管から取り除いていきます。無菌環境を保つくらいのレベルですので、
たいていの異物は肺に簡単には入りません。
問題は、ナノ粒子です。鼻の中や喉、気管支の壁などに付着せずに
肺にまで入っていくと、肺胞に付着し、金属ヒューム熱の原因となります。
1mmの10万分の1以下の小さな粒子ですので、労働環境によっては、
激しく息を吸っているときもあり、あっという間に肺へ到達してしまうわけです。
参考文献:溶融亜鉛メッキ その健康への影響 鉛と亜鉛、38、3、21、2001
この問いかけに対する答えは、酸化亜鉛による職業病の調査報告に記載されています。
酸化亜鉛は、消炎効果があり、赤ちゃんのおむつかぶれにも使用されているほど、皮膚病治療薬としての効果があります。
しかしながら、酸化亜鉛の微粒子を吸い込むと、金属ヒューム熱の原因となることが確認されています。
ヒュームとは、溶接などで生じた金属の蒸気が、空気中で冷えて微粒子状になったもの。
亜鉛は、鉄にメッキすることで、鉄がさびるのを遅らせる効果があります。
そのため、工場や家、様々な建築現場で使われ、亜鉛をメッキした鉄板を切断したりする際に、亜鉛が蒸発し、微粒子となって空気中に撒き散らされます。
この微粒子を吸い込むと、肺にまで達し、発熱や吐き気、悪寒などを引き起こします。
ただし、微粒子のサイズによって、どこまで侵入していくかは大きく変わり、
5μ以上のものは、鼻やせいぜい喉にしか沈着しません。
鼻についたものは、そのまま排出されるか、また、喉に入ったものは、
飲み込んでしまうだけで、肺には入りません。
さらに2−5μのサイズだと、気管支部の粘膜上で捕捉されますが、
粘膜の生理的作用や繊毛運動によって、上の方に運ばれ、結局飲み込むことになります。
気管の繊毛運動は、空気には塵や砂、さまざま微粒子、細菌等が混ざっていますので、それらの異物を吸ったときに除去する作用のことです。
つまり、気管の下に異物が引っかかったなら、繊毛運動によって異物を上に押し上げ、気管から取り除いていきます。無菌環境を保つくらいのレベルですので、
たいていの異物は肺に簡単には入りません。
問題は、ナノ粒子です。鼻の中や喉、気管支の壁などに付着せずに
肺にまで入っていくと、肺胞に付着し、金属ヒューム熱の原因となります。
1mmの10万分の1以下の小さな粒子ですので、労働環境によっては、
激しく息を吸っているときもあり、あっという間に肺へ到達してしまうわけです。
参考文献:溶融亜鉛メッキ その健康への影響 鉛と亜鉛、38、3、21、2001
shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(0)│
2008年08月28日
手作りミネラルファンデーションの粒子
手作りファンデーションを作っている方から試料を提供していただきましたので、電子顕微鏡で見てみました。
真珠パウダー、グリーンホワイトマイカ、セリサイト、ゴールドマイカを乳鉢ですりつぶしたものです。
酸化鉄や酸化チタンが入っていないので、カバー力はなく、仕上げのルースパウダータイプですね。
高倍率でも見てみましたが、とくに小さな粒子はありませんでした。
顔料系の成分が入っていなければ微細粒子はほとんどありません。
(画像をクリックすれば大きな画像となります)

こちらはピンクマイカとセリサイトで、乳鉢で潰していない画像です。
粒子が大きいものと小さいものがあります。
どちらが、マイカでセリサイトかというのは、わかりません。
おそらく大きな粒子がセリサイトだと思います。
大きな粒子に小さな粒子がついていますが、こちらは薄片が潰れたものの可能性があります。硬い金属片なら簡単には壊れませんが、タルクやマイカ、セリサイトのような粘土粒子なら、強い力で薄片が割れていくこともしばしばあります。

