ニトロソアミン

2006年11月30日

化粧品の発がん性物質

化粧品の発がん性物質で有名なものは、ニトロソアミンでしょうか。

シャンプーに入っているジエタノールアミンが亜硝酸と反応してできる
ニトロソアミンがよく問題にされます。

染毛剤に含まれる色素にも不純物としてニトロソアミンが
入ることもあるようです。

ただ、ニトロソジエタノールアミンの発がん性は、
IARCの分類では2Bでかなり低いものです。

一番強いのがグループ1でその次がグループ2A、
そしてその次がグループ2Bとなります。

グループ2Aには、ディーゼルの排ガスやエステの日焼けランプがあり、
グループ2Bにはコーヒーや漬物(日本でも漬物を多く食べる地域は
癌死が多いです)、ガソリンやガソリンでの排ガスなどがあります。

FDAの1991年の調査ではコカミドDEAを使った市販品 8個のうち63%
1992年の調査ではコカミドDEAを使った市販品12個のうち67%に
存在が確認されています。

もともと1970年代の調査でニトロソアミンが化粧品に入っていることが
確認されたのですが、その後どうしてニトロソアミンが化粧品にはいるのかという
徹底した調査で、ブロノポールという防腐剤が分解して、
亜硝酸を生成することがわかりました。

この防腐剤とトリエタノールアミン(ジエタノールアミンを少量含む)を
配合するとニトロソジエタノールアミンが生成することが確認されています。

このブロノポールは、日本では使用禁止となっていますが、
いまでもアメリカの化粧品には配合されることがあります。
FDAの調査もこのブロノポールを配合した商品を中心に調べましたので、
ニトロソアミンの検出割合が高くなっています。

なお、亜硝酸と反応してニトロソアミンになりやすいのは、
ジエタノールアミンで、シャンプーの成分にも使われています。
ただ、この成分は、日本の店頭で販売されているシャンプーからは
ほぼ排除されています。

他にもニトロソアミンになりやすいのは、二級アミン、三級アミン、
二級アミド、三級アミドと化粧品の教科書には書いていますが、
厳密に見ていくと敏感肌向けメーカーが売り物にする成分が相当します。

(公共の図書館には化学大辞典というものがありますので、そこでアミンを
 調べてみれば、特に二級アミン(ジエタノールアミン)がニトロソ化
 されやすいことがわかります)

ですので、無難な「ジエタノールアミン」や「トリエタノールアミン」が
危険だと定義されることが多いです。

ただ、化粧品のニトロソアミンより、焼き魚と大根おろしから
作られるニトロソアミンの方がIARCの分類では発がん性が上になります。

ニトロソアミンの発がん性が強調されることもありますが、
癌の専門家からみれば、コーヒーや漬物と同程度となります。

shin_chanz at 00:01|PermalinkComments(4)