こちらは倍率を上げて大きな粒子の表面を見たものです。
大きな粒子の上にちがう種類の小さな粒子が乗っかっていますが、
大きな粒子の表面も少し割れて、小さな粒子が出来ているのがわかります。
マイカやセリサイトのような粘土粒子は1枚の大きな粒子ですが、ただ、金属片ほど硬くないので、あまり大きな力がかかると粘土の薄片が壊れて、微細な粒子になることもあります。

こちらはセリサイトにマイカ、シルクパウダー、真珠パウダー、無水ケイ酸パウダー、微粒子酸化チタンと酸化亜鉛、酸化鉄を使用したものです。
玉が入っていますが、おそらく無水ケイ酸だと思います。
皮脂を吸って、皮脂をコントロールする効果があります。皮脂が多く出る方にはよいですが、皮脂が少ない方は配合しないか、配合しても少量の方がよいでしょう。
微粒子酸化チタンと酸化亜鉛を配合しているとのことでしたが、倍率を上げてもわかりませんでした。配合量が少なくて、たまたま視野に入ってこなかったのか、微粒子酸化チタンといえど、粒子が大きくて、他の配合物と区別がつかなかったのかもしれません。

真珠パウダー、グリーンホワイトマイカ、セリサイト、ゴールドマイカを乳鉢ですりつぶしたものです。
酸化鉄や酸化チタンが入っていないので、カバー力はなく、仕上げのルースパウダータイプですね。
高倍率でも見てみましたが、とくに小さな粒子はありませんでした。
顔料系の成分が入っていなければ微細粒子はほとんどありません。
(画像をクリックすれば大きな画像となります)

こちらはピンクマイカとセリサイトで、乳鉢で潰していない画像です。
粒子が大きいものと小さいものがあります。
どちらが、マイカでセリサイトかというのは、わかりません。
おそらく大きな粒子がセリサイトだと思います。
大きな粒子に小さな粒子がついていますが、こちらは薄片が潰れたものの可能性があります。硬い金属片なら簡単には壊れませんが、タルクやマイカ、セリサイトのような粘土粒子なら、強い力で薄片が割れていくこともしばしばあります。

こちらは倍率を上げて大きな粒子の表面を見たものです。
大きな粒子の上にちがう種類の小さな粒子が乗っかっていますが、
大きな粒子の表面も少し割れて、小さな粒子が出来ているのがわかります。
マイカやセリサイトのような粘土粒子は1枚の大きな粒子ですが、ただ、金属片ほど硬くないので、あまり大きな力がかかると粘土の薄片が壊れて、微細な粒子になることもあります。

こちらはセリサイトにマイカ、シルクパウダー、真珠パウダー、無水ケイ酸パウダー、微粒子酸化チタンと酸化亜鉛、酸化鉄を使用したものです。
玉が入っていますが、おそらく無水ケイ酸だと思います。
皮脂を吸って、皮脂をコントロールする効果があります。皮脂が多く出る方にはよいですが、皮脂が少ない方は配合しないか、配合しても少量の方がよいでしょう。
微粒子酸化チタンと酸化亜鉛を配合しているとのことでしたが、倍率を上げてもわかりませんでした。配合量が少なくて、たまたま視野に入ってこなかったのか、微粒子酸化チタンといえど、粒子が大きくて、他の配合物と区別がつかなかったのかもしれません。

shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(0)│
2008年08月26日
微粒子酸化チタンの分散
酸化チタンを混ぜれば、日焼け止めができますが、ただ完全なものを作るのは難しいです。
それは、紫外線の大きさと、紫外線を反射する酸化チタンの大きさ、そして酸化チタン同士を隙間なく並べるという3つの要因を考えると、最後の酸化チタン同士を隙間なく並べるというところで大きな壁が存在しています。
たとえば、市販の日焼け止めで問題になるのが、化粧品中でうまく、酸化チタン同士をくっつかずに並べたとしても、塗るときに酸化チタン同士がくっついて、日焼け止め効果が落ちてしまうということでした。
日焼け止め効果が落ちるだけでなく、酸化チタン同士がくっつくと、キシミ感につながるため、これをうまく防止する工夫が求められます。
一般的に日焼け止めに使う酸化チタンは微粒子酸化チタンを使用します。
なぜかというと、微粒子酸化チタンは、可視光線はほとんど跳ね返さないため、
酸化チタン同士をくっつかせずにうまく分散することができたら、それほど白くならずに日焼け止めをつくることができるからです。
逆に微粒子タイプでないものは、紫外線を跳ね返すより、可視光線を跳ね返すことに主眼を置かれていますから、真っ白となります。
ペンキの白は酸化チタンをポリマーで分散させたものですが、これほど白いものを肌に塗ると、当然肌も白くなりすぎてしまうという問題が生じます。
舞妓さんになるつもりでしたら、良いのですが、肌の上に白い顔料を隙間なく並べると肌の質感が損なわれてしまいます。
それは、肌の質感というのは、あくまで、可視光線が肌に到達して、反射した光が肌の質感を印象付けるのですが、酸化チタンが肌の上にあると、大きな粒子の酸化チタンはほとんどの光を跳ね返してしまうため、酸化チタンの不自然な白さがでてしまいます。
それが特に出るのが、写真のフラッシュで、たくさんの光を一気に当てると、酸化チタンが反射してしまうので、「白浮き」といった自体となります。
ただ、微粒子酸化チタンは、お互いがくっつこうという力がとても強く、
バラバラに分散させるのは、結構大変です。
また、うまく分散させても、時間経過と共に、またくっついて大きな粒子となってしまうことも多々あります。
普通のミキサーでは分散しにくいので、石臼のような大きなミルで酸化チタンをすり潰して、粒子同士をバラバラにしてオイルに分散させていきます。
大メーカーならともかく、通常は分散させる機械を化粧品メーカーはもっていないので、原料メーカーから酸化チタンの分散液を購入して、日焼け止めやファンデーション作りに使用しています。
手作りにおいても粉を上手に分散させるのは、結構労力が必要で、むずかしいと考えています。
それは、紫外線の大きさと、紫外線を反射する酸化チタンの大きさ、そして酸化チタン同士を隙間なく並べるという3つの要因を考えると、最後の酸化チタン同士を隙間なく並べるというところで大きな壁が存在しています。
たとえば、市販の日焼け止めで問題になるのが、化粧品中でうまく、酸化チタン同士をくっつかずに並べたとしても、塗るときに酸化チタン同士がくっついて、日焼け止め効果が落ちてしまうということでした。
日焼け止め効果が落ちるだけでなく、酸化チタン同士がくっつくと、キシミ感につながるため、これをうまく防止する工夫が求められます。
一般的に日焼け止めに使う酸化チタンは微粒子酸化チタンを使用します。
なぜかというと、微粒子酸化チタンは、可視光線はほとんど跳ね返さないため、
酸化チタン同士をくっつかせずにうまく分散することができたら、それほど白くならずに日焼け止めをつくることができるからです。
逆に微粒子タイプでないものは、紫外線を跳ね返すより、可視光線を跳ね返すことに主眼を置かれていますから、真っ白となります。
ペンキの白は酸化チタンをポリマーで分散させたものですが、これほど白いものを肌に塗ると、当然肌も白くなりすぎてしまうという問題が生じます。
舞妓さんになるつもりでしたら、良いのですが、肌の上に白い顔料を隙間なく並べると肌の質感が損なわれてしまいます。
それは、肌の質感というのは、あくまで、可視光線が肌に到達して、反射した光が肌の質感を印象付けるのですが、酸化チタンが肌の上にあると、大きな粒子の酸化チタンはほとんどの光を跳ね返してしまうため、酸化チタンの不自然な白さがでてしまいます。
それが特に出るのが、写真のフラッシュで、たくさんの光を一気に当てると、酸化チタンが反射してしまうので、「白浮き」といった自体となります。
ただ、微粒子酸化チタンは、お互いがくっつこうという力がとても強く、
バラバラに分散させるのは、結構大変です。
また、うまく分散させても、時間経過と共に、またくっついて大きな粒子となってしまうことも多々あります。
普通のミキサーでは分散しにくいので、石臼のような大きなミルで酸化チタンをすり潰して、粒子同士をバラバラにしてオイルに分散させていきます。
大メーカーならともかく、通常は分散させる機械を化粧品メーカーはもっていないので、原料メーカーから酸化チタンの分散液を購入して、日焼け止めやファンデーション作りに使用しています。
手作りにおいても粉を上手に分散させるのは、結構労力が必要で、むずかしいと考えています。
shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(7)│
2008年08月25日
微粒子酸化チタンの電子顕微鏡写真
微粒子酸化チタンの電子顕微鏡写真です。
今までMMUの酸化チタンの粒子を電子顕微鏡写真で見ていただきましたが、
非常に細かいのがわかります。
大きなマイカの粒子に、小さな微粒子酸化チタンがついています。
これは手作りファンデーションですが、ネットの販売店から購入した
微粒子酸化チタンをセリサイト、マイカに分散させたものです。
分散には乳鉢を使用されたとのこと。
マイカかセリサイトのどちらの粒子かわかりませんが、
この粘土の薄片に微粒子酸化チタンと酸化鉄の粒子がついているのがわかります。
すごく小さな粒子が微粒子酸化チタン。そしてそれより少し大きく、白くなっているのが、酸化鉄の粒子です。酸化鉄の粒子も細かいですが、微粒子酸化チタンの粒子は、とても小さいです。
乳鉢でゴリゴリすりつぶすと、時間も労力もかかりますが、
うまいこと微粒子酸化チタンを分散させていると思います。
写真、下のバーが1ミクロンの長さを表しています。
ところで忘れてならないのは、紫外線の大きさは0.2〜0.4ミクロンの長さです。
波長によって、長さは変わりますし、肌に当たる角度によっても大きさは変わります。
つまり、紫外線防御を考えると、0.2ミクロンという隙間を酸化チタンや酸化亜鉛、もしくは有機系紫外線吸収剤で埋めないと、隙間から紫外線が肌へ侵入していきます。
有機系紫外線吸収剤というのは、電子顕微鏡では見れないくらいの
とても小さな粒子なので、日焼け止めに溶けていれば、隙間などできませんが、
酸化チタンや酸化亜鉛となると、粒子が大きいため、「塗っているのに日焼けする」
という状態を引き起こすこともあります。
酸化チタンや酸化亜鉛は、あくまで皮膚を覆っている部分のみ紫外線を反射したり
吸収して防御してくれますが、酸化チタンの粒子が塊となっていたり、粒子と粒子の間に隙間があると、そこから紫外線が入っていき、「日焼けする」という状態となります。
(画像をクリックすれば大きくなります。)

今までMMUの酸化チタンの粒子を電子顕微鏡写真で見ていただきましたが、
非常に細かいのがわかります。
大きなマイカの粒子に、小さな微粒子酸化チタンがついています。
これは手作りファンデーションですが、ネットの販売店から購入した
微粒子酸化チタンをセリサイト、マイカに分散させたものです。
分散には乳鉢を使用されたとのこと。
マイカかセリサイトのどちらの粒子かわかりませんが、
この粘土の薄片に微粒子酸化チタンと酸化鉄の粒子がついているのがわかります。
すごく小さな粒子が微粒子酸化チタン。そしてそれより少し大きく、白くなっているのが、酸化鉄の粒子です。酸化鉄の粒子も細かいですが、微粒子酸化チタンの粒子は、とても小さいです。
乳鉢でゴリゴリすりつぶすと、時間も労力もかかりますが、
うまいこと微粒子酸化チタンを分散させていると思います。
写真、下のバーが1ミクロンの長さを表しています。
ところで忘れてならないのは、紫外線の大きさは0.2〜0.4ミクロンの長さです。
波長によって、長さは変わりますし、肌に当たる角度によっても大きさは変わります。
つまり、紫外線防御を考えると、0.2ミクロンという隙間を酸化チタンや酸化亜鉛、もしくは有機系紫外線吸収剤で埋めないと、隙間から紫外線が肌へ侵入していきます。
有機系紫外線吸収剤というのは、電子顕微鏡では見れないくらいの
とても小さな粒子なので、日焼け止めに溶けていれば、隙間などできませんが、
酸化チタンや酸化亜鉛となると、粒子が大きいため、「塗っているのに日焼けする」
という状態を引き起こすこともあります。
酸化チタンや酸化亜鉛は、あくまで皮膚を覆っている部分のみ紫外線を反射したり
吸収して防御してくれますが、酸化チタンの粒子が塊となっていたり、粒子と粒子の間に隙間があると、そこから紫外線が入っていき、「日焼けする」という状態となります。
(画像をクリックすれば大きくなります。)

shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(0)│
2008年07月23日
電子顕微鏡での世界 ルースパウダー その3
さて、MMUをいくつか見ていただきましたが、今度はまたフィッシングパウダーを見てもらいましょう。
このルースパウダーは、大手K社の若い女性に人気なLブランドのものです。
面白いのは、色々なサイズの球が入っていることです。
しわぼかしや毛穴ぼかし、さらには皮脂吸着など、球は色々な効果を発揮するようです。
また、今まで見ていただいた中でも粒度がやたら大きいことに気がついてもらえます。
あまりにも大きいので、300倍、800倍、5000倍でとっています。
顔料はわずかに色をつけるだけ入っていますが、これは5000倍で確認してもらえます。
300倍でみる大きな板状粒子はタルクとマイカです。
念のためですが、タルクやマイカといった粘土は光を反射しません。
ほとんどの光を通しますので、大きな粒子が肌に乗っても
その下にあるシミは全くカバーできません。
シミを隠すことができるのは、あくまで酸化チタンや酸化亜鉛の粒子となります。
中央下のバーが50ミクロンですから、かなり大きなタルクがはいっていることが
わかります。あと、球も色々入っています。
(画像をクリックすれば大きくなります)

こちらは800倍での写真です。
タルクやマイカ、球も色々なサイズが入っています。

こちらは5000倍。
タルクやマイカの表面、球の表面に顔料の酸化チタンや酸化鉄がくっついていることがわかります。
おそらく球の表面にも溝をつけたりして、表面処理をやってそうな感じです。
さらに拡大すればどんな処理を行っているか見えますが、今回はここまで。
(溝をつけると光を乱反射して、毛穴やしわぼかしの効果がでてきます)
あと、顔料が一つ一つばらばらにマイカやタルクについてますが、
これが大手の分散技術です。今までは酸化チタンといっても粒子同士が
くっついているものがほとんどでした。まあ、配合量の違いもありますけど
顔料粒子を一つ一つをばらばらに分散するというのは、結構難しいです。
単にミキサーを回せばよいというものでもなく、顔料を分散させようとして
強くミキサーで混ぜ込むとタルクやマイカの板状粒子が割れて、壊れて
細かくなることもありますから。

ちなみにここに入っている球は主にシリコーンの球を使っています。成分表示では○○クロスポリマーと表示されます。
シリコーンは、油というイメージがありますが、こういった球を配合することで
パフで塗るときに球がコロコロ転がって、非常に塗布感がよくなります。
パッと広がりやすくなるので、大きなタルク粒子を使っていても、「粉が細かく密着する」という印象も与えます。
また、肌の上に光を乱反射してさまざまなぼかし効果が現れます。
メーカーによって、タルクひとつとっても使う粒子の大きさはまるで違い、
実に興味深いものです。
このルースパウダーは、大手K社の若い女性に人気なLブランドのものです。
面白いのは、色々なサイズの球が入っていることです。
しわぼかしや毛穴ぼかし、さらには皮脂吸着など、球は色々な効果を発揮するようです。
また、今まで見ていただいた中でも粒度がやたら大きいことに気がついてもらえます。
あまりにも大きいので、300倍、800倍、5000倍でとっています。
顔料はわずかに色をつけるだけ入っていますが、これは5000倍で確認してもらえます。
300倍でみる大きな板状粒子はタルクとマイカです。
念のためですが、タルクやマイカといった粘土は光を反射しません。
ほとんどの光を通しますので、大きな粒子が肌に乗っても
その下にあるシミは全くカバーできません。
シミを隠すことができるのは、あくまで酸化チタンや酸化亜鉛の粒子となります。
中央下のバーが50ミクロンですから、かなり大きなタルクがはいっていることが
わかります。あと、球も色々入っています。
(画像をクリックすれば大きくなります)

こちらは800倍での写真です。
タルクやマイカ、球も色々なサイズが入っています。

こちらは5000倍。
タルクやマイカの表面、球の表面に顔料の酸化チタンや酸化鉄がくっついていることがわかります。
おそらく球の表面にも溝をつけたりして、表面処理をやってそうな感じです。
さらに拡大すればどんな処理を行っているか見えますが、今回はここまで。
(溝をつけると光を乱反射して、毛穴やしわぼかしの効果がでてきます)
あと、顔料が一つ一つばらばらにマイカやタルクについてますが、
これが大手の分散技術です。今までは酸化チタンといっても粒子同士が
くっついているものがほとんどでした。まあ、配合量の違いもありますけど
顔料粒子を一つ一つをばらばらに分散するというのは、結構難しいです。
単にミキサーを回せばよいというものでもなく、顔料を分散させようとして
強くミキサーで混ぜ込むとタルクやマイカの板状粒子が割れて、壊れて
細かくなることもありますから。

ちなみにここに入っている球は主にシリコーンの球を使っています。成分表示では○○クロスポリマーと表示されます。
シリコーンは、油というイメージがありますが、こういった球を配合することで
パフで塗るときに球がコロコロ転がって、非常に塗布感がよくなります。
パッと広がりやすくなるので、大きなタルク粒子を使っていても、「粉が細かく密着する」という印象も与えます。
また、肌の上に光を乱反射してさまざまなぼかし効果が現れます。
メーカーによって、タルクひとつとっても使う粒子の大きさはまるで違い、
実に興味深いものです。
shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(0)│
2008年07月21日
大手のMMU
大手もMMUに参入しているので、同じく電子顕微鏡でみています。
こちらはおフランスのメーカーのもの。
粒度の大きなものを主体にしています。
おそらくタルクと窒化ホウ素でしょうか。
このMMUが他のものと違うのは粉体にシリコーン処理を行っていることです。
そのため、耐水性はかなりよくなっていると思われます。
乾燥感も低いかもしれません。
また、写真を見ていただければわかりますように
タルクなどは、ほぼ面に沿って寝るような形となっています。
ほかのMMUは、板状結晶が寝ずに立ったり、様々な方向へ向いていたり
していましたが、このものは面に沿ってほとんどが寝ているというような特徴があります。
すなわち肌の表面に対して、平行してタルクなどがくっつくので、
付着性がよく、化粧もちが良いような印象を持っています。
ただ、好みがありますので、これが良い結果となるかのかはわかりません。
しかし、粉粒子を肌表面にも密着させる技術は、さすがといったところでしょうか。
(画像をクリックすると大きくなります)

こちらはおフランスのメーカーのもの。
粒度の大きなものを主体にしています。
おそらくタルクと窒化ホウ素でしょうか。
このMMUが他のものと違うのは粉体にシリコーン処理を行っていることです。
そのため、耐水性はかなりよくなっていると思われます。
乾燥感も低いかもしれません。
また、写真を見ていただければわかりますように
タルクなどは、ほぼ面に沿って寝るような形となっています。
ほかのMMUは、板状結晶が寝ずに立ったり、様々な方向へ向いていたり
していましたが、このものは面に沿ってほとんどが寝ているというような特徴があります。
すなわち肌の表面に対して、平行してタルクなどがくっつくので、
付着性がよく、化粧もちが良いような印象を持っています。
ただ、好みがありますので、これが良い結果となるかのかはわかりません。
しかし、粉粒子を肌表面にも密着させる技術は、さすがといったところでしょうか。
(画像をクリックすると大きくなります)

shin_chanz at 00:01|Permalink│Comments(0)│
2008年07月18日
MMUの電子顕微鏡写真 その2
こちらはアメリカの人気ブランドのMMUの写真です。
成分の一番最初にオキシ塩化ビスマスがやってきます。
前に紹介したMMUとは何か違いますよね?
デカイ粒子(オキシ塩化ビスマス、マイカ)がまずドカーンとあって、細かい粒子(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛)があります。
この大きな板がオキシ塩化ビスマスとなります。
全体の粒子が大きいので800倍で撮りました。
(実際には2000倍でもピントを合わせています)
酸化チタンや酸化鉄などの顔料と全く大きさが違いますよね?
目で見ると、良くわかります。
肌の上に乗っかり、できるだけ落ちないようにするには
球状よりも板状の方が有利です。
それも面積が広い割りに薄い板の方がより肌に密着するというもの。
さらに酸化鉄や酸化チタン、酸化亜鉛などの顔料もこのオキシ塩化ビスマスの
板にくっつきます。つまり、小さな粒子を配合しても
結局は大きな粒子にくっつくので、全体としては大きな粒子となっていきます。
こうなると仕上がりはどうなるか別にして、
粒度の細かい酸化鉄・酸化チタン主体のMMUに比べて
吸い込みによる安全性も高くなるような気がしませんか?
余り細かい粒子で出来たものは、昔と違って今は一考の余地があると思います。
(ただし、酸化チタン・酸化鉄主体でも分散技術が無いメーカーは除きます)
MMUが大きく分けて二通りというのは、この写真と前回の写真を見比べると
お分かりになられるかと思います。
(クリックすれば大きくなります)

成分の一番最初にオキシ塩化ビスマスがやってきます。
前に紹介したMMUとは何か違いますよね?
デカイ粒子(オキシ塩化ビスマス、マイカ)がまずドカーンとあって、細かい粒子(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛)があります。
この大きな板がオキシ塩化ビスマスとなります。
全体の粒子が大きいので800倍で撮りました。
(実際には2000倍でもピントを合わせています)
酸化チタンや酸化鉄などの顔料と全く大きさが違いますよね?
目で見ると、良くわかります。
肌の上に乗っかり、できるだけ落ちないようにするには
球状よりも板状の方が有利です。
それも面積が広い割りに薄い板の方がより肌に密着するというもの。
さらに酸化鉄や酸化チタン、酸化亜鉛などの顔料もこのオキシ塩化ビスマスの
板にくっつきます。つまり、小さな粒子を配合しても
結局は大きな粒子にくっつくので、全体としては大きな粒子となっていきます。
こうなると仕上がりはどうなるか別にして、
粒度の細かい酸化鉄・酸化チタン主体のMMUに比べて
吸い込みによる安全性も高くなるような気がしませんか?
余り細かい粒子で出来たものは、昔と違って今は一考の余地があると思います。
(ただし、酸化チタン・酸化鉄主体でも分散技術が無いメーカーは除きます)
MMUが大きく分けて二通りというのは、この写真と前回の写真を見比べると
お分かりになられるかと思います。
(クリックすれば大きくなります)

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